第二次世界大戦後の極限下で生み出された「戦後文学」を読むと、先の見えない閉塞感に覆われた現代と、社会状況や空気感が強く響きあうことに驚かされます。講談社文芸文庫『戦後文学を読む』は、野間宏、武田泰淳、梅崎春生、大岡昇平、小島信夫ら戦後派9人の代表作を、現代の作家・評論家たちが「群像」の「創作合評」形式で読み、論じ合う鼎談・対談集です。合評・対談参加者は、座長の奥泉光氏をはじめ、高橋源一郎氏、保坂和志氏、島田雅彦氏、町田康氏、青木淳悟氏、川上未映子氏、青山七恵氏、朝吹真理子氏など現代文学を牽引する21名。
本書の刊行を記念し、今回のトークイベントでは、奥泉光氏、青木淳悟氏、朝吹真理子氏による「公開合評」が実現。本書では取り上げなかった戦後文学の作品から、島尾敏雄の「鬼剥げ」を選び、「群像」の「創作合評」と同じように、この小説をどのように読んだかを壇上で三者が論じ合います。「鬼剥げ」は、講談社文芸文庫『その夏の今は/夢の中での日常』所収の短編で、島尾敏雄のシュールレアリズム系列に位置づけられる主要作。
あらかじめ本作を読めば、三者がそれぞれどのように小説にアプローチし読み解くかを、より深く愉しむことができるでしょう。半世紀以上前に書かれた「戦後文学」ですが、小説に描かれた人間心理や社会、文学的テーマは現代と強く結びついています。「戦後文学」の面白さと魅力に触れる、文学愛好者必見必聴の「公開合評」です。
【プロフィール】
・奥泉光(おくいずみ・ひかる)
1956年生まれ。『ノヴァーリスの引用』で野間文芸新人賞と瞠目 反・文学賞、「石の来歴」で芥川賞、『神器―軍艦「橿原」殺人事件』で野間文芸賞を受賞。最新作『ビビビ・ビ・バップ』(講談社刊)が6月22日発売予定。
・青木淳悟(あおき・じゅんご)
1979年生まれ。『四十日と四十夜のメルヘン』で野間文芸新人賞、『私のいない高校』で三島賞を受賞。ほかの作品に『匿名芸術家』(講談社)、『学校の近くの家』(新潮社)など。
・朝吹真理子(あさぶき・まりこ)
1984年生まれ。デビュー作「流跡」でドゥマゴ文学賞、「きことわ」で芥川賞を受賞。現在「新潮」に「TIMELESS」を連載中。
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2016/06/23 Thu -
奥泉光×青木淳悟×朝吹真理子
「なぜいま、戦後文学なのか。公開合評〜島尾敏雄「鬼剥げ」を読む」
『戦後文学を読む』(講談社文芸文庫)刊行記念
- 07/01 Tue 吉見俊哉×若林幹夫
「建築と出来事」
『このとき、夜のはずれで、サイレンが鳴った』(岩波書店)
『ダイアローグ〈危機〉の時代の長谷川逸子・原広司・伊東豊雄』(millegraph)W刊行記念 - 07/02 Wed 豊﨑由美×木下眞穂
第93回「読んでいいとも! ガイブンの輪」 - 07/04 Fri 富川岳×ドミニク・チェン×桜井祐
「懐かしい異界へ。人ならざるものと共に生きる」
『シシになる。──遠野異界探訪記』(亜紀書房)刊行記念 - 07/05 Sat 岡本敬子×岡本仁
「ふたりへの質問エクストラ 」
『私のふたり暮らし』(光文社) - 07/05 Sat 武田砂鉄×石村博子×舛友雄大
「ノンフィクションの現在地」
Presented by 講談社本田靖春ノンフィクション賞 - 07/06 Sun あきやあさみ×竹村優子
