2月に、東京大学助教の岡村健太郎さんによる『「三陸津波」と集落再編-ポスト近代復興に向けて-』(鹿島出版会)が出版されました。
東日本大震災で甚大な被害を受けた東北三陸地方。そこは、歴史的に何度も津波を経験し、津波からの復興こそが集落をつくり、文化を育ててきたといえるような地域です。そんな三陸地方において、ここ150年のうちに発生した四度の津波とその復興過程を本書は丹念に描き出します。
復興は新たな文化、新たな社会を芽吹かせる力になる。三陸地方の歴史が物語るのは、そうした復興の可能性です。では、足元にある復興に、私たちはどのような社会や文化を築いていけるでしょうか。
著者の岡村さんに加え、復興に日本文学の創造性をみた『復興文化論』の著者である福嶋亮大さんをゲストに、明治大学の鞍田崇さん、東京大学の林憲吾さんを交えて、三陸の復興を振り返りながら、復興の未来について語ります。
プロフィール
岡村健太郎(おかむら・けんたろう)
1981年兵庫県生まれ。建築史、都市史、災害史。東京大学生産技術研究所助教。博士(工学)。2017年に博士論文で、前田記念工学振興財団山田一宇賞受賞。著書に『「三陸津波」と集落再編 ポスト近代復興に向けて』(鹿島出版会、2017)、『記憶と忘却のアジア』(共著、青弓社、2015)ほか。
福嶋亮大(ふくしまりょうた)
1981年京都市生まれ。文芸批評家。京都大学文学部博士後期課程修了。現在は立教大学文学部文芸思想専修准教授。文芸からサブカルチャーまで、東アジアの近世からポストモダンまでを横断する多角的な批評を試みている。著書に『復興文化論』(サントリー学芸賞受賞作)『厄介な遺産』(やまなし文学賞受賞作)『神話が考える』がある。
鞍田崇(くらたたかし)
1970年兵庫県生まれ。哲学者。明治大学理工学部准教授。博士(人間・環境学)。ローカルスタンダードとインティマシーという視点から、工芸・建築などを手がかりに、現代社会の思想状況を問う。著書に、『民藝のインティマシー 「いとおしさ」をデザインする』(明治大学出版会 2015)、『〈民藝〉のレッスン つたなさの技法』(編著、フィルムアート社 2012)ほか。
林憲吾(はやしけんご)
1980年兵庫県生まれ。アジア建築・都市史。東京大学生産技術研究所講師。博士(工学)。インドネシアを中心に近現代建築・都市史やメガシティ研究に従事。著書に『スプロール化するメガシティ』(共編著、東京大学出版会、2017)、『衝突と変奏のジャスティス』(共著、青弓社、2016)ほか。
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