新井高子さんのの新詩集『ベットと織機』は、石内都さんが着物を撮った写真をカバーに使用しています。
その詩集は、彼女の生家である桐生の織物工場で働く女たちから詩想を立ち上げており、石内さんも絹の着物とその制作の過程を撮った写真集「絹の夢」を刊行しています。
ともに桐生に生まれた二人。
写真と詩、それぞれの方向から「からだと土地」に向き合ってきました。近代化という名の栄枯盛衰を、ぞんぶんになめつくすその町、布、女、ことば……。そこには、果敢な血と傷、そして「いま」をうがつ批評性がうず巻いています。
詩集の刊行を記念して、朗読や写真の紹介をまじえつつ、もっとも輝く詩人と写真家が、創作の糸を吐きだし、からませ、楽しくはじけ合う――とびっきりの絹のトークを催します。
ぜひお運びください。
<石内都>
群馬県桐生市生まれ。写真家。第4回木村伊兵衛写真賞、今年3月にはハッセルブラッド国際写真賞など受賞多数。2005年「Mother’s 2000-2005 未来の刻印」でヴェネツィア・ビエンナーレ日本代表。2008年「ひろしま」発表。そこで出会った絹織物が故郷を呼びおこし、2012年、大正・昭和の着物の銘仙と絹をテーマにした写真展「絹の夢」を丸亀市猪熊源一郎現代美術館で開催、ロンドン等でも展示(写真集「絹の夢」、青幻舎、2012)。6月から東京・京橋のLIXILギャラリーで新作展「幼き衣へ」開催。
<新井高子>
群馬県桐生市生まれ。詩人、埼玉大学日本語教育センター准教授。第1詩集「詩集 覇王別姫」(緑鯨社、1997)。第2詩集「タマシイ・ダンス」(未知谷、2007)で第41回小熊秀雄賞受賞。新刊は、第3詩集「ベットと織機」(未知谷、2013)。英訳詩集として「Soul Dance」(Mi’Te Press, 2008),「Four From Japan」(Litmus Press/Belladonna Books, 2006)。詩と批評のロングラン誌「ミて」編集人(現在、127号を準備中)。http://www.mi-te-press.net/
司会)樋口良澄
批評家。主な著書に「木浦通信」(矢立出版、2010、共著)、「唐十郎論―逆襲する言葉と肉体」(未知谷、2012)。
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