スペインを代表する映画監督ペドロ・アルモドバルの最新作『ジュリエッタ』が11月5日(土)より新宿ピカデリーほかで全国公開されます。本作は、12年間音信不通となっていた娘の消息を聞いた母ジュリエッタが、封印していた過去と向き合い、伝えられなかった娘への想いを手紙に綴るという形で回想されていく、ひと組の母娘の物語です。アルモドバルが“女性賛歌3部作”と呼ばれる自身の代表作『オール・アバウト・マイ・マザー』『トーク・トゥ・ハー』『ボルベール〈帰郷〉』にも通じるテーマを追求し、魔術的なまでに深みを湛えた語り口で観る者を虜にする傑作です。
母と娘の関係や隠されていた過去をめぐるテーマ性、スクリーンを彩る鮮烈な赤、アルベルト・イグレシアスのエモーショナルな音楽など、どこをとってもアルモドバルらしい作品である本作は、実は、カナダ人のノーベル賞作家アリス・マンローの連作短篇集『ジュリエット』(原題:Runaway)が原作になっています。収録作の中で同一主人公でありながら独立した短篇「チャンス」「すぐに」「沈黙」の3編を、舞台をカナダからスペインへと移し、アルモドバル自身がひと続きの物語として脚本化しました。
この度の映画『ジュリエッタ』の公開と小説『ジュリエット』(新潮クレスト・ブックス)の刊行を記念して、映画評論家の北小路隆志さんと翻訳家の小竹由美子さんを招き、アルモドバルの映画の魅力を分析するとともに、アリス・マンローの小説世界を紹介するトークイベントを開催します。小説と映画の幸福な邂逅を解読する贅沢な一夜にぜひご期待ください。
◎映画『ジュリエッタ』公式サイト
http://julieta.jp
北小路隆志(きたこうじ・たかし)
1962年生まれ。映画評論家。京都造形芸術大学准教授。新聞、雑誌、劇場用パンフレットなどで映画評や書評を中心に執筆。著書に『王家衛的恋愛』(INFASパブリケーションズ)、共著に『映画の政治学』(青弓社)、『ひきずる映画──ポスト・カタストロフ時代の想像力』(フィルムアート社)、『国境を超える現代 ヨーロッパ映画250 移民・辺境・マイノリティ』(河出書房新社)など。
小竹由美子(こたけ・ゆみこ)
1954年生まれ。翻訳家。訳書に、2013年にノーベル文学賞を受賞したアリス・マンローの『イラクサ』『林檎の木の下で』『小説のように』『ディア・ライフ』『善き女の愛』、ネイサン・イングランダー『アンネ・フランクについて語るときに僕たちの語ること』、ジュリー・オオツカ『屋根裏の仏さま』(岩本正恵との共訳)、アレクサンダー・マクラウド『煉瓦を運ぶ』、ジョン・アーヴィング『あの川のほとりで』『ひとりの体で』など多数。
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2016/11/05 Sat -
北小路隆志×小竹由美子
「小説と映画の幸福な邂逅」
ペドロ・アルモドバル監督最新作『ジュリエッタ』公開&原作小説アリス・マンロー『ジュリエット』(新潮クレスト・ブックス)刊行記念
- 07/01 Tue 吉見俊哉×若林幹夫
「建築と出来事」
『このとき、夜のはずれで、サイレンが鳴った』(岩波書店)
『ダイアローグ〈危機〉の時代の長谷川逸子・原広司・伊東豊雄』(millegraph)W刊行記念 - 07/02 Wed 豊﨑由美×木下眞穂
第93回「読んでいいとも! ガイブンの輪」 - 07/04 Fri 富川岳×ドミニク・チェン×桜井祐
「懐かしい異界へ。人ならざるものと共に生きる」
『シシになる。──遠野異界探訪記』(亜紀書房)刊行記念 - 07/05 Sat 岡本敬子×岡本仁
「ふたりへの質問エクストラ 」
『私のふたり暮らし』(光文社) - 07/05 Sat 武田砂鉄×石村博子×舛友雄大
