みなさんは“民俗学”という学問にどのようなイメージを持っているでしょう?季節ごとのお祭り、河童や天狗といった妖怪たち、民家や民具のデザイン、魂のゆくえ……。
今から半世紀以上前、宮本常一は類例のない民俗誌・民衆史である『日本残酷物語』全五巻の編集と執筆にかかわりました。宮本はその頃、柳田国男、折口信夫、渋沢敬三といった先駆者の影響を受けながら、独自の民俗学を模索していた時期でした。
柳田国男の『遠野物語』や宮本常一の『忘れられた日本人』は多くの読者を獲得してきましたが、“民俗学”はいまどのように読まれ、受け止められているのでしょうか。
柳田の著作を手掛かりに執筆活動を続ける畑中章宏さんが、『『日本残酷物語』を読む』を刊行されたこの機会に、気鋭の宗教学者江川純一さんをお迎えして、民俗学の可能性について考えます。
【プロフィール】
畑中章宏(はたなか・あきひろ)
1962年生まれ。作家・編集者。日本大学芸術学部講師、多摩美術大学美術学部講師。著書に『柳田国男と今和次郎』(平凡社新書)『災害と妖怪』(亜紀書房)『ごん狐はなぜ撃ち殺されたのか』(晶文社)『先祖と日本人』(日本評論社)ほかがある。
江川純一(えがわ・じゅんいち)
1974年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。現在、東京大学大学院研究員。著書に『イタリア宗教史学の誕生』(勁草書房)、共編著に 『「呪術」 の呪縛(上巻)』(リトン)、翻訳にマルセル・モース『贈与論』(共訳・ちくま学芸文庫)がある。
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