西洋出身者として初の日本語作家・リービ英雄が、半世紀ぶりに少年時代のひとときを過ごした台湾・台中を訪れる。この2度とない旅に、詩人の管啓次郎と作家の温又柔、映像作家の大川景子が同行し、ドキュメンタリー作品『異境の中の故郷 作家リービ英雄 52年ぶりの台中再訪』が完成した。
第一部:映画上映会(約52分)
第二部:大川景子×温又柔によるトークショー
同世代の映像作家&小説家が「リービ文学」の魅力、映画制作のきっかけ、旅のこぼれ話、撮影・制作・編集秘話etc.自由に話します!
____________________
「日本語が身につく前の、少年時代の台湾で覚えた北京語の断片的な記憶だけをたよりに、ぼくは中国大陸の中で動いた。(……)何度も迷子になりながら、一人で歩きつづけた」(リービ英雄)
「過去二十年ほどのリービさんは中国大陸への旅をくりかえし、アメリカの白人が中国辺境への旅を日本語で小説に書くという、前人未到の作業にとりくんでいる。文学と旅、移住、異邦、言語の衝突といった主題が点滅をつづける」(管啓次郎)
「リービ英雄の『天安門』には、〈アメリカ人〉を意味する〈美国人〉という漢字に、二種類のルビが振られている。作者はそれを、文脈によって〈メイグォレン〉とも〈ビーゴーラン〉とも読ませる。前者は北京語、後者は台湾(閩南)語の〈音〉を示す。漢字仮名混じり文という日本語の特性を生かし、特に片仮名を駆使して、複数の言語を音から音へと軽やかに越境する〈リービ英雄文学〉に初めて触れたとき、私は、日本語を読み、書くことの醍醐味を一から教わり直す心地だった」(温又柔)
____________________
大川景子(おおかわ・けいこ)
映像作家。1978年生まれ。東京芸術大学大学院映像研究科卒業。
諏訪敦彦監督『ユキとニナ』編集アシスタント。その後、諏訪敦彦監督編『黒髪』、筒井武文監督『バッハの肖像 – ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2009より』編集 、杉田協士監督『ひとつの歌』助監督・編集。自身の作品としては、茨城県の化学工場で働くインドネシア人研修生たちの日常生活を追ったドキュメンタリー『高浪アパート』(2006)がある。2011年3月より大竹昭子の呼びかけではじまった「ことばのポトラック」の記録、『ろうそくの炎がささやく言葉』 (勁草書房)や『春の先の春へ 震災への鎮魂歌 古川日出男 宮澤賢治「春と修羅」をよむ』(左右社 )プロモーションビデオを担当。
温又柔(おん・ゆうじゅう)
小説家。1980年台湾・台北市生まれ。3歳のときより東京在住。日本語・中国語・台湾語が飛び交う環境で育つ。2009年、「好去好来歌」ですばる文学賞佳作を受賞。著書に『来福の家』(集英社)。2013年、音楽家・小島ケイタニーラブと共に朗読と演奏によるコラボレーション活動を開始。エッセイ「失われた〈母国語〉を求めて」を白水社HPで連載中:
http://www.hakusuisha.co.jp/essay/bokokugo.html
2014/01/25 Sat -
大川景子×温又柔 「異郷の中の故郷 ―作家リービ英雄 52年ぶりの台中再訪―」 上映&トーク
- 05/02 Thu 藤井青銅×石井玄
「“面白い企画”はどのように生まれるのか」
『トークの教室』4刷&「玄石」設立W記念 - 05/03 Fri なかしましほ × omo!
