※当日券有り。19:30より店頭にて販売いたします。
全米100万部のベストセラー、イレーヌ・ネミロフスキー『フランス組曲』(白水社)の刊行を記念して、訳者の野崎歓さんと平岡敦さんをお迎えしトークショーを開催します。『フランス組曲』は、1942年にアウシュヴィッツで亡くなった著者が、連行される直前まで命がけで書き綴った小説。形見として娘に預けられたトランクに眠ったままでいた原稿は、2004年に60年以上の時を経て奇跡的に世に出て、フランス本国はもとより世界中で忽ちベストセラーとなっています。
執筆時から戦争終結後の「未来の読者」に読まれることを希求していた著者ネミロフスキーとは一体何者なのか?そしてこれまでに数多くのフランス文学を紹介してきた野崎、平岡の両氏が、この作品に強く惚れ込んだ理由とは?
翻訳中のエピソードなども含め、お二人に大いに語っていただきます。
イレーヌ・ネミロフスキー Irène Némirovsky(1903-1942)
1903年キエフ生まれ。ロシア革命後に一家でフランスに移住したユダヤ人。1929年、長篇第一作『ダヴィッド・ゴルデル』(David Golder)で成功を収め(31年J・デュヴィヴィエ監督が映画化)、一躍人気作家に。第二次大戦が勃発すると、夫と娘二人とともにブルゴーニュ地方の田舎町イシー・レヴェックに避難、やがてフランス憲兵によって捕えられ、42年アウシュヴィッツで亡くなった。娘が形見として保管していたトランクには、小さな文字でびっしりと書き込まれた著者のノートが長い間眠っていた。命がけで書き綴られたこの原稿が60年以上の時を経て奇跡的に世に出るや、たちまち話題を集め、本書は「二十世紀フランス文学の最も優れた作品の一つ」と讃えられて’04年にルノードー賞を受賞(死後授賞は創設以来初めて)。フランスで70万部、全米で100万部、世界で約350万部の驚異的な売上げを記録し(現在40カ国以上で翻訳刊行)、映画化も進行中である。近年、ネミロフスキー作品の復刊、未発表作の出版が相次いでいる。代表作は他に、『舞踏会』(Le Bal)『孤独のワイン』(Le Vin de solitude)など。
(プロフィール)
野崎 歓(のざき・かん)
◎『フランス組曲』第一部「六月の嵐」訳、解説を担当
1959年生まれ。フランス文学者、東京大学教授。
主要著書:『フランス小説の扉』『五感で味わうフランス文学』(以上白水社)、『異邦の香り ネルヴァル「東方紀行」論』(講談社)、『谷崎潤一郎と異国の言語』(人文書院)、『ジャン・ルノワール 越境する映画』『香港映画の街角』(以上青土社)、『赤ちゃん教育』(青土社、のち講談社文庫)、『こどもたちは知っている』(春秋社)、『われわれはみな外国人である 翻訳文学としての日本文学』(五柳書院)、『英語のたくらみ、フランス語のたわむれ』『英仏文学戦記』(いずれも共著、東京大学出版会)主要訳書:トゥーサン『浴室』『ムッシュー』『逃げる』、ギベール『楽園』、ガイイ『ある夜、クラブで』(以上集英社)、ドゥヴィル『花火』、ブルトン編『性についての探求』(以上白水社)、ルノワール『ジョルジュ大尉の手紙』(青土社)、ソフィ・カル『本当の話』(平凡社)、ウエルベック『素粒子』(筑摩書房)、グランベール『ある秘密』(新潮社)、サン=テクジュペリ『ちいさな王子』、スタンダール『赤と黒』、ヴィアン『うたかたの日々』(以上光文社古典新訳文庫)、バルザック『幻滅』(共訳、藤原書店)
平岡 敦(ひらおか・あつし)
◎『フランス組曲』第二部「ドルチェ」訳を担当
1955年生まれ。翻訳家、中央大学講師。
主要訳書:ルブラン『怪盗紳士ルパン』『カリオストロ伯爵夫人』『奇岩城』『ルパン、最後の恋』、アルテ『第四の扉』『狂人の部屋』『虎の首』『殺す手紙』、シャン・サ『碁を打つ女』、ジョンケ『私が、生きる肌』(以上早川書房)、シュヴェイアウゼール『ロマン・ノワール』、ペナック『カービン銃の妖精』『散文売りの少女』『子ども諸君』『ムッシュ・マロセーヌ』、カダレ『誰がドルンチナを連れ戻したか』『砕かれた四月』(以上白水社)、グランジェ『クリムゾン・リバー』、ジャプリゾ『シンデレラの罠』、バイヤール『シャーロック・ホームズの誤謬』(以上東京創元社)、ティリエ『死者の部屋』(新潮社)、ダンテック『バビロン・ベイビーズ』(太田出版)
2012/12/16 Sun -
野崎歓×平岡敦 イレーヌ・ネミロフスキー『フランス組曲』(白水社)刊行記念 ~ネミロフスキーとは何者か?~「フランス文学」の翻訳をめぐって
