「世界で最も美しい本」
それは今から100年ほど前、20世紀の初頭から中盤にかけて隆盛した「リーヴル・ダルティスト」(芸術家による挿絵本)の制作者たちが目指したものです。中世の写本を除いては、それまで印刷された情報に過ぎなかった書物の世界に、この頃、マティスやレオナール・フジタ(藤田嗣治)、シャガール、ミロなど、時代を代表する画家たちが続々と参加しました。彼らが制作した独創的で色鮮やかな挿絵は、熟練の版画職人たちによって刷られ、イメージとテキストが響きあう豪華な挿絵本として限定部数で発行されました。
このたびB&Bではこの「リーヴル・ダルティスト」(芸術家による挿絵本)を取り上げた展覧会「紙片の宇宙」(ポーラ美術館)の開催を記念して、展覧会を担当したポーラ美術館学芸員の東海林洋さんと、この展覧会のナビゲーターを務めるイラストレーターでエッセイストの浅生ハルミンさんによるトークイベントを開催いたします。
19世紀の終わりに詩人ステファヌ・マラルメは「世界は一冊の書物に至りつくために作られている」という言葉を残しました。こうした究極の書物に憧れた「世界で最も美しい本」とは?めくるめく挿絵本の世界を、古本と猫を愛する浅生ハルミンさんによる独特な目線を交えつつご紹介いただきます。お楽しみに!
浅生ハルミン(あさお・はるみん)
1966年三重県生まれ。古本と猫を愛するイラストレーター、エッセイスト。著書に『私は猫ストーカー』(中公文庫)、『猫の目散歩』(筑摩書房)、『猫座の女の生活と意見』(晶文社)、『三時のわたし』(本の雑誌社)、『猫のパラパラブックス』(青幻社)など多数。『私は猫ストーカー』は2009年に映画化され話題となる。ポーラ美術館にて開催中の「紙片の宇宙」展では、会場で配布している『紙片の宇宙を歩く ハルミンノート』をはじめ、イラストとテキストで展覧会を案内するナビゲーターをつとめている。
東海林 洋(しょうじ・よう)
ポーラ美術館学芸員。1983年札幌市生まれ。専門は西洋の近現代美術。これまで担当した展覧会に「ポーラ美術館×国立西洋美術館 モネ、風景をみる眼」展、「いろどる線とかたどる色」展など。20世紀の前半にフランスで流行した「芸術家による挿絵本」(リーヴル・ダルティスト)を取り上げた「紙片の宇宙」展が現在開催中。本への興味は主に美術関連が中心。展覧会カタログに作品の画像が載り始めた1940年代に作られた海外の展覧会カタログを密かに集めている。
★また、ご参加の中から3組6名様に抽選で展覧会のチケットをプレゼントいたします。
※イベントチケットの予約・購入に関するご案内はこちら。
2015/02/24 Tue -
浅生ハルミン×東海林洋「“世界で最も美しい本”のはなし 〜展覧会<紙片の宇宙 シャガール、マティス、ミロ、ダリの挿絵本>(ポーラ美術館)開催記念〜」
- 03/28 Thu 二重作拓也×中井祐樹×オケタニ教授
「なりたい自分になるために」
『可能性にアクセスするパフォーマンス医学』(星海社)刊行記念 - 03/29 Fri 冨井大裕×山本一弥×藤井匡×石川卓磨
「なぜ、〈わからない彫刻〉か」
『わからない彫刻 みる編』(武蔵野美術大学出版局)刊行記念 - 03/30 Sat 陳天璽×ルイス・カーレット×奥貫妃文
「みんな、無国籍―あなたは“ナニジン”ですか?~国籍から問う世界のカタチ~」
『Stateless』(シンガポール大学出版)刊行記念 - 03/31 Sun 尹雄大×星野概念
「自分を知るための言葉とどう出会うか」
『句点。に気をつけろ』(光文社)刊行記念 - 04/02 Tue 石川幹人×小島正美