「ノンフィクションの現在地」
Presented by 講談社本田靖春ノンフィクション賞 - 07/06 Sun あきやあさみ×竹村優子
「服と仕事と私~制服化スタイリストと編集者の場合」 - 07/10 Thu 星田英利×フルーツポンチ村上健志×日下怜奈×トット桑原雅人×あわよくばファビアン×ピストジャム
「第一芸人文芸部 俺の推し本。」(BSよしもと)
第13回公開収録 - 07/11 Fri 星野文月×竹中万季×野村由芽
「それぞれの日記のなかにある、人との距離や関係性」
『不確かな日々』(ひとりごと出版)
刊行記念 - 07/12 Sat 西尾康之×斎藤環
「『不死』の時代とは?:アーティストと精神科医が語り尽くす」
『不死』(くま書店)刊行記念 - 07/13 Sun 柴田元幸×惠愛由
「あなたをみている」
『体の贈り物』(twilillight) 復刊記念 - 07/13 Sun 服部円×長崎訓子
「身近なネコをよく知り、
イラストにするワークショップ」
『ネコは(ほぼ)液体である』
(KADOKAWA)刊行記念 - 07/14 Mon 【全6回】連続講座 鈴木涼美「夜の読書室」Vol.3
- 07/15 Tue 松尾潔×丸屋九兵衛
「90年代R&Bとは何だったのか? 」
『松尾潔のメロウなライナーノーツ』(リットーミュージック)刊行記念 - 07/16 Wed 三宅陽一郎×清木 昌
「ゲームデザイン、人工知能、数学――レトロゲームから未来まで」
『数学がゲームを動かす!』
(日本評論社)刊行記念 - 07/18 Fri 阿部恭子×インベカヲリ★
「家族という密室で何が起きているのか」
『近親性交―語られざる家族の闇』(小学館)刊行&重版記念 - 07/22 Tue 周司あきら×杉田俊介
「語られにくいミサンドリー(男性嫌悪)から『男』の話をしよう」
『ラディカル・マスキュリズム』(大月書店)
『男性学入門』(光文社)W刊行記念 - 07/23 Wed 椎名基樹×せきしろ
「バカサイトークライブ」 - 07/24 Thu 米澤渉×ひろのぶと株式会社
「踊る阿呆たちの本づくり」
『踊る阿呆の世界戦略』(ひろのぶと株式会社)
刊行記念 - 07/26 Sat 水上文×清水晶子
「ここにも、そこにも、どこにでも:日本語圏と英語圏のクィアポリティクスを辿って」
『クィアのカナダ旅行記』(柏書房)刊行記念 - 07/27 Sun 太田充胤×山本ジャスティン伊等×山本浩貴
「こんなにも踊りたい、私たちの魂について」
『踊るのは新しい体』(フィルムアート社)刊行記念 - 07/28 Mon 金原ひとみ×朝吹真理子×山中瑶子
「韓国と出会って考えたこと」
新文芸誌『GOAT meets』(小学館)刊行記念 - 07/29 Tue 枝優花×平井珠生
「ラジオでしゃべるって、こんなにむずかしくて、たのしい。」 - 07/30 Wed 梶原阿貴×高橋伴明
「家族とジェンダーと革命」
『爆弾犯の娘』(ブックマン社)
刊行記念 - 08/04 Mon 古賀及子×菊地朱雅子×北野太一×油利可奈
「生活を(書き)続けるために」
『巣鴨のお寿司屋で、帰れと言われたことがある』(幻冬舎)
『おかわりは急に嫌 私と『富士日記』』(素粒社)
『よくわからないまま輝き続ける世界と 気がつくための日記集』(大和書房)刊行記念 - 08/13 Wed 小島雄一郎×吉田将英
「拗らせたおじさん二人が考える『選べない』時代の生き方」
『「選べない」はなぜ起こる?』(サンマーク出版)刊行記念 - 08/31 Sun 小川公代×中村隆之
「この世界を生きるための物語と音楽」
『ケアの物語 フランケンシュタインからはじめる』
『ブラック・カルチャー』(岩波書店)刊行記念