シネマ・ヴェリテの創始者にして映像人類学の巨人、ジャン・ルーシュ。
フランスとアフリカを往還しながら、フィクション、ドキュメンタリー、エスノロジーの枠を越え、撮影対象との「共有」のなかから作品を創り上げる手法によって、ヌーヴェル・ヴァーグの潮流を生み出した、映像作家/人類学者であるジャン・ルーシュについての本邦初の論集が刊行されました。
今回は、本書の編者である金子遊さん、千葉文夫さんに加え、本書の執筆者から港千尋さんをお迎えし、膨大な作品群を残しながら、普段なかなか観ることのできないジャン・ルーシュの貴重な映像作品の抜粋を観ながら、お三方それぞれの視点でルーシュの魅力と、いまの映像表現/人類学への影響について語っていただきます。
【出演者紹介】
千葉文夫(ちば・ふみお)
早稲田大学名誉教授。著書に『ファントマ幻想──30年代パリのメディアと芸術家たち』(青土社、1998)、『ミシェル・レリスの肖像』(みすず書房、2019)、分担執筆に『クリス・マルケル 遊動と闘争のシネアスト』(森話社、2014)、『ストローブ゠ユイレ──シネマの絶対に向けて』(森話社、2018)、『文化解体の想像力──シュルレアリスムと人類学的思考の近代』(人文書院、2000)、訳書に『ミシェル・レリス日記』(1・2、みすず書房、2001–2002)、ミシェル・レリス『縫糸』(平凡社、2018)、ミシェル・シュネデール『グレン・グールド──孤独のアリア』(ちくま学芸文庫、1995)など。
金子 遊(かねこ・ゆう)
批評家、映像作家。多摩美術大学准教授。『映像の境域──アートフィルム/ワールドシネマ』(森話社、2017)で、第39回サントリー学芸賞<芸術・文学部門>を受賞。ほかの著書に『辺境のフォークロア──ポスト・コロニアル時代の自然の思考』(河出書房新社、2015)、『ドキュメンタリー映画術』(論創社、2017)、『混血列島論──ポスト民俗学の試み』(フィルムアート社、2018)、『悦楽のクリティシズム──2010年代批評集成』(論創社、2019)など。編著書に『クリス・マルケル 遊動と闘争のシネアスト』(共編、森話社、2014)、『アメリカン・アヴァンガルド・ムーヴィ』(共編、森話社、2016)ほか。
港 千尋(みなと・ちひろ)
写真家、映像人類学。多摩美術大学情報デザイン学科教授。著書・写真集に『瞬間の山──形態創出と聖性』(インスクリプト、2001)、『芸術回帰論──イメージは世界をつなぐ』(平凡社新書、2012)、『掌の縄文』(羽鳥書店、2012)、『ヴォイドへの旅──空虚の創造力について』(青土社、2012)、『革命のつくり方──台湾ひまわり運動─対抗運動の創造性』(インスクリプト、2014)、『クリス・マルケル 遊動と闘争のシネアスト』(共編、森話社、2014)、『風景論──変貌する地球と日本の記憶』(中央公論新社、2018)、『現代写真アート原論──「コンテンポラリーアートとしての写真」の進化形へ 』(共著、フィルムアート社、2019)など。
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