詩人であり研究者であり,そして現代日本を代表する音楽評論家でもある小沼純一さんによる初の書評集『本を弾く』(東京大学出版)の刊行を記念し、編集者・クリエイティブディレクターの後藤繁雄さんとのトークイベントを開催します。
本書は、いわゆる新刊レビューとは大きく異なり、著者がたびたび読み返し、また20年、30年経っても、「変わらずにこちらに刺激を与え、揺さぶり、勝手にべつなところへと誘ってくれることばたちをあらためてそばに寄せ、今のところから語ってみようと試みる」エッセイでもあります。
鷲田清一、白川静、豊崎光一、串田孫一、下村寅太郎、阿部謹也、李禹煥、志村ふくみ、三木成夫、木村敏、川瀬敏郎、太田省吾…。扱われている本の著者に音楽家の名はありませんが、[ことば][場][からだ]と題された各章を読み進めるうちに、これらの読書をつうじて「演奏」された思索が、小沼さんの現在の音や音楽に対する思考と深いところでつながっていることが浮かび上がってくることでしょう。
トークの相手を務める後藤繁雄さんも、幅広い分野で活躍されてきた編集者としての活動の中で、数多くのインタビューを手がけてきました。本書で扱われている書物や著者について関心の重なる部分も多く、また小沼さんのお仕事についても常に同時代的な関心を抱いてきたと言います。そんなお二人が、本を読むという行為が孕む本質的な意義ととその歓びについて語ります。
【出演者プロフィール】
小沼純一(こぬま・じゅんいち)
1959年生まれ。詩人、批評家、早稲田大学文学学術院教授。第8回出光音楽賞(学術研究部門)受賞。著書に『武満徹 音・ことば・イメージ』『ミニマル・ミュージック』『魅せられた身体』(いずれも青土社)、『パリのプーランク』(春秋社)、『バッハ「ゴルトベルク変奏曲」世界・音楽・メディア』(みすず書房)、『サウンド・エシックス』『オーケストラ再入門』(ともに平凡社新書)、『無伴奏 イザイ、バッハ、そしてフィドルの記憶へ』(アルテスパブリッシング)、『映画に耳を』(DU BOOKS)ほか多数。編著に『武満徹対談選』『武満徹エッセイ選』『ジョン・ケージ著作選』『高橋悠治対談選』(以上、ちくま学芸文庫)など、詩集に『し あわせ』『いと、はじまりの』(ともに思潮社)などがある。
後藤繁雄(ごとう・しげお)
1954年生まれ。編集者、クリエイティブディレクター、京都造形芸術大学教授。坂本龍一、細野晴臣、篠山紀信、荒木経惟、蜷川実花、名和晃平らのアーティストブック、写真集を数多く編集。また、展覧会のキュレイション、ギャラリー運営、若手アーティストの発掘・育成・サポート、キュレイターの育成などにも力を入れ、幅広く活躍している。著書に『超写真論 篠山紀信 写真力の秘密』(小学館)、『現代写真アート原論 「コンテンポラリーアートとしての写真」の進化形へ』(共著・フィルムアート社)『アート戦略/コンテンポラリーアート虎の巻』(光村推古書院)、『独特老人』(ちくま文庫)、『独特対談』『五感の友』(ともにリトルモア)ほか多数。これまで行なったアーティストへのインタビューは1,000人以上にのぼる。
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