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日本社会において、女性は、昔に比べれば露骨な差別や抑圧は減ってきたように表面的にはみえる。しかしそれは、女性自身が男性中心社会の視線を内面化していて気づかないだけかもしれない。
深沢潮さんの最新作『乳房のくにで』(双葉社)では、いまどきこんな、という時代錯誤な価値観を持つ代議士一家が出てきます。これは、この国の為政者が目指す、復古的な価値観への回帰を象徴し、そのことが「母親」や女にいかに大きな負担を強いるものであるかを描いています。
女の敵は女。そんな言葉が当たり前に口にされるけれど、本当なのでしょうか?
『乳房のくにで』のなかでも、母乳の出る母親と、母乳の出ない母親は、互いに反目し合います。しかし、それは、この国に根強い家父長制や男性中心社会に分断させられているのではないのでしょうか。国は、母性や女らしさ、といったものを強要して女をしばり、都合よく利用し、搾取しているのではないのでしょうか。
この社会は、母親ではない、すべての女性に、ケアーすることを求めます。人格をもった人間ではなく、「母親的な存在=乳母」であることを押し付けてきます。
木村朗子さん、小川たまかさん、そして同書を著した深沢潮さんの三人で、この「乳離れできない国」について、さまざまな視点から話を広げていきます。
(進行=三浦ゆえ)
【出演者プロフィール】
深沢潮(ふかざわ・うしお)
上智大学文学部社会学科卒業。会社勤務、日本語講師を経て、2012年新潮社『女による女のためのR18文学賞』にて大賞を受賞。女性の生きづらさを描いた作品多数。30代女性が主人公の『伴侶の偏差値』(小学館文庫)、ママ友たちの群像劇『ランチに行きましょう』(徳間文庫)、40代女性を活写した『かけらのかたち』(新潮社)など。根強い家父長制に堪忍袋の緒が切れ、『乳房のくにで』が生まれた。
木村朗子(きむら・さえこ)
津田塾大学教授。専門は日本文学。著書に『乳房はだれのものかー日本中世物語にみる性と権力』新曜社、2009年。『その後の震災後文学論』青土社、2018年。フィクションからニッポンのジェンダー、セクシュアリティを考えてきた。
小川たまか(おがわ・たまか)
立教大学大学院卒業後、編集プロダクション取締役を経て2018年からフリーライター。2015年頃から、主に性暴力・性差別の取材に注力。著書に『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』(タバブックス)。既婚子ナシ、ケア役割は苦手。書くのが遅いが、2021年には新刊などを出せる気配がある。
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