最近もコミックのタイトルに使われ、いまなお読み継がれているシャルル・ボードレールの詩集『悪の華』。詩人の生涯の恋人ジャンヌ・デュヴァルは黒人と白人の混血で、カリブ海の出身といわれています。『悪の華』に収められた「ジャンヌ・デュヴァル詩篇」から彼女の痕跡や詩人との関係をたどり、時空を超えたスパンから《世界文学》として新たに『悪の華』を読み直そうとしたのが、くぼたのぞみさんの初の散文集『鏡のなかのボードレール』です。
その筆先は、これまで日本で受容されてきた数々の『悪の華』の翻訳・紹介をひもとき、さらに J. M. クッツェーの『恥辱』へと視界を開いていきます。そして、ジャンヌを主人公にしたアンジェラ・カーターの傑作短篇「ブラック・ヴィーナス」を訳し直し、大西洋を縦に、横に渡った複数の「ジャンヌ群像」を浮上させます。
今回のイベントでは、ゲストとして、くぼたのぞみさんと80年代から同人仲間だった詩人のぱくきょんみさん、学生時代にシュルレアリスト詩人デスノスを研究したフランス文学者・詩人の清岡智比古さんのお二人をお招きします。フランスや韓国、日本における歴史的に見た文化の混交と多様性から、ボードレールが日本の現代詩にあたえた影響まで、肩の力を思い切り抜いて大胆に、楽しく語っていただきましょう。
くぼた のぞみ
1950年生まれ。翻訳家、詩人。藤本和子編集の北米黒人女性作家選に刺激されて翻訳を志す。おもな著書に、『記憶のゆきを踏んで』(2014)、おもな訳書に、J・M・クッツェー『マイケル・K』(2015)、同『サマータイム、青年時代、少年時代』(2014)、マリーズ・コンデ『心は泣いたり笑ったり』(2002)、チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ『アメリカーナ』(近刊)など多数。
ぱく きょんみ
1956年生まれ。詩人。和光大学ほかで講師。主な著書に、詩集『何処何様如何草紙』(2013)『すうぷ』(2008)、エッセイ集『いつも鳥が飛んでいる』(2004)、絵本『れろれろくん』(2004)、訳書に、ガートルード・スタイン『地球はまあるい』(2006)、共著に、『女たちの在日』(2016)、『ろうそくの炎がささやく言葉』(2011)など多数。
清岡智比古
1958年生まれ。詩人、明治大学教員。NHKフランス語講座の講師もつとめた。都市と詩の交差領域から出発し、最近は映画や移民問題へと関心を広げている。おもな著書に、『パリ移民映画』(2015)、詩集『きみのスライダーがすべり落ちる その先へ』(2014)、『エキゾチック・パリ案内』(2012)、『東京詩』(2009)など多数。
イベントのご予約はこちらから!
※イベントチケットの予約・購入に関するご案内はこちら。
2016/07/16 Sat -
くぼたのぞみ ×
ぱくきょんみ × 清岡智比古
「黒い女たちの影とともにたどる旅
ボードレールからクッツェーまで」
『鏡のなかのボードレール』
(共和国)刊行記念
- 08/18 Mon 青山美智子×新井見枝香
「スイート&ビター。だから人生は美味」
『チョコレート・ピース』(マガジンハウス)刊行記念 - 08/19 Tue 石田健×神野藍
「キャラクターとして生きる」
『カウンターエリート』(文藝春秋)
『私をほどく AV女優「渡辺まお」回顧録』(ベストセラーズ)W刊行記念 - 08/21 Thu 佐藤良明×毛利嘉孝
「ロック音楽と資本主義の精神」
『定本 ラバーソウルの弾みかた』(岩波書店)刊行記念 - 08/22 Fri 徳谷柿次郎×木下斉×日野昌暢
「都市をrenewする! ~みんなでつくる、未来の街」
『都市と路上の再編集 LIVE NOW DEVELOPMENT』(風旅出版)刊行記念 - 08/23 Sat 西谷格×安田峰俊
「潜入ライター、“AI監視”ウイグルに迷い込む」
『一九八四+四〇 ウイグル潜行』(小学館)刊行記念 - 08/24 Sun 楊双子×リン・キン×三浦裕子
「台湾文学は、 世界でいかに翻訳されるのか」
『台湾漫遊鉄道のふたり』(中央公論新社)全米図書賞翻訳賞&日本翻訳大賞受賞記念トーク - 08/25 Mon 飯間浩明×鈴木忠平×銀シャリ橋本直 ×田辺智加(ぼる塾)×あわよくばファビアン×ピストジャム
「第一芸人文芸部 俺の推し本。」(BSよしもと)
第14回公開収録 - 08/27 Wed むらかみなぎさ×明智マヤ
『柔らかい縁』リリース記念イベント - 08/28 Thu フウ×稲垣えみ子
「とりあえず行って住んでみた 〜ヨルダンとフランスで生活体験」
『ヨルダンの本屋に住んでみた』(産業編集センター)刊行記念 - 08/30 Sat 石井健介×濱田祐太郎
「ふたりが見てきた景色について。」
『見えない世界で見えてきたこと』(光文社)&
『迷ったら笑っといてください』(太田出版) W刊行記念 - 08/30 Sat コナリミサト×武田真治×中田クルミ
「スナックバブル in B&B」
『凪のお暇』(秋田書店)完結・12巻刊行記念 - 08/31 Sun 小川公代×中村隆之
「この世界を生きるための物語と音楽」
『ケアの物語 フランケンシュタインからはじめる』
『ブラック・カルチャー』(岩波書店)刊行記念 - 09/01 Mon 佐藤誠二朗×ATSUSHI(ニューロティカ)
「八王子~中央線~井の頭線~下北沢 僕らのパンクとインディーズ」
『いつも心にパンクを。Don’t trust under 50』(集英社)刊行記念 - 09/04 Thu 島村恭則×黒川晝車×諸星めぐる
「今日からできる! 『みんなの民俗学』実践講座(入門編)」
『Hukyu』発刊記念 - 09/07 Sun 荻上チキ×栗原俊雄×辻田真佐憲
「私たちはなぜ暴力を生んでしまったのか?」
『大日本いじめ帝国』(中央公論新社)
『「あの戦争」は何だったのか』(講談社)
W刊行記念 - 09/12 Fri 植本一子×西村佳哲
「わたしたちの安心安全な場所をつくる」
『ここは安心安全な場所』刊行記念 - 09/13 Sat 中村拓哉×磯部涼
「日本語ラップと日本社会—右傾化・ストリート・ネオリベラリズム」
『日本語ラップ 繰り返し首を縦に振ること』(書肆侃侃房)刊行記念 - 09/14 Sun 鶴見済×鴻上尚史
「みんな同じでなくていい――日本社会の生き苦しさ」
『人間関係を半分降りる 増補版』(ちくま文庫)刊行 - 09/22 Mon とあるアラ子×はらだ有彩×山本美希
「「普通」を拡張する 〜描くことがひらく世界」
『多様で複雑な世界を、いまどう描くか』(BNN)刊行記念