人呼んで「日本語小説界のクリント・イーストウッド」。片岡義男の孤高にして闊達な表現世界を、さまざまな角度から探訪していく全六回のシリーズイベントをB&Bにて開催中です。
小説のみならず、評論、エッセイ、翻訳、写真家としても名高い「多芸多才の人」であり、同時に、精密機械の動作痕のごとき文体と思考が一糸乱れぬ「ピュアリスト」でもある巨匠。さらには、ロックンロール、オートバイやサーフィン、アメリカのカウンターカルチャーや、そこから派生したライフスタイル哲学の精髄を世に広く伝導してくれた「永遠のアニキ」……そんな多面的な「片岡義男プリズム」に光を照射すれば、未来的でオルタナティヴな文学の可能性すら見えてくる!(かもしれません)。
実質的な作家デビューとなった1974年の『白い波の荒野へ』から数えて40周年のアニバーサリー・イヤーである本年を記念したこの企画、毎回テーマに沿った豪華ゲストをお招きして、新進作家・川﨑大助さんが構成と司会をご担当します。
第2回目は、講談社より5月21日に発売される片岡さんの最新作『ミッキーは谷中で六時三十分』をテーマに、作家の堀江敏幸さんをお迎えします。
谷中、高円寺、祖師ヶ谷大蔵、三軒茶屋、経堂、下北沢、吉祥寺、渋谷……東京の街を舞台に、記憶と言葉、男と女を描いた7つの短編。どれも太陽が南中して影が一切ない日なたのように研ぎ澄まされた文章と構造を持ったこの作品集に、堀江さんは次のコメントを寄せています。
――片岡義男の世界における偶然は、《彼にとっての必然》の帰結である。この作品集に、想定外の事象はひとつもない。 堀江敏幸
古くからの片岡義男愛読者であり、自身のエッセイや評論集、さらには片岡さんとのトークイベントにおいて、鋭い洞察力と審美眼によって片岡義男という人物/作品論を展開している堀江さんは、『ミッキーは谷中で六時三十分』をどう読み解いたのか? 最新作を軸として語るとき、旧作品群の言葉たちが帰結する世界とは? さらには、ちかごろ巷を賑わしている片岡義男再ブームは偶然か必然か?
「片岡義男の読みかた」について語り尽くしていただきます。
週末の午後は、ぜひ下北沢で、片岡義男とともに――。
※イベントチケットの予約・購入に関するご案内はこちら。