一冊の本を読みおえてわいてくる、おもしろかった、ゆかいだった、つまらなかった、かなしかった、いかりがわいた、などなどのさまざまな感想。これを自分ひとりのものにしておくのは、もったいないと思いませんか。
本を読むということは、書いた人や登場人物の身になって相手の感情や行動を考えるという意味でも、わたしたちが生きてゆくうえで、もっとも大切な訓練のひとつです。だったら、自分の感想もだれかにつたえて、一緒にかんがえたり、語りあったり、たのしんだり、かなしんだりしたほうが、ずっと世界がひろくなると思いませんか。
「共和国」という4月に創立したばかりの「ひとり出版社」から6月に刊行された都甲幸治さんの『狂喜の読み屋』には、本をめぐるエッセイや批評が、そのこぶりな判型からあふれんばかりに数多く収録されています。
では、都甲さんはどうやって本の内容を相手に届くようにくふうしているのでしょうか。
そしてまた、翻訳という自分ではない他人の書いたものを日本語にうつしかえるとき、どんなことに注意しているのでしょうか。それを今回、お話ししていただければとおもっています。
トークのお相手は、5月に『鼓動のうた 愛と命の名歌集』(毎日新聞社)というアンソロジーを刊行したばかりの東直子さん。
300首にもおよぶ「愛の歌」「命の歌」をあつめて読みといた、ずっと手もとにおいておきたくなる一冊です。歌人、小説家、エッセイストとして大活躍の東さんとの対話をとおして、ことばをつむぎだす、ということのたのしさ、おもしろさを存分に語りあっていただく予定です。
8月の土曜の昼下がり、都会の喧噪や暑さからちょっとはなれて、本に囲まれた空間のなかで、ゆったりと「ことば」について考えてみませんか。みなさんと下北沢でお目にかかれるのを、たのしみにしています。
都甲幸治(とこう・こうじ)
1969年、福岡県に生まれる。翻訳家、アメリカ文学者。
著書に、『偽アメリカ文学の誕生』(水声社)、『21世紀の世界文学30冊を読む』(新潮社)、訳書に、チャールズ・ブコウスキー『勝手に生きろ!』(河出文庫)、ジュノ・ディアス『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』、同『こうしてお前は彼女にフラれる』、ドン・デリーロ『天使エスメラルダ』(いずれも共訳、新潮社)など多数がある。
東直子(ひがし・なおこ)
1963年、広島県に生まれる。歌人・小説家。
著書に、歌集『春原さんのリコーダー』『青卵』(いずれも本阿弥書店)、『東直子集』(邑書林)、『十階』(ふらんす堂)、小説『水銀灯が消えるまで』(集英社文庫)、『とりつくしま』(ちくま文庫)、『ゆずりゆずり』(中公文庫)、『らいほうさんの場所』(講談社文庫)、エッセイ集『千年ごはん』(中公文庫)、絵本『うみ
ざざざ』(くもん出版)をはじめ多数がある。
『狂喜の読み屋』都甲幸治(シリーズ「散文の時間」)
ISBN 978-4-907986-00-1
定価 2,400円+税 共和国
288ページ/四六変判上製/帯・カバーあり
『鼓動のうた 愛と命の名歌集』東直子
978-4-620-32261-2
定価 1,800円+税 毎日新聞社
200ページ/四六判上製/帯・カバーあり
※イベントチケットの予約・購入に関するご案内はこちら。
2014/08/02 Sat -
都甲幸治×東直子「本を読んでことばにするって、なんておもしろいんだろう」都甲幸治『狂喜の読み屋』(独立系出版社「共和国」第1弾 )刊行記念
- 08/16 Tue 石井光太×福田ますみ
「学校が子供を殺すのか/親が子供を殺すのか」 - 08/17 Wed 丸山文隆×石井雅巳
「〈存在の意味への問い〉をめぐって」
『ハイデッガーの超越論的な思索の研究:『存在と時間』から無の形而上学へ』(左右社)刊行記念 - 08/18 Thu 青野賢一×M!DOR!
