下北沢の本屋B&Bでは、ただいま発売中の雑誌コヨーテ VOL.59『PASSAGE TO HAIDA GWAII』発売記念トークイベントを2週連続で開催いたします。
星野道夫は、その名が示すとおり「星のもと、荒野に道を開く男」としてアラスカが表彰するひとつの世界を歩んできました。星野が亡くなってから二十年、彼が拓いた道は今も彼の後を次いで歩き続ける人々で満ちています。自然とは何か、そこに生きるためにどう生きていけばいいのか、星野は問い続けました。
また、彼が晩年に出会ったアラスカ先住民族に残された古の神話には、度重なる自然災害を乗り越え生きる叡智が語り継がれていました。それは、激しく揺れ動く日本に住まう私たちにとって現在進行形の必要な叡智なのかもしれません。今回のお話会では、ハイダ・グワイの取材を担当した写真家・赤阪友昭、そして南東アラスカを知る詩人・管啓次郎が「星野道夫を継ぐ」ということについてお話をしたいと思います。
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アラスカ南東部。
州都ジュノーを擁するこの地域はゆたかな森林が海に接する地帯で、ブラウンベアー、ブラックベアーという2種類の熊と海を行くシャチ、そして空を舞うオオワシのすべてを同時に視界に収めることが不可能ではない、奇跡の土地です。
2年前の夏に、星野道夫の親友だった作家・写真家、リン・スクーラーの案内でこの土地の森を歩き海を体験した詩人の管啓次郎(ASLE-Japan 文学・環境学会代表)が、まずこの旅をふりかえることから始めます。リンおよび赤阪友昭と、この森で語り合ったのがリワイルディング(再野生化)というコンセプト。その場に星野がいたなら必ず強く反応したにちがいない、この新しい希望の原理の可能性は、つづいて管をオランダの驚くべき自然保護区オーストファーデルスプラッセンへとむかわせました。ドキュメンタリー映画『あたらしい野生の地』の舞台です。
かつて「ナチュラル・マテリアリズム」の名の下に星野道夫の思想を論じたこともある管啓次郎が、この2つの土地をヒントに、現在の世界の状況、とりわけヒトと動物たちの関係について考えておきたいことを、語ります。
2014年秋に明治大学でのシンポジウム「動物のいのち」を主催し、現在、静岡県のヴァンジ彫刻庭園美術館で開催中の動物を主題とした美術展「生きとし生けるもの ALL LIVING THINGS」に作家として参加している管の旅と活動から見えてくる風景を、地球における「野生」の意味を考える素材として、検討してみることにしましょう。
管啓次郎(すがけいじろう)
1958年生まれ。詩人、翻訳家。明治大学理工学部教授。主な著書に『斜線の旅』(読売文学賞受賞)、『オムニフォン<世界の響き>の詩学』、『ストレンジオグラフィ』、詩集『Agend’Ars』4部作、訳書にル・クレジオ『ラガ』、サン=テグジュペリ『星の王子さま』、エイミー・ベンダー『レモンケーキの独特なさびしさ』などがある。
※VOL.1はこちらです
【映画サポートのご案内】
今回、2回のイベントにそれぞれ登壇する二人は、オランダの自然ドキュメンタリ映画『新しい野生の地—リワイルディング』の日本上映を応援しています。アムステルダムからわずか50キロに作られた干拓地が経済破綻の後、無人の地となりました。それから半世紀。人が手を話し場所を、自然は野生の大地へと変えていきました。
「リワイルディング」という野生の力、それは地球再生の新しい視野を私たちに与えてくれるはずです。現在、日本での上映をサポートするためクラウドファンディングで支援をお願いしています。ぜひご協力ください!
地球再生のヒントが込められた映画
『あたらしい野生の地−リワイルディング』
を全国に届けたい!上映応援プロジェクト!
イベントのご予約はこちらから!
