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2020/10/10 Sat

初田哲男×橋本幸士×寺西藍子
「未来のための科学」
『「役に立たない科学」が役に立つ』(東京大学出版会)刊行記念

先日開催しましたイベントでお寄せいただいた質問に初田さん、橋本さんにお答えいただきました!

 
 

Q:橋本さんは高校時代に数学を頑張ったことが生きていると思いますか?それとも最初から物理に出会ってたらもっとのめり込めたと思いますか?

 

A:数学を頑張ったのではなく楽しんでのめり込んじゃった、と言う感じだったのですが、その経験は今とても生きていると思います。最初から物理に出会っていたら、物理学の研究者への道を歩んでいなかったかもしれないと思います。 (橋本)

 

Q:プラグマティズム(知識が真理かは、生活上の実践に利益があるかないかで決定されるとする)の思想はどう感じますか?

 

A:物理学を研究していて思うのは、真理は日常の経験を超えたところにもたくさんあるということです。
原子の世界、宇宙の始まりなど、人間が目で見たり触ったり出来ない世界のことも物理学で解き明かすことができます。しかも、それら真理の探究が生活上の役に立つかどうかは、前もってわからないことほとんどなのです。
(初田)

 

Q:日本とアメリカの大学院生の待遇の違いには、院生に対する国や国民の理解だけでなく、研究内容やそれぞれの国の学力の違いもあると思いますか?

 

A:科学研究は本質的に国際的な活動なので、国ごとに大きく研究内容が違うことはあまりないですし、環境さえ整っていれば学力にも違いはありません。大学院生が科学研究の最前線を担っており、きちんとサポートされるべきという事実がなぜか日本社会に浸透していないことに大きな危惧を抱いています。(初田)

 

Q:知育ブロックで昆虫とか恐竜をつくる、児童書を編集してます。橋本さんのレゴのお話を聞いて、「物理が好きになる知育ブロックの本」を考えてみたいと思いました。こんなテーマや形を造ってみたら?とか、何かご感想がありましたらお聞かせいただければ幸いです。

 

A:つい先日、レゴで素粒子、という本が発売されていましたね。驚きました。とても面白い試みだと思いました。それに限らず、非常に少ない種類で同じ形のものを作ってみる、または、少ない数のレゴで、ある形を作ってみる、という選手権があると面白そうです。アスキーアートなどもそうなのですが、限られた素材でいかに形を作るか、というのは、非常に発想力を必要とします。そういったテーマが、素粒子物理学にもにて面白いのではないでしょうか。(橋本)

 

Q:基礎科学と応用科学の定義や境目がわからないので、それぞれ具体的に教えてください。また、科学が役に立つかどうかは、現代社会では誰がどのようにジャッジしているのでしょうか?

 

A:明確な境界は実はありませんが、基礎科学は0から1を生む研究活動、応用科学は1を100や1000にする研究活動ということができます。両者は、科学研究の両輪です。
一般に”役に立つ”と言われるのは応用研究の方ですが、応用は基礎研究なしには生まれないので、そもそも”役に立つ”、”役に立たない”と区別すること自体にあまり意味は無いと思います。(初田)

 

Q:日本企業が博士課程取得者の力をうまく発揮してもらうために、今の日本企業には何が足りないでしょうか?

 

A:現在の日本企業を経営する人たちの中で、博士人材を適材適所に配置し、それぞれの力を発揮させられるだけのマネージメント能力を持った人材が少ないのだろうと思います。まずそのような人材を博士課程を出た人のなかから育てていく必要があると思います。(初田)

 

Q:先ほど橋本先生より、「科学の出口は人文系にもある、たとえば哲学など」というお話があり、大変興味を惹かれたのですが、今一つ理解ができませんでした。もしよければ、今一度詳しく教えていただけますか?

