『シモーヌ Les Simones』は、「若い世代に芽生えた意識と研究者がつながる新しい媒体が必要」(編集後記より)という意図で新たに刊行されたフェミニズム入門ブックです。その記念に、「少女と消費」というキーワードに照射し、現代の女性表象について考えるトークイベントを開催致します。
写真批評の小林美香さんは、本書寄稿においてご自身の娘さんのエピソードから<意識しなくても視界に入り込んでくるマスメディアのイメージによって、自分自身の身体に対してコンプレックスを植えつけられたり、他者の身体に対してステレオタイプ的な見方・偏見が助長されることもあるだろう>(「身体の見方を学ぶために」より)と考えます。
同書で、ハロー! プロジェクトファンである鈴木みのりさんは、次のように綴っています。<個人としての在り方とアイドルとして他者の欲望の器になることのはざまにある葛藤の吐露は、アイドルでなくても、日常的に容姿や服装について美醜の価値判断が下されやすい、特に女性にとって勇気づけられる声になり得る。>(「好きなリップを塗る自由:ハロプロの新しい魅力を模索するアイドルたち」より)。
エッセイに共通する関心のうかがえるふたりに加え、同書の巻頭グラビアも撮影した写真家のインベカヲリ★さんを迎え、批評、ファンだけでなく、女性を被写体とする撮影者の視点も交えて語り合います。
ハロプロのアイドルグループ、アンジュルムのアーティストブック『アンジュルムック』(集英社刊)は、これまでのシスジェンダー・ヘテロセクシュアルな男性を中心とする性的な消費とは異なり、さまざまなファンから支持されており、手がかりになりそうです。発売から1カ月足らずで4刷が決定した『アンジュルムック』は、蒼井優と菊池亜希子が「少女を消費しない」をコンセプトに編集担当し、性的な欲望で消費するのとはちがう視点でメンバーの魅力が引き出された写真が多数掲載されています。
その他にも、関連する書籍を持ち寄られる予定です。これからの「表象される女性像」について、いっしょに考えてみませんか?
【プロフィール】
インベカヲリ★
1980年東京都生まれ。写真家。ノンフィクションライター。第四三回伊奈信男賞。2019年日本写真協会賞新人賞。近著は、写真集『理想の猫じゃない』『ふあふあの隙間』①②③(赤々舎)など。『月刊カメラマン
『週刊読書人』『よみもの.com』にて連載中。
小林美香
写真研究者。東京工芸大学非常勤講師。写真に関連する記事の執筆や、翻訳などを行うほかに、レクチャー、ワークショップ、展覧会の企画などを手がける。
鈴木みのり
1982年高知県生まれ。ジェンダーやセクシュアリティや生活やファッションについて考えたり、書評、映画評、エッセイを書いたり。『i-D Japan』、『wezzy』、『週刊金曜日』(2017年書評委員)、『新潮』、『すばる』、『文藝』、『ユリイカ』ほかに寄稿。
twitter:@chang_minori
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