浄土宗西山禅林寺派の僧侶でありながら、イラストレーターとしても活躍されている中川学さん。
中川さんは
「独自の物語境を築いた稀有の作家でありながら、その文体の特異性ゆえか、多くの現代人にとって遠い存在となりつつある彼の作品に生涯に一度は触れて欲しい」
という思いから、泉鏡花作品を独自のイラストで絵本化しており、今までに『龍潭譚』『化鳥』を手がけてきました。
その絵本化第3弾となる『朱日記』は、あやかしが織りなす幻想的な世界と、城下を焼き尽くす炎をイラストレーションで描き出した意欲作。
今回、その刊行を記念して、中川さん装画のアンソロジー・シリーズも手がけている文芸評論家の東雅夫さんをお招きしてトークイベントを行います。
『朱日記』制作のお話。
文学をイラストレーションでどう魅力的に表現するか。
また、泉鏡花から広がる幻想文学の世界など。
『朱日記』と泉鏡花を起点に、「イラストレーション」、「文学」というお互いの専門的な視点から、縦横無尽にお話しいただきます。
【プロフィール】
中川学 (ナカガワガク)
1966年生まれ 京都在住 浄土宗西山禅林寺派僧侶でイラストレーター。世界二◯カ国以上で読まれているロンドン発の情報誌『MONOCLE 』や、ドイツの著名美術系出版社『TASCHEN』が発行する世界のイラストレーター特集に掲載されるなど、世界へと活躍の場を広げている。主な仕事/万城目学「とっぴんぱらりの風太郎」装画&挿絵(文藝春秋)2013年「別冊文藝春秋」装画(文藝春秋)2014年2015年、絵本「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」(汐文社)がamazonなどでベストセラー。近年泉鏡花の絵本化に力を入れており、「繪草子 龍潭譚」(自費出版)、「絵本化鳥」(国書刊行会)は共に2013年アジアデザイン賞受賞。2015年4月泉鏡花第3弾「朱日記」(国書刊行会)を発表した。http://www.kobouzu.net
東雅夫 (ヒガシマサオ)
1958年神奈川県生まれ。アンソロジスト、文芸評論家。元「幻想文学」編集長、現「幽」編集顧問。著書に『遠野物語と怪談の時代』(角川学芸出版、日本推理作家協会賞受賞)、『文学の極意は怪談である』(筑摩書房)、編著に中川学装画による『おばけずき 泉鏡花怪異小品集』『たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集』(共に平凡社ライブラリー)ほか多数。
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