「辛くない韓国 私が大好きなお店と人たち」
『なかしましほ ソウルのおいしいごはんとおやつ』(KADOKAWA)刊行記念 - 05/08 Wed 飯田朔×小山美砂
「“自分軸の人生”から“おりない”ために」
『「おりる」思想 無駄にしんどい世の中だから』(集英社)刊行記念 - 05/09 Thu 黒木あるじ×天野純希
「ドロップキックと武士(もののふ)と」
『破壊屋 プロレス仕舞伝』『もろびとの空 三木城合戦記』(集英社)W刊行記念 - 05/10 Fri pato×田中泰延
「おっさんの私たちが書くことで得られるもの」
『文章で伝えるときいちばん大切なものは、 感情である。』(アスコム)刊行記念 - 05/11 Sat 塩谷舞×岡本真帆
「書いて生きていくための創作術」
『小さな声の向こうに』(文藝春秋)
『あかるい花束』(ナナロク社) W刊行記念 - 05/11 Sat 崔盛旭×岡本敦史
「見える歴史と、見えない歴史を繋ぐために」
『韓国映画から見る、激動の韓国近現代史』(書肆侃侃房)刊行記念 - 05/12 Sun 小津夜景×山本貴光
「本という地図、読むことと書くこと」
『ロゴスと巻貝』(アノニマ・スタジオ)刊行記念 - 05/13 Mon 白根智彦×吉澤清太
「あなたが(意外と)知らないハンバーガーの世界」
『ハンバーガーとは何か?』(グラフィック社)刊行記念 - 05/16 Thu 千葉佳織×国山ハセン
「話して伝えるためにプロがやっていること」
『話し方の戦略』(プレジデント社)『アタマがよくなる「対話力」』(朝日新聞出版)W刊行記念 - 05/17 Fri 鈴木涼美×三宅香帆×原カントくん
「源氏フリークの文芸評論家・三宅香帆が読み解く『YUKARI』と、AV時代全く本を読めなくなったスズミが『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を読み解く会」
『YUKARI』(徳間書店)『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社)W刊行記念 - 05/18 Sat 伊藤桃
「てっけん!1周年記念」 - 05/19 Sun Sundayカミデ×奇妙礼太郎
「QUESTIONS」
question3刊行記念トークショー - 05/20 Mon 岡室美奈子×柚木麻子
「私たちの体はテレビドラマでできている!」
『テレビドラマは時代を映す』(早川書房)刊行記念 - 05/21 Tue 牧村憲一×高野寛
「”Tonoban in wonderland” 不思議の国のトノバン」
『あの素晴しい日々 加藤和彦、「加藤和彦」を語る』(百年舎)刊行記念 - 05/22 Wed 丸山幸子×田代親世
「韓流取材歴25年の猛者たちが語る〜過去、今、未来」
『韓流前夜』(東京ニュース通信社)刊行記念 - 05/23 Thu 朝日順子×藤本国彦
「ビートルズの知られざる修行時代を追う」
『ビートルズ・イン・ハンブルク』(青土社)刊行記念 - 05/24 Fri TAJIRI×小林邦宏×原カントくん
「旅するカルチャートーク『たびかるジャンクション』公開収録」 - 05/27 Mon 麻田浩×松山猛
「麻田浩が松山猛にずっと聞きたかったこと~麻田浩の聞かずに死ねるか」
映画『トノバン 音楽家加藤和彦とその時代』公開記念 - 06/01 Sat 南信長×トミヤマユキコ
「あのキャラはなぜ〈メガネ/デブ/ブサイク〉なのか?」
『メガネとデブキャラの漫画史』(左右社)刊行記念 - 06/03 Mon 神原一光×ミト(クラムボン)
「小室哲哉を大いに語る!」
『WOWとYeah 小室哲哉』(小学館)刊行記念 - 06/07 Fri 柴崎友香×横道誠
「私は「この私」を通じてしか世界を経験できない」
『あらゆることは今起こる』(医学書院)刊行記念 - 06/08 Sat 稲垣健志×竹田恵子×山本浩貴×清水知子
「アートをゆさぶる:アート×カルチュラル・スタディーズ」
『ゆさぶるカルチュラル・スタディーズ』(北樹出版)刊行記念 - 06/12 Wed 吉村生×高山英男×xiangyu
「暗渠ってなんだ?〜「痕跡」への視線」
『暗渠マニアック!増補版』(筑摩書房)刊行記念 - 06/15 Sat 大野露井×佐藤亜紀×川本直
「小説と翻訳のあわい」
『塔のない街』(河出書房新社)
『教皇ハドリアヌス七世』(国書刊行会)W刊行記念 - 06/22 Sat ganshu×くどうれいん
「スナックレイン出張版 in 下北沢」
岩手県青年醸友会 〈ganshu〉 発売記念 - 06/30 Sun 豊﨑由美×小泉悠×小泉エレーナ
第88回「読んでいいとも! ガイブンの輪」