“ウィンザー・マッケイは、『リトル・ニモ』のなかで、ありとあらゆるコミック・ストリップの技法上の実験を、早くもやってしまったのだ。線と色彩、言葉と画面の全体としての新機軸をうちだした。彼は、コミック・ストリップを発見した、というよりほとんど発明したといってもいいだろう。”
(『リトル・ニモ 1905-1914』訳者解説より)
マンガの発明者にして、アニメーション映画のパイオニア、ウィンザー・マッケイが亡くなって今年で80年。マッケイの代表作である『リトル・ニモ』は、世界中の名だたるクリエイターに影響を与えており、誕生から100年以上が経った今も、その輝きは色褪せることがありません。
今回、1905年から1914年までの連載を完全収録した邦訳決定版『リトル・ニモ 1905-1914』が刊行されたことを記念して、屈指のニモファンとして知られる漫画家の藤原カムイ氏と、『リトル・ニモ 1905-1914』の訳者であり日本に初めて『ニモ』を紹介した功労者でもある小野耕世氏が、ニモの魅力を語りつくします。
●藤原カムイ(ふじわら・かむい)
1959年生まれ。桑沢デザイン研究所卒。1981年、『バベルの楽園』でデビュー。代表作に『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』(スクウェア・エニックス)、『雷火』(幻冬舎)、『アンラッキーヤングメン』(角川書店)などがある。近作では、BD作家ジャン=ダヴィッド・モルヴァン原作による「不思議の国のアリス」を下敷きにした異色SF『LOVE SYNC DREAM』(徳間書店)や漫画家・藤原カムイの誕生を描いた自伝的作品『ROOTS』(集英社)などで活躍の場を広げている。
●小野耕世(おの・こうせい)
1939年、東京生まれ。国士舘大学21世紀アジア学部客員教授。日本マンガ学会理事。日本における海外コミックスの翻訳および研究、紹介の第一人者で、長年の海外コミックスの紹介と評論活動が認められ、2006年に第10回手塚治虫文化賞特別賞を受賞。主な著書に『世界コミックスの想像力 グラフィック・ノヴェルの冒険』(青土社)、訳書にアート・スピーゲルマン『マウス』(晶文社)、ジョー・サッコ『パレスチナ』(いそっぷ社)、パコ・ロカ『皺』(共訳・小社)などがある。
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