5月23日に逸身喜一郎さんの新刊『ギリシャ・ラテン文学――韻文の系譜をたどる15章』(研究社)が刊行されました!
副題の”韻文の系譜をたどる15章”が示しているように、ホメーロスの『イーリアス』や、ソフォクレースの『オイディプース王』は詩のリズム(韻律)に乗せてできています。つまりこれらの作品は本来、耳で聴くものであって、目で読むものではありませんでした。そして作品とともに数々の韻律はギリシャから地中海世界に拡がり、これらをローマの詩人たちは、もともとはギリシャ語のために生まれた音の形をわざわざラテン語に取り込んでまで、その伝統を継承し発展させようとしたのです。
文学作品はこのようにして先行する作品との対決から生まれたのです。
今回のイベントでは著者である逸身先生が、様々な作品をギリシャ語で、ラテン語で、韻律に乗せて朗読します。また日本語の訳で、どんなことがどんな文章でできあがっているのかも紹介していただきます。
ひとくちにギリシャ・ラテン文学といっても、本書で扱っている詩のタイムスパンは千年にわたります。この千年の旅のお相手に、名うての本読みである柴田元幸さんをお呼びしました。
「ギリシャ・ラテン文学の”声”を我々はどこまで聴けるのか?」
柴田さんから頂いた今回の旅へのメッセージです。
ギリシャ語、ラテン語で作品を”耳”で味わえる、またとない機会です。
ご参加、お待ちしております!
【出演者プロフィール】
逸身喜一郎(いつみ・きいちろう)
西洋古典学者。1946年大阪市生まれ。東京大学名誉教授。専門は西洋古典学。著書に『ラテン語のはなし』(大修館書店)、『オイディプース王とバッカイ』『ラテン文学を読む』(ともに岩波書店)、『ギリシャ神話は名画でわかる』(NHK新書)など。他に『両替商・銭屋佐兵衛』(東京大学出版会)の四代佐兵衛評伝。
柴田元幸(しばた・もとゆき)
翻訳家。1954年東京都大田区生まれ。東京大学名誉教授。専門はアメリカ文学。マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒けん』(研究社)、スチュアート・ダイベック『シカゴ育ち』(白水Uブックス)など訳書多数、著書に『つまみぐい文学食堂』(角川文庫)など。雑誌『MONKEY』責任編集。
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2018/07/01 Sun -
逸身喜一郎×柴田元幸
「ホメーロスもギリシャ悲劇も詩だったのだ」
『ギリシャ・ラテン文学――韻文の系譜をたどる15章』刊行記念イベント
- 07/06 Sun あきやあさみ×竹村優子
「服と仕事と私~制服化スタイリストと編集者の場合」 - 07/09 Wed 緊急開催!香田有希×田上智子×YOM YOM PR CLUB
「カンヌライオンズPR部門審査員と考える、変化を起こすPRパーソンとは」 - 07/10 Thu 星田英利×フルーツポンチ村上健志×日下怜奈×トット桑原雅人×あわよくばファビアン×ピストジャム
「第一芸人文芸部 俺の推し本。」(BSよしもと)
第13回公開収録 - 07/11 Fri 星野文月×竹中万季×野村由芽
「それぞれの日記のなかにある、人との距離や関係性」
『不確かな日々』(ひとりごと出版)
刊行記念 - 07/12 Sat 西尾康之×斎藤環
「『不死』の時代とは?:アーティストと精神科医が語り尽くす」
『不死』(くま書店)刊行記念 - 07/13 Sun 柴田元幸×惠愛由
「あなたをみている」
『体の贈り物』(twilillight) 復刊記念 - 07/13 Sun 服部円×長崎訓子
「身近なネコをよく知り、
イラストにするワークショップ」
『ネコは(ほぼ)液体である』
(KADOKAWA)刊行記念 - 07/14 Mon 【全6回】連続講座 鈴木涼美「夜の読書室」Vol.3
- 07/15 Tue 松尾潔×丸屋九兵衛
「90年代R&Bとは何だったのか? 」
『松尾潔のメロウなライナーノーツ』(リットーミュージック)刊行記念 - 07/16 Wed 三宅陽一郎×清木 昌
「ゲームデザイン、人工知能、数学――レトロゲームから未来まで」
『数学がゲームを動かす!』
(日本評論社)刊行記念 - 07/18 Fri 阿部恭子×インベカヲリ★
「家族という密室で何が起きているのか」
『近親性交―語られざる家族の闇』(小学館)刊行&重版記念 - 07/19 Sat 滝口悠生×佐々木敦
「ことばの即興力
ーーいかに書き進めていくか?」
『「書くこと」の哲学 ことばの再履修』
(講談社)刊行&重版記念 - 07/21 Mon 沢山遼×山本浩貴×岩渕貞哉
「岡﨑乾二郎、そしてモダニズムをいま、考える」
『美術手帖 2025年7月号 特集「岡﨑乾二郎」』(美術出版社)刊行記念 - 07/22 Tue 周司あきら×杉田俊介
「語られにくいミサンドリー(男性嫌悪)から『男』の話をしよう」
『ラディカル・マスキュリズム』(大月書店)
『男性学入門』(光文社)W刊行記念 - 07/23 Wed 椎名基樹×せきしろ
「バカサイトークライブ」 - 07/24 Thu 米澤渉×ひろのぶと株式会社
「踊る阿呆たちの本づくり」
『踊る阿呆の世界戦略』(ひろのぶと株式会社)
刊行記念 - 07/26 Sat 水上文×清水晶子
「ここにも、そこにも、どこにでも:日本語圏と英語圏のクィアポリティクスを辿って」
『クィアのカナダ旅行記』(柏書房)刊行記念 - 07/27 Sun 太田充胤×山本ジャスティン伊等×山本浩貴
「こんなにも踊りたい、私たちの魂について」
『踊るのは新しい体』(フィルムアート社)刊行記念 - 07/28 Mon 金原ひとみ×朝吹真理子×山中瑶子
「韓国と出会って考えたこと」
新文芸誌『GOAT meets』(小学館)刊行記念 - 07/29 Tue 枝優花×平井珠生
「ラジオでしゃべるって、こんなにむずかしくて、たのしい。」 - 07/30 Wed 梶原阿貴×高橋伴明
「家族とジェンダーと革命」
『爆弾犯の娘』(ブックマン社)
刊行記念 - 08/04 Mon 古賀及子×菊地朱雅子×北野太一×油利可奈
「生活を(書き)続けるために」
『巣鴨のお寿司屋で、帰れと言われたことがある』(幻冬舎)
『おかわりは急に嫌 私と『富士日記』』(素粒社)
『よくわからないまま輝き続ける世界と 気がつくための日記集』(大和書房)刊行記念 - 08/11 Mon 豊﨑由美×宇野和美
第94回「読んでいいとも! ガイブンの輪」 - 08/13 Wed 小島雄一郎×吉田将英
「拗らせたおじさん二人が考える『選べない』時代の生き方」
『「選べない」はなぜ起こる?』(サンマーク出版)刊行記念 - 08/31 Sun 小川公代×中村隆之
「この世界を生きるための物語と音楽」
『ケアの物語 フランケンシュタインからはじめる』
『ブラック・カルチャー』(岩波書店)刊行記念