「服と仕事と私~制服化スタイリストと編集者の場合」 - 07/10 Thu 星田英利×フルーツポンチ村上健志×日下怜奈×トット桑原雅人×あわよくばファビアン×ピストジャム
「第一芸人文芸部 俺の推し本。」(BSよしもと)
第13回公開収録 - 07/11 Fri 星野文月×竹中万季×野村由芽
「それぞれの日記のなかにある、人との距離や関係性」
『不確かな日々』(ひとりごと出版)
刊行記念 - 07/12 Sat 西尾康之×斎藤環
「『不死』の時代とは?:アーティストと精神科医が語り尽くす」
『不死』(くま書店)刊行記念 - 07/13 Sun 柴田元幸×惠愛由
「あなたをみている」
『体の贈り物』(twilillight) 復刊記念 - 07/13 Sun 服部円×長崎訓子
「身近なネコをよく知り、
イラストにするワークショップ」
『ネコは(ほぼ)液体である』
(KADOKAWA)刊行記念 - 07/14 Mon 【全6回】連続講座 鈴木涼美「夜の読書室」Vol.3
- 07/15 Tue 松尾潔×丸屋九兵衛
「90年代R&Bとは何だったのか? 」
『松尾潔のメロウなライナーノーツ』(リットーミュージック)刊行記念 - 07/16 Wed 三宅陽一郎×清木 昌
「ゲームデザイン、人工知能、数学――レトロゲームから未来まで」
『数学がゲームを動かす!』
(日本評論社)刊行記念 - 07/18 Fri 阿部恭子×インベカヲリ★
「家族という密室で何が起きているのか」
『近親性交―語られざる家族の闇』(小学館)刊行&重版記念 - 07/22 Tue 周司あきら×杉田俊介
「語られにくいミサンドリー(男性嫌悪)から『男』の話をしよう」
『ラディカル・マスキュリズム』(大月書店)
『男性学入門』(光文社)W刊行記念 - 07/23 Wed 椎名基樹×せきしろ
「バカサイトークライブ」 - 07/24 Thu 米澤渉×ひろのぶと株式会社
「踊る阿呆たちの本づくり」
『踊る阿呆の世界戦略』(ひろのぶと株式会社)
刊行記念 - 07/26 Sat 水上文×清水晶子
「ここにも、そこにも、どこにでも:日本語圏と英語圏のクィアポリティクスを辿って」
『クィアのカナダ旅行記』(柏書房)刊行記念 - 07/27 Sun 太田充胤×山本ジャスティン伊等×山本浩貴
「こんなにも踊りたい、私たちの魂について」
『踊るのは新しい体』(フィルムアート社)刊行記念 - 07/28 Mon 金原ひとみ×朝吹真理子×山中瑶子
「韓国と出会って考えたこと」
新文芸誌『GOAT meets』(小学館)刊行記念 - 07/29 Tue 枝優花×平井珠生
「ラジオでしゃべるって、こんなにむずかしくて、たのしい。」 - 07/30 Wed 梶原阿貴×高橋伴明
「家族とジェンダーと革命」
『爆弾犯の娘』(ブックマン社)
刊行記念 - 08/04 Mon 古賀及子×菊地朱雅子×北野太一×油利可奈
「生活を(書き)続けるために」
『巣鴨のお寿司屋で、帰れと言われたことがある』(幻冬舎)
『おかわりは急に嫌 私と『富士日記』』(素粒社)
『よくわからないまま輝き続ける世界と 気がつくための日記集』(大和書房)刊行記念 - 08/13 Wed 小島雄一郎×吉田将英
「拗らせたおじさん二人が考える『選べない』時代の生き方」
『「選べない」はなぜ起こる?』(サンマーク出版)刊行記念 - 08/31 Sun 小川公代×中村隆之
「この世界を生きるための物語と音楽」
『ケアの物語 フランケンシュタインからはじめる』
『ブラック・カルチャー』(岩波書店)刊行記念