「なぜ人はフェイク情報にだまされるのか」
『フェイクを見抜く 「危険」情報の読み解き方』(ウェッジ)刊行記念 - 04/03 Wed 高耀威×松井祐輔
「台湾 “どこから行っても遠い町”でコミュニティ書店を運営すること」
台東縣長濱郷 独立書店「書粥」高耀威さんに聞く - 04/04 Thu 柳澤健×中森明夫
「“クラッシュ・ギャルズ”はなぜアイドルになり得たのか?」
『1985年のクラッシュ・ギャルズ』(光文社)刊行記念 - 04/05 Fri 小林泰彦
「ヘビーデューティの学校」
『ぼくのおじさん学校』第三回 - 04/06 Sat 蟹の親子×土門蘭
「わたしの記憶、あなたの記憶」
『脳のお休み』(百万年書房)刊行記念 - 04/08 Mon 渋谷和宏×塚越健司
「日本の会社員はどうすれば幸せに働くことができるのか」
『日本の会社員はなぜ「やる気」を失ったのか』(平凡社)刊行記念 - 04/09 Tue 牧村憲一×佐々木敦
「”坂本さん”と”坂本龍一”のあいだ」
『「教授」と呼ばれた男――坂本龍一とその時代』(筑摩書房)刊行記念 - 04/10 Wed 吉田将英×銅冶勇人×小林百絵
「切り拓く人の、コンセプト・センス」
『コンセプト・センス 正解のない時代の答えのつくりかた』(WAVE出版)刊行記念 - 04/11 Thu 阿部大樹×能條桃子×吉田千亜
「いま目の前にあるトラウマ」
『真実と修復 暴力被害者にとっての謝罪・補償・再発防止策』
『心的外傷と回復 増補新版』(みすず書房)W刊行記念 - 04/12 Fri 佐藤亜沙美×祖父江慎
「本とデザイン、紙と文字の素敵な関係」
『MdNデザイナーズファイル2024』
(エムディエヌコーポレーション)刊行記念 - 04/13 Sat 笹公人×小橋めぐみ
「短歌とドラマ」
『NHK短歌 シン・短歌入門』(NHK出版)刊行記念 - 04/14 Sun 川野芽生×清水えす子×山内尚
「自由に着て、自由に生きる 」
『かわいいピンクの竜になる』(左右社)
『シミズくんとヤマウチくん──われら非実在の恋人たち』(柏書房)
『ノンバイナリースタイルブック』(柏書房)トリプル刊行記念 - 04/15 Mon 青木純×馬場未織×影山知明
「人とまちの関係を温めるパブリックのつくり方」
『パブリックライフ』(学芸出版社)刊行記念 - 04/18 Thu 戸谷洋志×品田遊(ダ・ヴィンチ・恐山)
「“本当に生まれてこなければよかった?”──親ガチャと反出生主義をめぐって」
『親ガチャの哲学』(新潮社)刊行記念 - 04/19 Fri 春山慶彦×稲葉俊郎
「自然は最高の教室!こどもの感性・身体性を高める教育とは」
『こどもを野に放て!AI時代に活きる知性の育て方』(集英社)刊行記念 - 04/20 Sat 豊﨑由美×マライ・メントライン×神島大輔
第87回「読んでいいとも! ガイブンの輪」 - 04/23 Tue 室橋裕和×佐野亨
「街を歩いて見えてきたもの 新大久保と横浜」
『ルポ新大久保 移民最前線都市を歩く』(KADOKAWA)刊行記念 - 04/26 Fri 桜林直子×星野概念
「【連続対談シリーズ】 つまり、“生きづらい”ってなんなのさ vol.1 〜精神科医からはどう見えてるか教えてよ〜」 - 04/28 Sun 山階基×古賀及子
「暮らしをまなざす言葉」
『夜を着こなせたなら』(短歌研究社)刊行記念 - 05/01 Wed 太田省一×水道橋博士
「”いいとも!”とは何だったのか?」
『「笑っていいとも!」とその時代』(集英社)刊行記念