 

A:科学はその応用として工学から社会へ、と考えられやすいですが、一方で、基礎科学はこの宇宙の仕組みの根本を解明するので、そこに住んでいる人間とは何か、人間の意味、と言ったことに直接関係します。科学哲学から哲学自身へ、そして人文社会系へ、という出口も大いにあり得ます。(橋本)

 

Q:一般の会社員です。こういった基礎科学が困っている環境において、そういった流れを変えるための支援をするに、一人ひとりがどういったことを取り組んでいけばよいと考えられるでしょうか?

 

A:ご家族をお持ちなら、家庭の中で科学に興味をもつ雰囲気を醸成することは将来に繋がると思います。
さまざまな科学館やオンラインでの科学配信に興味をもって家族で参加してみたり、SNSでそのような情報を友人に伝えて頂くのも良いと思います。また、学術系のクラウドファンディングを通じて、若手研究者を直接支援することもできます。(例えば、https://academist-cf.com/)(初田)

 

Q:今のまま日本が短期的視点しか持たず研究を軽視し続けると、どんな未来が訪れるでしょうか?

 

A:基礎研究を軽視すると0から1を生む活動がおろそかになり、結局は海外の基礎研究の成果の借り物だけで生きていくことになるのだろうと思います。先頭に立って人類の未来を切り開いていける国になるか、追従に終始する国になるかの分かれ目は基礎研究をどれだけ重視できるかにかかっていると思います。(初田)

 

Q:映画,音楽,美術,文学は,一般の私たちが「好きな作品・作家にお金を払う」ことができます。”役に立たない科学”のスポンサーは,誰であるべきだと思いますか?時間反転装置を使って,直接の恩恵を受ける未来の人類から徴収するしかないでしょうか?(笑)

 

A:大型装置を使った基礎科学(加速器科学、宇宙科学など)は今後も国(国民の税金)に頼る必要があるでしょう。一方で安価でアイデア勝負の基礎科学はたくさんあります。それらは税金ではなく、国民一人一人で支えることもできます。例えば、学術系のクラウドファンディングを通じて、個人が若手研究者を直接支援することができます。科学者自身も、もっと研究の面白さを社会に伝える活動を通じて、基礎研究の面白さと重要さを知ってもらう活動が必要かと思います。(初田)

 

Q:基礎科学も応用化学も繋がっていると伺いました。橋本先生が、おっしゃったとこのイメージで、応用化学は出口から元へ。基礎科学は元から出口へと。感じたのですが世界は単純ですか?複雑ですか?

 

A:世界は単純かつ複雑です。原理は単純ですが、現象は複雑だと言う意味です。例えば、カオスという現象があります。これは、非常に簡単な動作(例えばパイをこねる、折りたたみと引き伸ばしの作業)が、非常に複雑で未来を予測できない現象を生む、という理論です。このように、単純な原理で複雑な現象を解明するのが基礎科学でしょう。応用科学は出口から元へ、というのは、出口が先に決められている、という感じかもしれませんね。(橋本)

 

(2020/11/20追記)

 
 
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※本イベントは配信のみでご参加いただけるイベントです。詳細につきましてはページ下部をご確認ください。

 

「役に立たない」科学が役に立つ書影

 

2020年7月に東京大学出版会より刊行された『「役に立たない科学」が役に立つ』。
本書はアメリカのプリンストン高等研究所の初代所長であるエイブラハム・フレクスナーと現所長のロベルト・ダイクラーフの2人のエッセイが収録された一冊となっています。

 

プリンストン高等研究所は、初代所長フレクスナーの「学者が自由な研究に専念できるように」という理想を具現化した研究機関です。しかし一方で、好奇心と創造力を原動力とする、結果にこだわらない基礎研究は、しばしば「役に立たない」と言われてしまいます。
本書は、1930年代にフレクスナーが重要だと説いた基礎研究が、21世紀の世界にどのような影響を与えているのかをコンパクトに示しています。

 

そして、刊行を記念して本屋B&Bではトークイベントを開催します!
ご登壇いただくのは本書の監訳をされた初田哲男さん、第一線で活躍され『ディープラーニングと物理学』などのご著書をお持ちの橋本幸士さん、そしてのモデレーターに寺西藍子さんをお呼びしました。

 

基礎研究とはどのような営みで、研究者はどんなことを考え、知識を残そうとするのでしょうか。そして、基礎研究が未来を変えていくためには、社会とどのような関係を築いていけるのか、お話しいただきます。

 

どうぞお楽しみに!

