生きることと考えることが不可分に結びつき、批評家、エッセイスト、小説家、劇作家、映画作家、政治活動家として活躍したスーザン・ソンタグ。2004年に亡くなってからも、息子ディヴィッド・リーフによる編集で生前の日記が刊行されるなど、その思索と世界に対する彼女の態度は、没後10年以上を経過した現在も影響を与え続けています。
今年2月に発売された『スーザン・ソンタグの『ローリング・ストーン』インタヴュー』は、ジョナサン・コットによって1978年にパリとニューヨークで2回にわたって行われた『ローリング・ストーン』誌のためのロングインタビュー(1979年10月4日号に3分の1を掲載)が、2013年に公開された完全版です。このインタヴューは、前年に今や古典となった『写真論』が刊行され、短編集『わたしエトセトラ』と、自らの乳がんの手術と治療を契機に書かれた『隠喩としての病い』の刊行が予定されていた時期にあたり、これらを話題の糸口として胸襟を開いた直截な対話が繰り広げられています。一方、ソンタグが批評活動と並行して取り組んでいたフィクションの代表作で、2000年の全米図書賞を受賞した『イン・アメリカ』がついに翻訳刊行されます。
この2冊の刊行を記念して、本書を含めこれまでにソンタグの著作や日記を数多く翻訳し、ソンタグと友人でもあった木幡和枝さんをお迎えして、トークイベントを開催します。聞き手は、政治から文化までを対象に、「ラディカルな意思のスタイル」でエッセイ、創作、批評活動をする五所純子さん。ソンタグが遺した発言や作品をきっかけに、スーザン・ソンタグを公私ともに知る木幡さんへの、五所さんによる公開インタヴューとしてお送りします。
木幡和枝(こばた・かずえ)
1946年東京生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、編集に従事。70年代より美術、音楽、ダンスのプロデューサー、〈MoMA PS1〉客員学芸員。82年オルタナティヴ・スペース〈planB〉を田中泯らとオープン。2000年〜2014年東京芸術大学美術学部先端芸術表現科教授。訳書にスーザン・ソンタグ『私は生まれなおしている−日記とノート1947-1963』『夢の賜物』『こころは身体につられて−日記とノート1964-1980』(河出書房新社)、デレク・ベイリー『インプロヴィゼーション−即興演奏の彼方へ』(工作舎)、ローリー・アンダーソン『時間の記録』(NTT出版)、トニー・ゴドフリー『岩波 世界の美術 コンセプチュアルアート』(岩波書店)、アラン・リクト『サウンド・アート−音楽の向こう側、耳と目の間』(フィルムアート社)など。
五所純子(ごしょ・じゅんこ)
1979年生まれ。文筆家。エッセイと創作と批評を横断する執筆活動を行う。著書に『スカトロジー・フルーツ』(天然文庫)など。現在、500人分の「copyvaginas」を一冊の本に綴じる企画”copyvaginas”を進行中 。3月末に刊行された『21世紀を生きのびるためのドキュメンタリー映画カタログ』(キネマ旬報社)に寄稿。4月からの「ゲンロン批評再生塾」第二期に講師として参加。ライブストリーミングチャンネルDOMMUNEなどの司会も務める。
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2016/05/27 Fri -
木幡和枝×五所純子
「複雑な思考の歓迎〜スーザン・ソンタグの思索と小説」
『スーザン・ソンタグの『ローリング・ストーン』インタヴュー』 &『イン・アメリカ』(ともに河出書房新社)刊行記念
- 05/18 Sun フィクショネス 文学の教室
『金閣寺』『美しい星』を
3ヶ月かけてじっくりと読む - 05/18 Sun ひうらさとる×小川奈緒
「50代からの軽やかな”旅”と”伝え方”」
『58歳、旅の湯かげん いいかげん』
『伝え上手になりたい』(扶桑社)W刊行記念 - 05/19 Mon 永谷亜矢子×嶋浩一郎
「なぜあの観光地は選ばれるのか? 」
『観光"未"立国』(扶桑社)刊行記念 - 05/20 Tue 鈴木成一×大島依提亜×大久保明子
「“良い装丁”ってなんだろう?」
『【全5回】本屋B&B 超実践 装丁の学校 ファイナル』開校記念 - 05/21 Wed 浜島直子×一田憲子
「感情を言葉にすること」
『キドアイラク譚』
『もっと早く言ってよ。』(扶桑社)W刊行記念 - 05/23 Fri 大塚ひかり×春画ール
「歴史から悪意の本質を考える 」
『悪意の日本史』(祥伝社)刊行記念 - 05/24 Sat 森本淳生×鈴木亘×藤山直樹
「人文学から見る落語/落語から見る人文学」
『落語と学問する』(水声社)刊行記念 - 05/25 Sun アキラ・ザ・ハスラー×小沼理
「ぼくたち、今日は明るい話をしよう。」
『売男日記』(loneliness books)復刊記念 - 05/28 Wed 奇妙礼太郎×伊藤亜和『オールウェイズ』(ZINE)『わたしの言ってること、わかりますか。』(光文社)W刊行記念
- 05/30 Fri 堀井美香×今井雄紀×嶋浩一郎
「ラジオの先輩に聞いてみよう! ラジオの魅力と聞く力」 - 05/31 Sat 白石正明×牟田都子
「ケアと校正」
『ケアと編集』(岩波書店)刊行記念 - 06/01 Sun 濱中淳子×伊藤賀一
『大学でどう学ぶか』
『もっと学びたい!と大人になって思ったら』
(筑摩書房)W刊行記念 - 06/02 Mon 秋吉健太×中村貞裕
「“編集力とミーハー力” 。“好き”を仕事にする技術——編集者と経営者、それぞれの視点から」
『原点回帰 山田孝之、新しいコミュニティをつくる』(blueprint)刊行記念 - 06/03 Tue 穂村弘×脇田あすか×木村亮×筒井菜央
「『コトアム』と短歌アンソロジーから広がる”編む”を”読む”楽しさ」
ことばの投稿・閲覧SNSアプリ『コトアム』リリース記念 - 06/04 Wed 矢野利裕×町屋良平
「小説の死後に文学を再設定する」
『「国語」と出会いなおす』(フィルムアート社)刊行記念 - 06/07 Sat 中村佑子×石田月美
「わたしが、わたしのからだを孤独にしないために」連動企画
『なぜこの世界で子どもを持つのか 希望の行方』(集英社)連載スタート記念対談 - 06/08 Sun 藤見よいこ×小宮りさ麻吏奈「間(あわい)に立つひと」『半分姉弟』『線場のひと』(リイド社)W刊行記念
- 06/13 Fri 横道誠×菊池真理子×二村ヒトシ×松本俊彦
「みんなおいでよ、依存症の豊かな世界」 - 06/14 Sat 鴻上尚史×一色洋平×おーちようこ
「演劇のつくり方 〈もっと〉 教えます」
『舞台が幕を開けるまで』(大修館書店)刊行記念 - 06/18 Wed 小笠原鳥類×広瀬大志×黒崎晴臣
「おお、限りなく現代の詩人たち」
『おお、限りなく懐かしい動物たち』(ライトバース出版)刊行記念 - 07/06 Sun あきやあさみ×竹村優子
「「服と仕事と私~制服化スタイリストと編集者の場合」