いまや、「人工知能」という言葉を耳にしない日はなく、ロボットなど、人間と同様、さらには人間を超える高度な知能を持つ人工物の開発が目指されています。
さまざまな人工物を思うように操ること、つまり「制御」の専門家である大須賀公一さんは、長年さまざまな研究を行う中で、「モノを知的に動かすためにはどのようなシステムを構築すればいいか」ということから、「そもそも知的に動くってどういうこと?」「知能はどこから生まれるの?」という根源的な謎へと興味を移していきました。
この謎に対して大須賀さんの立てた仮説は、「知能の源泉は環境である」でした。
そこで、全く制御されていないのに、環境に応じて生き物っぽく動くムカデ型ロボット・i-CentiPot(アイ・センチポット)を作り出し、仮説を実証するための実験を試みます。その一連の記録を、書籍『知能はどこから生まれるのか?―ムカデロボットと探す「隠れた脳」―』にまとめました。(i-CentiPotの動画はこちら!)
大須賀さんの「知能の源泉は環境である」という仮説は、意外なヒントをもとに打ち立てられました。哲学者フッサールの「現象学」の考え方を参考に、知能とは「実在するから感じる」ものではなく、「感じるからその存在を確信する」ものであると、発想を逆転させたのです。そして、筋金入りの理系人間である大須賀さんに、哲学の扉を開いてくれたのが、西さんの著書をはじめとする、数々の解説書でした。その後、大須賀さんと西さんは文系・理系の枠を超えて意見交換を行うようになり、現在に至ります。
本トークイベントでは、西さんをお招きして、哲学と工学という異なる観点から、「科学」という営みとは何ぞや? というテーマで対談いただきます。「何かを考えること」「腑に落ちること」は、とても楽しい、人間の根源的な欲求です。ご参加の皆様ともそんな時間を共有できれば幸いです。
ぜひご参加ください!
【出演者プロフィール】
大須賀公一(おおすか・こういち)
1959年、香川県生まれ。大阪大学教授、工学博士。先端制御理論と応用、非線形力学とカオス制御、ロボティクス、メカニカルアナリシス&シンセシスの研究に従事。最近は陰的・陽的制御学を提唱している。その過程で、知能の素は脳ではなく身体と場の相互作用に埋め込まれているとの考えを持つ。また「日本哲学会」に入り、「そもそも論」を語ることに凝っている。
西研(にし・けん)
1957年、鹿児島県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科修士課程終了。学生時代から小阪修平、竹田青嗣らと哲学の勉強会を続け、執筆活動をするようになる。京都精華大学、和光大学を経て、現在、東京医科大学教授(哲学教室)。青山のNHK文化センターでも市民向けの哲学講座を行っている。哲学を、対話を通して一人ひとりが深く考えるための技術として〝再生〟することをたくらんでいる。
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2019/02/28 Thu -
大須賀公一×西研
「科学という営みの意味
―哲学と工学が交差するところ―」
『知能はどこから生まれるのか? ―ムカデロボットと探す「隠れた脳」―』(近代科学社)刊行記念
- 01/29 Sun 堀静香×こだま
「なぜ、暮らしを書くのか?」
『せいいっぱいの悪口』(百万年書房)刊行記念 - 02/01 Wed 【参加無料】角田光代×︎田中卓×安並まりや
「『気持ちよく生きるヒントを角田さんと本屋で考えてみる』ウェルビーイングトーク」
presented by Hakuhodo DY Matrix - 02/02 Thu 西田亮介×丹羽充×谷憲一
「『監査文化の人類学』をどう読むか」
『監査文化の人類学』(水声社)刊行記念 - 02/03 Fri 朝日順子×藤本国彦
「ビートルズはインドで何と出会ったのか?」
『インドとビートルズ』(青土社)刊行記念 - 02/04 Sat 高島鈴
「一人称からはじめる蜂起」読書会/第2回
『布団の中から蜂起せよ』(人文書院)刊行記念 - 02/06 Mon 高野光太郎×篠原かをり
「ウォンバット研究者、数奇な人生を語る」
『ウォンバットのうんちはなぜ、四角いのか?』(晶文社)刊行記念 - 02/07 Tue 杉山恒太郎×山口周×河尻享一
「杉山恒太郎、広告ビジネスの現在、過去、未来を語る」
『広告の仕事』(光文社)『世界を変えたブランド広告』(日経BP)W刊行記念 - 02/09 Thu 妹尾昌俊×工藤祥子×堀潤
「先生を、死なせない。——教育現場の過労死等を防ぐために」
『先生を、死なせない。』(教育開発研究所)刊行記念 - 02/10 Fri 髭男爵ひぐち君×萩原弘基×栁佐織
「髭男爵ひぐち君の語る日本ワインサロン×塩山洋酒醸造×LIFE with WINE」
『髭男爵ひぐち君の語る日本ワインサロン』(三栄書房)刊行記念 - 02/15 Wed 新井高子×清岡智比古×小島敬太
×管啓次郎×田野倉康一×坪井秀人
「「朔太郎と歩く」詩と歌の夕べ」
『朔太郎と歩く』(明治大学総合芸術系)刊行記念 - 02/16 Thu 太田靖久×友田とん×碇雪恵×竹田信弥
「ZINEを作って届けて、楽しく巻き込む〜3人のアフタースクール〜」
『ふたりのアフタースクール〜ZINEを作って届けて、楽しく巻き込む』(双子のライオン堂)刊行記念 - 02/17 Fri 庄子寛之×西岡壱誠
「これからの時代を生きる子に必要な力」
『子どもが伸びる「待ち上手」な親の習慣』
『それでも僕は東大に合格したかった』
『東大独学』トリプル刊行記念 - 02/18 Sat 豊﨑由美×若島正
第80回「読んでいいとも! ガイブンの輪」 - 02/21 Tue 平岩壮悟×大林寛×中村将大
「ヴァージル・アブロー『ダイアローグ』のよみかた」
『ダイアローグ』(アダチプレス)刊行記念 - 02/22 Wed 金澤寿和×福田直木
「ライトメロウなプレミアムAORの夜」
『AORライトメロウ プレミアム 02 ゴールデン・エラ 1976-1983』(シンコーミュージック・エンタテイメント)刊行記念 - 02/25 Sat 西寺郷太×伊賀大介×原カントくん
「復活!『いごかんトリオ』(伊賀大介・西寺郷太・原カントくん)1990年代の音楽、ファッション、そして下北沢を語る」
『90’s ナインティーズ』(文藝春秋)刊行記念