今から約三年前の2011年7月——。
元ニューヨーク・ヤンキースの投手、伊良部秀輝さんが自らの命を絶ちました。その少し前、5月26日に田崎さんは伊良部さんの取材をしています。伊良部さんがきちんと取材を受けたのはこれが最後になりました。
伊良部さんが亡くなった後、様々な記事が出ました。ただ、その記事を読んだ田崎さんは、自分が会った伊良部秀輝氏の像を感じることができなかったと『球童 伊良部秀輝伝』に書いています。
〈ぼくは可能な限り、彼の実像を残すべきではないかと思うようになった〉と考えた田崎さんは、伊良部さんの死から一年後の2012年7月から取材を始め、ロサンゼルス、ニューヨーク、アンカレッジ、尼崎、高知、香川、そして沖縄、宮古島——。この本を書き上げるため、伊良部さんの足跡を追う取材は一年半以上に及んだそうです。
そして、もう一人の登壇者、前田幸長さんはロッテ・マリーンズで伊良部さんの一年後輩に当たります。前田さんはロッテ時代、伊良部さんと最も親しかった人間の一人でした。『球童 伊良部秀輝伝』には、伊良部さんが首脳陣に怒り、足の親指を骨折した事件が出て来ます。そこに居合わせたのが前田さんです。前田さんだけが知る、伊良部さんの素顔を語ってもらいます。
なお、『球童 伊良部秀輝伝』のFacebookページ(https://www.facebook.com/kyudouirabu)では、この本の取材の裏側などの情報を公開しています。
田崎健太(たざき・けんた)
1968年、京都生まれ。早稲田大学卒業後、小学館に入社。『週刊ポスト』編集部などを経て、1999年末に退社。著書に『此処ではない何処かへ 広山望の挑戦』 (幻冬舎)、『ジーコジャパン11のブラジル流方程式』 (講談社プラスα文庫)、『楽天が巨人に勝つ日-スポーツビジネス下克上-』 (学研新書)、『W杯に群がる男たち―巨大サッカービジネスの闇―』(新潮文庫)、『辺境遊記』(絵・下田昌克 英治出版)、『偶然完全 勝新太郎伝』(講談社)、『維新漂流 中田宏は何を見たのか』(集英社インターナショナル)、『ザ・キングファーザー』(カンゼン)など。最新刊は『球童 伊良部秀輝伝』(講談社)。
前田幸長(まえだ・ゆきなが)
1988年福岡第一高校のエースとして春夏連続甲子園出場。その年のドラフトでロッテオリオンズから1位指名を受け入団。その後、中日ドラゴンズ、読売ジャイアンツと経て、2008年にはメジャー挑戦のため渡米し、テキサス・レンジャース傘下の3Aオクラホマ・レッドホークスで中継ぎとして36試合に登板。チームの地区優勝に大きく貢献するも、シーズン終了後に20年のプロ野球生活に区切りをつけ現役を引退。
現在は野球解説者、タレントとして活動分野を広げ、精力的に活躍中。著書に『前田幸長 史上最速のスーパークイック』(ベースボール・マガジン社)
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