人呼んで「日本語小説界のクリント・イーストウッド」。片岡義男の孤高にして闊達な表現世界を、さまざまな角度から探訪していく全六回のシリーズイベントをB&Bにて開催します。
小説のみならず、評論、エッセイ、翻訳、写真家としても名高い「多芸多才の人」であり、同時に、精密機械の動作痕のごとき文体と思考が一糸乱れぬ「ピュアリスト」でもある巨匠。さらには、ロックンロール、オートバイやサーフィン、アメリカのカウンター・カルチャーや、そこから派生したライフスタイル哲学の精髄を世に広く伝導してくれた「永遠のアニキ」……そんな多面的な「片岡義男プリズム」に光を照射すれば、未来的でオルタナティヴな文学の可能性すら見えてくる!(かもしれません)。
実質的な作家デビューとなった1974年の「白い波の荒野へ」から数えて40周年のアニバーサリー・イヤーである本年を記念したこの企画、毎回テーマに沿った豪華ゲストをお招きして、新進作家・川崎大助が構成と司会をご担当します。
第5回目のゲストにお迎えするのは、評論家・翻訳家の小鷹信光さん。
早稲田大学在学中からハードボイルド小説の研究、翻訳を始め、これまでに手掛けた訳書・編纂書を通して、多くの海外ハードボイルド作品を日本に伝えてこられました。
片岡さんと小鷹さんは、先輩後輩の間柄であること以外にも、ともに翻訳家として活躍されていること、早稲田大学出身であること、伝説のハードボイルド専門雑誌『マンハント』がキャリアの振り出しとなったこと、そして、ペイパーバック・コレクションを持っていることなど、接点がいくつかあります。
昨今では、『ミステリマガジン』2008年10、11月号「そこにアメリカがあった」での対談、2014年5月に開催された『ミステリマガジン創刊700号記念トークイベント』での共演などが話題となりました。
今回のイベントでは、翻訳ミステリについてはもちろんのこと、小鷹さんが現在悪戦苦闘しながら翻訳中だというレイモンド・チャンドラー『新マーロウ物語』とベンジャミン・ブラック『黒い瞳のブロンド』について、さらには、片岡さんの初期翻訳本カーター・ブラウン『エンジェル!』とダグラス・ヘイズ『キッスオフ』をサカナにした旧悪暴露などなど、トピック満載でお届けします。
週末の午後は、ぜひ下北沢で、片岡義男とともに――。
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