能楽師・安田登さんの新刊『あわいの力』(ミシマ社)創刊記念トーク第二弾!。安田登さんとファッションデザイナー・山縣良和さんのトークライブを開催致します!
安田登さんは能楽師でワキ方。
ワキは舞台に最初に登場し、たいてい「次第」や「道行」という謡(うたい)を謡います。そして「あるところ」で正体があやしい者(シテ)と出会います。無名の旅人であるワキは、問いを発し、シテの語りを引き出したあとは、そのシテの物語を黙って聞きます。だからこそ、ワキが異界や異類を見いだし、現実と異界を結びつけ、思いを遂げられぬ者たちの思いを晴らしていくという役割(あわいの力)をにないます。
ワキにしか見えない世界。ワキがもつ事情を見分ける力。
ファッションデザイナーの山縣良和さんは、自身のブランド『writtenafterwards』で、常に「ファッションとはなにか」と問い続けられています。「一瞬でも着られればそれは服になる」。その一瞬で人々を魅了してしまうファッションの魔法。
山縣さんは坂部三樹郎さんとの共著『ファッションは魔法』のなかで、“もや”のように霞んでいて、掴もうと思ってもなかなか掴めない、掴んだ瞬間に消えてしまう儚いもの“をファッションの魔法と呼んでいます。
ファッションは「流行」と「服装」という意味があり、そこに共通する重要な意味は「装い」。装いは、身体と空間をつなげる最初の媒介(あわい)です。媒介としての装いが、簡単に言葉にできるもの、数値化できてしまうもので溢れてしまったら・・・
安田登さんのご著書『あわいの力』のサブタイトルは、“「心の時代」の次を生きる”です。「文字」が生まれ、「心」という文字が生まれて3000年。「文字」を使い始めたことで、脳で思考することが増え、人間が「脳化」していった。それによって「心」が肥大化し、「心」の副作用によって、自殺や精神疾患が増加している。この「心」の副作用から逃れるには、「心」に変わるなにかを手にするしかない・・・
わけのわからない“もや”を作り出す山縣さんの「ファッションの魔法」は、安田さんの言う「あわいの力」なのではと思います。
能楽師の安田さんとファッションデザイナーの山縣さんによる、「あわいの力」「もや」についてのトークライブ。そこで描き出されるコトが、きっと次代のヒントになると思います。
プロフィール
●安田登(やすだ・のぼる)
1956年千葉県銚子市生まれ。高校時代、麻雀とポーカーをきっかけに甲骨文字と中国古代哲学への関心に目覚める。高校教師をしていた二五歳のときに能に出会い、鏑木岑男師に弟子入り。能楽師のワキ方として活躍するかたわら、『論語』などを学ぶ寺子屋「遊学塾」を、東京(広尾)を中心に全国各地で開催する。また、公認ロルファー(米国のボディワーク、ロルフィングの専門家)として各種ワークショップも開催している。著書に『能に学ぶ「和」の呼吸法』(祥伝社)、『身体感覚で「論語」を読みなおす。』『身体感覚で「芭蕉」を読みなおす。』(以上、春秋社)、『身体能力を高める「和の所作」』『異界を旅する能 ワキという存在』(以上、ちくま文庫)など多数。
●山縣良和(やまがた・よしかず)
ファッションデザイナー。1980年、鳥取県生まれ。2005年、セントラル・セント・マーティンズ美術大学ウィメンズウェア学科を首席で卒業。ジョン・ガリアーノのデザインアシスタントを経て帰国。07年4月、自身のブランド「writtenafterwards(リトゥンアフターワーズ)」を設立。2009年春夏より東京コレクションに参加。2012年、日本ファッション・エディターズ・クラブ賞新人賞を受賞。2013年には「絶命展」(パルコミュージアム)を坂部三樹郎とともにプロデュースし大きな反響を呼ぶ。デザイナーとしての活動のかたわら、ファッション表現の実験の学び場として「ここのがっこう」を主宰。
2014/01/14 Tue -
安田登×山縣良和『あわいの力』(ミシマ社)刊行記念
- 03/28 Thu 二重作拓也×中井祐樹×オケタニ教授
「なりたい自分になるために」
『可能性にアクセスするパフォーマンス医学』(星海社)刊行記念 - 03/29 Fri 冨井大裕×山本一弥×藤井匡×石川卓磨
