
東松照明(1930-2012)の写真集『太陽の鉛筆』(初版1975)は、日本の戦後写真史において異彩を放つ傑作であり、いまだにその映像思想を内に隠したまま謎のように揺らめく作品です。写真が、歴史や国家空間の包囲から離れて、真にその外部へと、すなわち国境なき海と群島の領域へと漕ぎだそうとしたときの鮮烈な決意が、そこには写し込まれています。海という包括的な媒体を自らの移動の根拠にすえながら、近代的な秩序とアイデンティティの呪縛からのがれ、混沌と他者性にむけて視線を開いていった東松照明……。その映像思想は、いまこそ彼の写真の示す「水平の深遠」のイメージのなかから再発見されねばなりません。
初版刊行から40年を経て、新たに100枚余の写真を加え『新編 太陽の鉛筆』(赤々舎、2015)として蘇ったこの作品をめぐって、編者である伊藤俊治と今福龍太が、その編集の経緯、収録作品への注釈、東松照明と東アジア群島域の関係、そして新編に込めた新たな思想について、縦横に対話します。
伊藤俊治
1953年秋田県生まれ。美術史家。東京芸術大学先端芸術表現科教授。東京大学大学院修士課程修了(西洋美術史)。美術史、写真史、美術評論、メディア論などを中軸にしつつ、建築デザインから身体表現まで、19世紀~20世紀文化全般にわたって評論活動を展開。展覧会のディレクション、美術館構想、都市計画なども行う。主な著書に、『裸体の森へ』『20世紀写真史』(筑摩書房)、『20世紀イメージ考古学』(朝日新聞社)、『バリ島芸術をつくった男』(平凡社)、『唐草抄』(牛若丸)などがある。東松照明との共著に『廃園』(PARCO出版)がある。
今福龍太
1955年東京生まれ。文化人類学者・批評家。東京外国語大学教授。サンパウロ・カトリック大学客員教授として映像論/偶景論のセミナーを随時担当。また、群島という地勢に遊動的な学びの場の創造を求めて2002年より巡礼型の野外学舎〈奄美自由大学〉を主宰。主な著作に『クレオール主義』(ちくま学芸文庫)『ミニマ・グラシア』『群島-世界論』『ジェロニモたちの方舟』(以上、岩波書店)『レヴィ=ストロース 夜と音楽』(みすず書房)『書物変身譚』(新潮社)など。東松照明との共著に『時の島々』(岩波書店)がある。
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2016/04/09 Sat -
伊藤俊治×今福龍太
「写真が海に漕ぎだすとき──
『太陽の鉛筆』と水平の深遠」
東松照明『新編 太陽の鉛筆』
(赤々舎)刊行記念
- 09/12 Sat 前田エマが、今、会いたい人、話したいこと。
「小説家・滝口悠生さんに、子どもとの日々を聞く。」 - 09/12 Sat 金原ひとみ×山中瑶子×大石恵美
「飾らない私、盛りたい作品」
『GOAT meets 02』(小学館)刊行記念 - 09/13 Sun 川崎哲×浅野英男×安田菜津紀
「現実的理想として核なき世界をかんがえる」
『非核三原則』(地平社ブックレット)刊行記念 - 09/15 Tue 高野秀行×ワクサカソウヘイ
「未知と遭遇したい」
『メソポタミアのボート三人男』(集英社)
『ぼくたちはイカを知って大人になる』(小学館)刊行記念 - 09/16 Wed 中村洋基×YOM YOM PR CLUB
「世の中ごとを“世界のできごと”に PR×クリエイティブの力」 - 09/17 Thu 安部若菜×平成ノブシコブシ徳井健太×そいつどいつ市川刺身×OCTPATH海帆×あわよくばファビアン×ピストジャム
「第一芸人文芸部 俺の推し本。」(BSよしもと)
第31回公開収録 - 09/18 Fri 天竜川ナコン×木下龍也
「木下龍也さんに感謝を伝える会」
『世界は解釈でできている』(KADOKAWA)刊行記念 - 09/19 Sat 【複製技術に、アウラは宿るか?】
アートプリントとアートブックから考える「デジタルアウラ」 - 09/21 Mon 石倉敏明×ドミニク・チェン
「共異体の未来」
『共異体の人類学︎』(作品社)刊行記念 - 09/22 Tue 今福龍太×太田光海
「撮ることの希望とためらい——イメージの氾濫する時代に」
『〈見ること〉の未来』(亜紀書房)刊行記念 - 09/23 Wed タナカヒロキ×尼川元気
「ミュージシャンが語る“夢と現実” 〜音楽が紡ぐ、終わらない青春の物語〜」
『陽と月』(KADOKAWA)刊行記念 - 09/25 Fri 針貝有佳×小原康照
「いい“自分時間”の過ごし方・いい“休養”とは? 」
『幸せの国デンマークの「じぶん時間」のつくり方』
『世界の一流が実践している科学的休養』(SBクリエイティブ)W刊行記念 - 09/28 Mon 吉本ばなな×小田島等
『吉本ばななと小田島等の芸術魂』
吉本ばなな&小田島等 展覧会『ムーンライトヶ丘:言葉とオブジェ』 at BONUS TRACK GALLERY 2 開催記念 - 09/29 Tue 亀渕昭信×ピーター・バラカン
「ポップスのゆくえ~50年代アメリカン・ポップスのレガシー」
『アメリカン・ポップス大全』(白水社)刊行記念 - 09/30 Wed 宮田珠己×大平一枝
「“くよくよ派”と“まだまだ派”が語る、加齢と体の関係」
『衰えません、死ぬまでは。』(幻冬舎)刊行記念 - 10/01 Thu 島村恭則×藤井修平
「恐怖が生まれるとき」
『恐怖の民俗学』(SBクリエィティブ)刊行記念 - 10/03 Sat ダヨオ
「ダヨオ先生が語る!『せんせいの金曜日』放課後トーク」 - 10/04 Sun 岸本佐知子×惠愛由
「この奇妙なかがやきと」
『はいつくばって』(新潮社)刊行記念 - 10/12 Mon 蝉谷めぐ実×渡辺祐真
「歴史を描く技術 小説の場合、評論の場合〜」
『見えるか保己一』(KADOKAWA)
『空海読んだら、人生変わった』(大和書房)刊行記念 - 10/18 Sun 平井靖史×古田徹也
「未完了の時間を生きるために」
『はじめてのベルクソン 時間をひらく哲学』(講談社)刊行記念