 

【出演者プロフィール】
初田哲男(はつだ・てつお)

理化学研究所 数理創造プログラム(iTHEMS) プログラムディレクター。東京大学名誉教授。専門は理論物理学、特に原子核や素粒子の理論。1958年生まれ、大阪育ち。1986年、理学博士(京都大学)。CERN, ワシントン大学、筑波大学、京都大学、東京大学などを経て2016年より現職。著書に『Quark-Gluon Plasma』(ケンブリッジ大学出版会、共著、2005)、監訳書に『「役に立たない」科学が役に立つ』(東京大学出版会、 2020)などがある。素朴な好奇心を失わず、いつも新しいことにチャレンジしたいと考えている。
https://ithems.riken.jp/ja

 

橋本幸士(はしもと・こうじ)
大阪大学大学院理学研究科教授。専門は弦理論、素粒子物理学、理論物理学。1973年生まれ、大阪育ち。2000年、理学博士(京都大学)。
カリフォルニア大学サンタバーバラ校、東京大学、理化学研究所(橋本数理物理学研究室主宰)などを経て、2012年より現職。著書に『Dブレーン』(東京大学出版会)『ディープラーニングと物理学』『超ひも理論をパパに習ってみた』『「宇宙のすべてを支配する数式」をパパに習ってみた』(いずれも講談社)などがある。小説すばるにてエッセイ「異次元の視点」を連載。アートと物理学の境界を様々な形で探り、特に演劇、メディア等の活動も行う。
http://kabuto.phys.sci.osaka-u.ac.jp/~koji/welcome.html

 

寺西藍子(てらにし・あいこ)
indigo株式会社代表取締役社長。2007年広告会社、ADK入社。日本、グローバル企業の国内外のマーケティング活動を担当。
ラグジュアリーブランド8年、AI/ロボティックスプロジェクトにも携わり、2017年より新規事業開発に従事。日本のスタートアップと大企業のエコシステムを成長させるべく、ブランディングxテクノロジーの目線で事業開発を担うプロジェクトSCHEMA(スキーマ)をローンチ後、コミュニケーションの力をさらに活用し未来に貢献したいと考え創業。
FintechとMaaS領域を得意とし、人がよりよい世界で生きることができる街づくりプロジェクトも担当。
https://indigobluemoon.com/

 
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【配信での参加につきまして】
・配信はZoomのウェビナー機能というサービスを使用いたします。
・インターネット接続環境下のPCやスマートフォン、タブレットからのご視聴が可能です。
・配信はリアルタイムのみでご視聴いただけます。録画での視聴はできませんのでご注意ください。
・視聴は登録制です。1名分のチケットで複数人がご登録されている場合はご連絡もしくは配信の停止を行うことがございます。ご注意ください。
・ご利用の通信環境により配信の遅延が起こる場合がございます。ご了承ください。

 

【書籍付き配信での参加につきまして】
・書籍の発送は国内に在住の方のみご利用いただけます。海外への発送は承っておりませんのでご注意ください。
・イベントによって商品の発送が開催後になることもございますので、ご注意ください。

 

【キャンセルにつきまして】
・ご購入直後にイベント配信用のURLが送信される都合上、お客様都合によるキャンセルは承っておりません。何卒ご了承ください。

 
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※ご利用、お支払などについてはこちらをお読みください

  • 出演 _ 

    初田哲男:理化学研究所 数理創造プログラム(iTHEMS) プログラムディレクター
    橋本幸士:大阪大学大学院理学研究科教授
    寺西藍子:indigo株式会社代表取締役社長

  • 時間 _ 

    15:00~17:00

  • 場所 _ 

    オンライン開催

  • 入場料 _ 

    ■配信参加:1500円
    ■書籍つき配信参加:1500円+『「役に立たない科学」が役に立つ』2200円
    (上記いずれも税別)


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