※イベントチケットの予約・購入に関するご案内はこちら。
2016/08/27 Sat -
管啓次郎
「南東アラスカの森と氷河、
ジュノーの旅からオランダへ」
星野道夫を語り継ぐこと VOL.2
出演者管啓次郎
出版社スイッチ・パブリッシング
開催日時 15:00~17:00 (14:30開場)
開催場所 本屋B&B
世田谷区北沢2-12-4 第2マツヤビル2F
入場料 1500yen + 1 drink order
- 08/18 Mon 青山美智子×新井見枝香
「スイート&ビター。だから人生は美味」
『チョコレート・ピース』(マガジンハウス)刊行記念 - 08/19 Tue 石田健×神野藍
「キャラクターとして生きる」
『カウンターエリート』(文藝春秋)
『私をほどく AV女優「渡辺まお」回顧録』(ベストセラーズ)W刊行記念 - 08/21 Thu 佐藤良明×毛利嘉孝
「ロック音楽と資本主義の精神」
『定本 ラバーソウルの弾みかた』(岩波書店)刊行記念 - 08/22 Fri 徳谷柿次郎×木下斉×日野昌暢
「都市をrenewする! ~みんなでつくる、未来の街」
『都市と路上の再編集 LIVE NOW DEVELOPMENT』(風旅出版)刊行記念 - 08/23 Sat 西谷格×安田峰俊
「潜入ライター、“AI監視”ウイグルに迷い込む」
『一九八四+四〇 ウイグル潜行』(小学館)刊行記念 - 08/24 Sun 楊双子×リン・キン×三浦裕子
「台湾文学は、 世界でいかに翻訳されるのか」
『台湾漫遊鉄道のふたり』(中央公論新社)全米図書賞翻訳賞&日本翻訳大賞受賞記念トーク - 08/25 Mon 飯間浩明×鈴木忠平×銀シャリ橋本直 ×田辺智加(ぼる塾)×あわよくばファビアン×ピストジャム
「第一芸人文芸部 俺の推し本。」(BSよしもと)
第14回公開収録 - 08/27 Wed むらかみなぎさ×明智マヤ
『柔らかい縁』リリース記念イベント - 08/28 Thu フウ×稲垣えみ子
「とりあえず行って住んでみた 〜ヨルダンとフランスで生活体験」
『ヨルダンの本屋に住んでみた』(産業編集センター)刊行記念 - 08/30 Sat 石井健介×濱田祐太郎
「ふたりが見てきた景色について。」
『見えない世界で見えてきたこと』(光文社)&
『迷ったら笑っといてください』(太田出版) W刊行記念 - 08/30 Sat コナリミサト×武田真治×中田クルミ
「スナックバブル in B&B」
『凪のお暇』(秋田書店)完結・12巻刊行記念 - 08/31 Sun 小川公代×中村隆之
「この世界を生きるための物語と音楽」
『ケアの物語 フランケンシュタインからはじめる』
『ブラック・カルチャー』(岩波書店)刊行記念 - 09/01 Mon 佐藤誠二朗×ATSUSHI(ニューロティカ)
「八王子~中央線~井の頭線~下北沢 僕らのパンクとインディーズ」
『いつも心にパンクを。Don’t trust under 50』(集英社)刊行記念 - 09/04 Thu 島村恭則×黒川晝車×諸星めぐる
「今日からできる! 『みんなの民俗学』実践講座(入門編)」
『Hukyu』発刊記念 - 09/07 Sun 荻上チキ×栗原俊雄×辻田真佐憲
「私たちはなぜ暴力を生んでしまったのか?」
『大日本いじめ帝国』(中央公論新社)
『「あの戦争」は何だったのか』(講談社)
W刊行記念 - 09/12 Fri 植本一子×西村佳哲
「わたしたちの安心安全な場所をつくる」
『ここは安心安全な場所』刊行記念 - 09/13 Sat 中村拓哉×磯部涼
「日本語ラップと日本社会—右傾化・ストリート・ネオリベラリズム」
『日本語ラップ 繰り返し首を縦に振ること』(書肆侃侃房)刊行記念 - 09/14 Sun 鶴見済×鴻上尚史
「みんな同じでなくていい――日本社会の生き苦しさ」
『人間関係を半分降りる 増補版』(ちくま文庫)刊行 - 09/22 Mon とあるアラ子×はらだ有彩×山本美希
「「普通」を拡張する 〜描くことがひらく世界」
『多様で複雑な世界を、いまどう描くか』(BNN)刊行記念