20世紀が終わったのはもう二昔前のこと。でも面白い文学作品はたくさんありますよ。本読書会では英語圏文学の中からいくつかを選んで、4回にわたって語り合います。
第3回のお相手は翻訳家のくぼたのぞみさん。
今回はクッツェー作品全般について、くぼたさんにうかがいます。
内戦下に無防備に制度の網の目を縫ってひたすら生きようとする男の話『マイケルK』(岩波文庫)、外部に敵をもとめる帝国と行政官のずれがもたらす破壊と気づきを描いた『夷狄を待ちながら』(集英社文庫)、解放後の南アフリカを舞台にセクハラ教授の経験を描いた究極の植民地ホラー小説『恥辱』(ハヤカワepi文庫)など、ノーベル文学賞受賞作家であるクッツェーの作品はどれも、高度な芸術的達成とエンタテインメント性の両方を兼ね備えた見事なものばかりです。
去年9月にデビュー作『ダスクランズ』(人文書院)、そしてこの5月には英語オリジナルに先行して翻訳された最新作『モラルの話』(人文書院)と立て続けにクッツェー作品を翻訳なさっているくぼたさんに、クッツェー作品の面白さや現代作家としての重要性について縦横に語っていただきます。
出演者
くぼた のぞみ
1950年生まれ。翻訳家、詩人。藤本和子編集の北米黒人女性作家選に刺激されて翻訳を志す。おもな著書に、『鏡のなかのボードレール』(共和国)、詩集『記憶のゆきを踏んで』(水牛・インスクリプト)、おもな訳書に、J・M・クッツェー『マイケル・K』(岩波文庫)、『鉄の時代』(河出書房新社)、同『サマータイム、青年時代、少年時代』(インスクリプト)、サンドラ・シスネロス『マンゴー通り、ときどきさよなら』(白水社Uブックス)、チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ『アメリカーナ』(河出書房新社)など多数。
都甲幸治(とこう・こうじ)
1969年福岡県生まれ。翻訳家、早稲田大学文学学術院教授。著書に『今を生きるための世界文学案内』『世界の8大文学賞』(全て立東舎)、『21世紀の世界文学30冊を読む』(新潮社)、『狂喜の読み屋』(共和国)、訳書にディアス『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』(共訳、新潮社)、ブコウスキー『勝手に生きろ!』(河出文庫)などがある。
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2018/06/09 Sat -
都甲幸治×くぼたのぞみ
「第3回「境界から響く声たち」読書会――J. M. クッツェーをくぼたのぞみさんと読む」
『モラルの話』刊行記念
- 03/31 Mon 塙幸枝×小川公代 「映画と障害のつながりを“ケア”するために」 『スクリーンのなかの障害』(フィルムアート社)刊行記念
- 04/03 Thu 木村祥一郎×藤原隆充
「遠まわりをした老舗家業の働き方」
『ちいさな会社のおおらかな経営』(主婦の友社)刊行記念 - 04/04 Fri 北村浩子×マライ・メントライン
「“日本語は難しい”と日本人は言うけれど? 」
『日本語教師、外国人に日本語を学ぶ』(小学館)刊行記念 - 04/05 Sat 清田隆之×大島育宙「正しさの一歩外で考える、「俺たち」と「恋愛」の現在地」『戻れないけど、生きるのだ 男らしさのゆくえ』(太田出版)刊行記念
- 04/06 Sun 栗田隆子×武田砂鉄「「働けない人」と「働けた人」で考える──わたしたちの社会と労働のいびつな関係」『「働けない」をとことん考えてみた。』(平凡社)刊行記念
- 04/07 Mon 藤原ヒロシ×皆川壮一郎×嶋浩一郎
「無駄と余白と奥行きと」 - 04/09 Wed 藤澤ゆき×石田真澄×野村由芽
「手を動かしながら生きていく」
『わたしを編む つくる力を、手のうちに YUKI FUJISAWA制作日記』刊行記念 - 04/10 Thu 藤津亮太×前島賢
「頼まれなくたって、語ってやる!」
『富野由悠季論』(筑摩書房)刊行記念 - 04/11 Fri 宮崎晃吉×川口瞬×内沼晋太郎
「これからの小さな出版と、本の届け方」
『最小文化複合施設』(HAGISO)出版記念 - 04/12 Sat きださおり× 明円卓 × 藤井颯太郎
「What shall we do here? この場所で何するナイト」 - 04/13 Sun 安達茉莉子×長島有里枝
「リアルライフでフェミニズムを生きるわたしたち」
『あなたのフェミはどこから?』(平凡社)刊行記念 - 04/15 Tue 西寺郷太×高橋芳朗「J-POP丸語り」『J-POP丸かじり』(ソウ・スウィート・パブリッシング)刊行記念
- 04/17 Thu ゲッツ板谷×新保信長×原カントくん
「自分のことってどう書けばいいのか? 」
『ともだち』(徳間書店)刊行記念 - 04/18 Fri 土佐有明×石川浩司×蔦木俊二
「イカ天とバンドを続けることとあの頃の話」
『イカ天とバンドブーム論』(DU BOOKS)刊行記念 - 04/20 Sun フィクショネス 文学の教室
『金閣寺』『美しい星』を
3ヶ月かけてじっくりと読む - 04/20 Sun 金川晋吾×柴崎友香×小田原のどか
「80年目、爆心地・長崎の写真と言葉」
『祈り/長崎』(書肆九十九)刊行記念 - 04/21 Mon 甲谷 一×佐藤浩二
「プロデザイナーが考える
“ロゴデザイン”のちょっと深い裏話」
『カンタンでちょっぴり深いロゴづくり』
(エムディエヌコーポレーション)刊行記念 - 04/23 Wed 鈴木涼美×紗倉まな×原カントくん
「動物になりきれない、愛しい人間たちの“欲望”」
『ノー・アニマルズ』(ホーム社)刊行記念 - 04/25 Fri とれたてクラブ×ゆっきゅん×潟見陽「こういう物語をずっと待ってた」『なかよしビッチ生活』(エトセトラブックス)刊行記念
- 04/26 Sat 少年アヤ×なま×野口理恵
「なにでもないわたしでいられますように」
『わたくしがYES』『USO 6』『生きる力が湧いてくる』トリプル刊行記念 - 04/30 Wed 古舘佑太郎×又吉直樹
「旅と文」
『カトマンズに飛ばされて 旅嫌いな僕のアジア10カ国激闘日記』(幻冬舎)刊行記念