- 07/01 Tue 吉見俊哉×若林幹夫
「建築と出来事」
『このとき、夜のはずれで、サイレンが鳴った』(岩波書店)
『ダイアローグ〈危機〉の時代の長谷川逸子・原広司・伊東豊雄』(millegraph)W刊行記念 - 07/02 Wed 豊﨑由美×木下眞穂
第93回「読んでいいとも! ガイブンの輪」 - 07/04 Fri 富川岳×ドミニク・チェン×桜井祐
「懐かしい異界へ。人ならざるものと共に生きる」
『シシになる。──遠野異界探訪記』(亜紀書房)刊行記念 - 07/05 Sat 岡本敬子×岡本仁
「ふたりへの質問エクストラ 」
『私のふたり暮らし』(光文社) - 07/05 Sat 武田砂鉄×石村博子×舛友雄大
「ノンフィクションの現在地」
Presented by 講談社本田靖春ノンフィクション賞 - 07/06 Sun あきやあさみ×竹村優子
「服と仕事と私~制服化スタイリストと編集者の場合」 - 07/10 Thu 星田英利×フルーツポンチ村上健志×日下怜奈×トット桑原雅人×あわよくばファビアン×ピストジャム
「第一芸人文芸部 俺の推し本。」(BSよしもと)
第13回公開収録 - 07/11 Fri 星野文月×竹中万季×野村由芽
「それぞれの日記のなかにある、人との距離や関係性」
『不確かな日々』(ひとりごと出版)
刊行記念 - 07/12 Sat 西尾康之×斎藤環
「『不死』の時代とは?:アーティストと精神科医が語り尽くす」
『不死』(くま書店)刊行記念 - 07/13 Sun 柴田元幸×惠愛由
「あなたをみている」
『体の贈り物』(twilillight) 復刊記念 - 07/13 Sun 服部円×長崎訓子
「身近なネコをよく知り、
イラストにするワークショップ」
『ネコは(ほぼ)液体である』
(KADOKAWA)刊行記念 - 07/14 Mon 【全6回】連続講座 鈴木涼美「夜の読書室」Vol.3
- 07/15 Tue 松尾潔×丸屋九兵衛
「90年代R&Bとは何だったのか? 」
『松尾潔のメロウなライナーノーツ』(リットーミュージック)刊行記念 - 07/16 Wed 三宅陽一郎×清木 昌
「ゲームデザイン、人工知能、数学――レトロゲームから未来まで」
『数学がゲームを動かす!』
(日本評論社)刊行記念 - 07/18 Fri 阿部恭子×インベカヲリ★
「家族という密室で何が起きているのか」
『近親性交―語られざる家族の闇』(小学館)刊行&重版記念 - 07/22 Tue 周司あきら×杉田俊介
「語られにくいミサンドリー(男性嫌悪)から『男』の話をしよう」
『ラディカル・マスキュリズム』(大月書店)
『男性学入門』(光文社)W刊行記念 - 07/23 Wed 椎名基樹×せきしろ
「バカサイトークライブ」 - 07/24 Thu 米澤渉×ひろのぶと株式会社
「踊る阿呆たちの本づくり」
『踊る阿呆の世界戦略』(ひろのぶと株式会社)
刊行記念 - 07/26 Sat 水上文×清水晶子
「ここにも、そこにも、どこにでも:日本語圏と英語圏のクィアポリティクスを辿って」
『クィアのカナダ旅行記』(柏書房)刊行記念 - 07/27 Sun 太田充胤×山本ジャスティン伊等×山本浩貴
「こんなにも踊りたい、私たちの魂について」
『踊るのは新しい体』(フィルムアート社)刊行記念 - 07/28 Mon 金原ひとみ×朝吹真理子×山中瑶子
「韓国と出会って考えたこと」
新文芸誌『GOAT meets』(小学館)刊行記念 - 07/29 Tue 枝優花×平井珠生
「ラジオでしゃべるって、こんなにむずかしくて、たのしい。」 - 07/30 Wed 梶原阿貴×高橋伴明
「家族とジェンダーと革命」
『爆弾犯の娘』(ブックマン社)
刊行記念 - 08/04 Mon 古賀及子×菊地朱雅子×北野太一×油利可奈
「生活を(書き)続けるために」
『巣鴨のお寿司屋で、帰れと言われたことがある』(幻冬舎)
『おかわりは急に嫌 私と『富士日記』』(素粒社)
『よくわからないまま輝き続ける世界と 気がつくための日記集』(大和書房)刊行記念 - 08/13 Wed 小島雄一郎×吉田将英
「拗らせたおじさん二人が考える『選べない』時代の生き方」
『「選べない」はなぜ起こる?』(サンマーク出版)刊行記念 - 08/31 Sun 小川公代×中村隆之
「この世界を生きるための物語と音楽」
『ケアの物語 フランケンシュタインからはじめる』
『ブラック・カルチャー』(岩波書店)刊行記念