『アメリカの鱒釣り』などで知られる詩人・小説家のリチャード・ブローティガンは、1976年5~6月の1ヶ月半にわたり、日本に滞在して、日記のように日々の思いや観察を詩として綴り、詩集『ブローティガン 東京日記』(原題:June 30th, June 30th)としてまとめました。
イベント当日のちょうど41年前にあたる1976年の6月10日に書かれた一篇、「こわれた時計をもった東京のアメリカ人——シイナ・タカコに」も収録されています。またこの本は、太平洋戦争で叔父さんの命を奪った日本人へ幼少期に抱いた敵意から、やがて成長し俳句や絵画、映画、音楽などを通して知ることとなる日本についての気持ちの変化と、戦争の愚かさを綴った印象的なまえがき「さようなら、エドワード叔父さん、そしてすべてのエドワード叔父さんたち」によっても知られています。
長らく入手困難となっていたこの生前最後の詩集『ブローティガン 東京日記』が平凡社ライブラリーで待望の復刊を果たしたのを記念して、翻訳を手がけた詩人・映画監督の福間健二さんと、ブローティガンにも大きな影響を受けたという翻訳家の柴田元幸さんをお迎えしてトークイベントを開催します。ブローティガンが登場した70年代に日本の若者たちはどのように読み、また現在彼の作品がどのように読まれ得るのか。お二人が好きなブローティガンの作品の朗読とあわせて語っていただきます。
【出演者プロフィール】
福間健二(ふくま・けんじ)
1949年、新潟県生まれ。首都大学東京名誉教授。詩人、映画監督。2011年に詩集『青い家』(思潮社)で萩原朔太郎賞と藤村記念歴程賞をダブル受賞。近年の詩集に『あと少しだけ』『会いたい人』(ともに思潮社)、映画に『秋の理由』『あるいは佐々木ユキ』『わたしたちの夏』など精力的に活動をおこなう。他の訳書にマイケル・オンダーチェ『ビリー・ザ・キッド全仕事』(白水Uブックス)、同『ライオンの皮をまとって』(水声社)などがある。
柴田元幸(しばた・もとゆき)
1954年、東京生まれ。米文学者・東京大学名誉教授。翻訳家。文芸誌「Monkey」の責任編集を務める。最近の訳書にポール・オースター『冬の日誌』『内面からの報告書』、ブライアン・エヴンソン『ウインドアイ』(以上新潮社)、ナサニエル・ウエスト『いなごの日/クール・ミリオン』(新潮文庫)など。ブローティガン『アメリカの鱒釣り』(新潮文庫)では解説を執筆している。
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2017/06/10 Sat -
福間健二×柴田元幸
「ちょうど41年前、東京にリチャード・ブローティガンがいた。」
『ブローティガン 東京日記』(平凡社ライブラリー)復刊記念
- 07/14 Mon 【全6回】連続講座 鈴木涼美「夜の読書室」Vol.3
- 07/15 Tue 松尾潔×丸屋九兵衛
「90年代R&Bとは何だったのか? 」
『松尾潔のメロウなライナーノーツ』(リットーミュージック)刊行記念 - 07/16 Wed 三宅陽一郎×清木 昌
「ゲームデザイン、人工知能、数学――レトロゲームから未来まで」
『数学がゲームを動かす!』
(日本評論社)刊行記念 - 07/18 Fri 阿部恭子×インベカヲリ★
「家族という密室で何が起きているのか」
『近親性交―語られざる家族の闇』(小学館)刊行&重版記念 - 07/19 Sat 滝口悠生×佐々木敦
「ことばの即興力
ーーいかに書き進めていくか?」
『「書くこと」の哲学 ことばの再履修』
(講談社)刊行&重版記念 - 07/20 Sun フィクショネス 文学の教室
『怪談』を3ヶ月かけてじっくりと読む - 07/21 Mon 沢山遼×山本浩貴×岩渕貞哉
「岡﨑乾二郎、そしてモダニズムをいま、考える」
『美術手帖 2025年7月号 特集「岡﨑乾二郎」』(美術出版社)刊行記念 - 07/22 Tue 周司あきら×杉田俊介
「語られにくいミサンドリー(男性嫌悪)から『男』の話をしよう」
『ラディカル・マスキュリズム』(大月書店)
『男性学入門』(光文社)W刊行記念 - 07/23 Wed 椎名基樹×せきしろ
「バカサイトークライブ」 - 07/24 Thu 米澤渉×ひろのぶと株式会社
「踊る阿呆たちの本づくり」
『踊る阿呆の世界戦略』(ひろのぶと株式会社)
刊行記念 - 07/26 Sat 水上文×清水晶子
「ここにも、そこにも、どこにでも:日本語圏と英語圏のクィアポリティクスを辿って」
『クィアのカナダ旅行記』(柏書房)刊行記念 - 07/27 Sun 太田充胤×山本ジャスティン伊等×山本浩貴
「こんなにも踊りたい、私たちの魂について」
『踊るのは新しい体』(フィルムアート社)刊行記念 - 07/28 Mon 金原ひとみ×朝吹真理子×山中瑶子
「韓国と出会って考えたこと」
新文芸誌『GOAT meets』(小学館)刊行記念 - 07/29 Tue 枝優花×平井珠生
「ラジオでしゃべるって、こんなにむずかしくて、たのしい。」 - 07/30 Wed 梶原阿貴×高橋伴明
「家族とジェンダーと革命」
『爆弾犯の娘』(ブックマン社)
刊行記念 - 07/31 Thu 奥田知志×永井玲衣
「わたしたちの社会はさみしいのか?」
『わたしがいる あなたがいる なんとかなる 「希望のまち」のつくりかた』(西日本新聞社)刊行記念 - 08/03 Sun 今野晴貴×内田良 「残業代、請求できます!部活、なくなります!激変する学校教育の今」『教育現場における「定額働かせ放題」の終焉』(堀之内出版)刊行記念
- 08/04 Mon 古賀及子×菊地朱雅子×北野太一×油利可奈
「生活を(書き)続けるために」
『巣鴨のお寿司屋で、帰れと言われたことがある』(幻冬舎)
『おかわりは急に嫌 私と『富士日記』』(素粒社)
『よくわからないまま輝き続ける世界と 気がつくための日記集』(大和書房)刊行記念 - 08/06 Wed 金子玲介×長井短
「同時代を生きる、書き手たち」
『流星と吐き気』(講談社)刊行記念 - 08/07 Thu 旦木瑞穂×古田雄介
「親の介護 する? しない?」
『しなくていい介護』(朝日新聞出版)刊行記念 - 08/09 Sat 桜林直子×植本一子
「少しだけ、違う視点を手に入れる」
『つまり“生きづらい”ってなんなのさ?』(光文社)
『ここは安心安全な場所』W刊行記念 - 08/10 Sun 高田漣×いとうせいこう
「サンプリングする小説、オルタナティブな文学」
『街の彼方の空遠く』(河出書房新社)刊行記念 - 08/11 Mon 豊﨑由美×宇野和美
第94回「読んでいいとも! ガイブンの輪」 - 08/13 Wed 小島雄一郎×吉田将英
「拗らせたおじさん二人が考える『選べない』時代の生き方」
『「選べない」はなぜ起こる?』(サンマーク出版)刊行記念 - 08/30 Sat コナリミサト×武田真治
「スナックバブル in B&B」
『凪のお暇』(秋田書店)完結・12巻刊行記念 - 08/31 Sun 小川公代×中村隆之
「この世界を生きるための物語と音楽」
『ケアの物語 フランケンシュタインからはじめる』
『ブラック・カルチャー』(岩波書店)刊行記念