人呼んで「日本語小説界のクリント・イーストウッド」。片岡義男の孤高にして闊達な表現世界を、さまざまな角度から探訪していく全六回のシリーズイベントをB&Bにて開催します。
小説のみならず、評論、エッセイ、翻訳、写真家としても名高い「多芸多才の人」であり、同時に、精密機械の動作痕のごとき文体と思考が一糸乱れぬ「ピュアリスト」でもある巨匠。さらには、ロックンロール、オートバイやサーフィン、アメリカのカウンター・カルチャーや、そこから派生したライフスタイル哲学の精髄を世に広く伝導してくれた「永遠のアニキ」……そんな多面的な「片岡義男プリズム」に光を照射すれば、未来的でオルタナティヴな文学の可能性すら見えてくる!(かもしれません)。
実質的な作家デビューとなった1974年の「白い波の荒野へ」から数えて40周年のアニバーサリー・イヤーである本年を記念したこの企画、毎回テーマに沿った豪華ゲストをお招きして、新進作家・川﨑大助さんが構成と司会をご担当します。
第3回目のゲストには、作家の大竹昭子さんをお招きします。
小説家にして「撮る人」でもある片岡さんと大竹さん。
今年1月にB&Bにて開催した片岡さんの最新写真集『私は写真機』刊行記念イベントでは、「ブツ撮り」を軸として、大竹さんにはまるで探偵のような素晴らしい分析をしていただきました。
今回のテーマは、ブツ撮りと並ぶ片岡さんの写真作品の「もうひとつの大きなテーマ」である、「街を撮った写真」。人がいっさい写らない、まるで異界のような、映画のセットのような「片岡義男が撮った街」の中には、ここ「下北沢」の写真も多数。今回のイベントでは特別にそれらも初公開してくださるとのことです。
vol.2のトークで片岡さんは、自分を掘ることはしない、興味があるのは自分の外側の世界なのだと語りました。「これは写真を撮ることと同じ」と大竹さんは言います。
片岡作品の魅力は、主人公のかっこよさでも描写の鮮やかさでもなく、実は片岡義男を駆動している外に向かおうとする力なのです!
40年間持続してきた力の素を、街を撮りながら語彙を拾っていく姿に探っていきます。
週末の午後は、ぜひ下北沢で、片岡義男とともに――。
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