「なぜ、〈わからない彫刻〉か」
『わからない彫刻 みる編』(武蔵野美術大学出版局)刊行記念 - 03/30 Sat 陳天璽×ルイス・カーレット×奥貫妃文
「みんな、無国籍―あなたは“ナニジン”ですか?~国籍から問う世界のカタチ~」
『Stateless』(シンガポール大学出版)刊行記念 - 03/31 Sun 尹雄大×星野概念
「自分を知るための言葉とどう出会うか」
『句点。に気をつけろ』(光文社)刊行記念 - 04/02 Tue 石川幹人×小島正美
「なぜ人はフェイク情報にだまされるのか」
『フェイクを見抜く 「危険」情報の読み解き方』(ウェッジ)刊行記念 - 04/03 Wed 高耀威×松井祐輔
「台湾 “どこから行っても遠い町”でコミュニティ書店を運営すること」
台東縣長濱郷 独立書店「書粥」高耀威さんに聞く - 04/04 Thu 柳澤健×中森明夫
「“クラッシュ・ギャルズ”はなぜアイドルになり得たのか?」
『1985年のクラッシュ・ギャルズ』(光文社)刊行記念 - 04/05 Fri 小林泰彦
「ヘビーデューティの学校」
『ぼくのおじさん学校』第三回 - 04/06 Sat 蟹の親子×土門蘭
「わたしの記憶、あなたの記憶」
『脳のお休み』(百万年書房)刊行記念 - 04/08 Mon 渋谷和宏×塚越健司
「日本の会社員はどうすれば幸せに働くことができるのか」
『日本の会社員はなぜ「やる気」を失ったのか』(平凡社)刊行記念 - 04/09 Tue 牧村憲一×佐々木敦
「”坂本さん”と”坂本龍一”のあいだ」
『「教授」と呼ばれた男――坂本龍一とその時代』(筑摩書房)刊行記念 - 04/10 Wed 吉田将英×銅冶勇人×小林百絵
「切り拓く人の、コンセプト・センス」
『コンセプト・センス 正解のない時代の答えのつくりかた』(WAVE出版)刊行記念 - 04/11 Thu 阿部大樹×能條桃子×吉田千亜
「いま目の前にあるトラウマ」
『真実と修復 暴力被害者にとっての謝罪・補償・再発防止策』
『心的外傷と回復 増補新版』(みすず書房)W刊行記念 - 04/12 Fri 佐藤亜沙美×祖父江慎
「本とデザイン、紙と文字の素敵な関係」
『MdNデザイナーズファイル2024』
(エムディエヌコーポレーション)刊行記念 - 04/13 Sat 笹公人×小橋めぐみ
「短歌とドラマ」
『NHK短歌 シン・短歌入門』(NHK出版)刊行記念 - 04/14 Sun 川野芽生×清水えす子×山内尚
「自由に着て、自由に生きる 」
『かわいいピンクの竜になる』(左右社)
『シミズくんとヤマウチくん──われら非実在の恋人たち』(柏書房)
『ノンバイナリースタイルブック』(柏書房)トリプル刊行記念 - 04/15 Mon 青木純×馬場未織×影山知明
「人とまちの関係を温めるパブリックのつくり方」
『パブリックライフ』(学芸出版社)刊行記念 - 04/18 Thu 戸谷洋志×品田遊(ダ・ヴィンチ・恐山)
「“本当に生まれてこなければよかった?”──親ガチャと反出生主義をめぐって」
『親ガチャの哲学』(新潮社)刊行記念 - 04/19 Fri 春山慶彦×稲葉俊郎
「自然は最高の教室!こどもの感性・身体性を高める教育とは」
『こどもを野に放て!AI時代に活きる知性の育て方』(集英社)刊行記念 - 04/20 Sat 豊﨑由美×マライ・メントライン×神島大輔
第87回「読んでいいとも! ガイブンの輪」 - 04/23 Tue 室橋裕和×佐野亨
「街を歩いて見えてきたもの 新大久保と横浜」
『ルポ新大久保 移民最前線都市を歩く』(KADOKAWA)刊行記念 - 04/26 Fri 桜林直子×星野概念
「【連続対談シリーズ】 つまり、“生きづらい”ってなんなのさ vol.1 〜精神科医からはどう見えてるか教えてよ〜」 - 04/28 Sun 山階基×古賀及子
「暮らしをまなざす言葉」
『夜を着こなせたなら』(短歌研究社)刊行記念 - 05/01 Wed 太田省一×水道橋博士
「”いいとも!”とは何だったのか?」
『「笑っていいとも!」とその時代』(集英社)刊行記念