「ジェンダー、他者の文化、レイシズム――音楽とファッションから見えてくるもの」
『音楽とファッション 6つの現代的視点』(リットーミュージック)刊行記念 - 08/19 Fri 奥誠之×鄭梨愛×中村大地
「芸術を通じて気づいたこと、気づけなかったこと~絵描き、美術家、演出家の話から」
『ドゥーリアの舟』(oar press) 刊行記念 - 08/20 Sat 角田龍平×スーパー・ササダンゴ・マシン
「角田龍平とラジオと憲法」 - 08/21 Sun 木下龍也×向坂くじら
「“わかる”ことと詩歌」
『とても小さな理解のための』(しろねこ社)刊行記念 - 08/23 Tue ピーター・バラカン×萩原健太
「ロック・ファミリー・ツリーを聴く夕べ」
『ロック・ファミリー・ツリー』(みすず書房)刊行記念 - 08/25 Thu 澤田智洋×小国士朗
「企画人生カイギ vol.2 ~企画することの楽しさ、悩み、生々しいことすべて」
『コピーライター式ホメ出しの技術』(宣伝会議)
『笑える革命』(光文社)W刊行記念 - 08/26 Fri 稲田豊史×金間大介
「絶対に失敗したくない日本人のエンタメ消費論」
『映画を早送りで観る人たち』(光文社)
『先生、どうか皆の前でほめないで下さい―いい子症候群の若者たち』(東洋経済新報社)W刊行記念 - 08/28 Sun 阿部広太郎×カイシトモヤ×小林昌平
「仕事を自由にする読書」
Schoo×本屋B&Bコラボブックフェア
「#実は働くヒントをくれる本」開催記念 - 08/29 Mon 【参加無料】石川善樹︎×田中卓
「『石川善樹と語るウェルビーイングの未来』ウェルビーイングトーク 」
presented by Hakuhodo DY Matrix - 08/30 Tue 神谷悠一×田中俊之×井上久美枝×松岡宗嗣
「では、差別はどう解決すればいいの?」
『差別は思いやりでは解決しない――ジェンダーやLGBTQから考える』(集英社)刊行記念 - 08/31 Wed 津田貴司×柳沢英輔×金子智太郎
「録ることについて聴き、そして語ること。」
『フィールド・レコーディングの現場から』(カンパニー社)
『フィールドレコーディング入門』(フィルムアート社)
W刊行記念 - 09/04 Sun 金原ひとみ×エリイ×尾崎世界観
「金原ひとみと打ち上げる」
『文藝 2022年秋季号』刊行記念 - 09/06 Tue 奥野克巳×角幡唯介
「未知なる大地や人々とともに」
『これからの時代を生き抜くための文化人類学入門』(辰巳出版)刊行記念 - 09/07 Wed tofubeats×imdkm×有村崚×杉生健
「トーフビーツの出席裁判」
『トーフビーツの難聴日記』(ぴあ)刊行記念 - 09/08 Thu 姫野桂×沖田×華
「発達障害女子の恋愛事情、本当のことをお話しします!」
『ダメ恋やめられる!? 発達障害女子の愛と性』(集英社)電子版刊行記念 - 09/08 Thu イ・ラン×いがらしみきお
「その後いかがお過ごしでしょうか?」
『何卒よろしくお願いいたします』
(タバブックス )刊行記念 - 09/09 Fri 田房永子×神田伯山
「伯山・永子の『モヤモヤとの付き合い方』」
『人間関係のモヤモヤは3日で片付く -忘れられない嫌なヤツも毎日顔を合わせる夫も-』(竹書房)刊行記念 - 09/11 Sun 萩原麻理×粉川しの×ニイマリコ
「ボビー・ギレスピーという個人史:音楽とスタイルによる変革」
『ボビー・ギレスピー自伝 Tenement Kid』(イースト・プレス)刊行記念 - 09/14 Wed 麻布競馬場×冬野梅子
「東京に来なかったほうが幸せだった?」
『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』
(集英社)刊行記念 - 09/15 Thu 野崎歓×小川公代
「今、なぜ大江健三郎なのか」
『無垢の歌――大江健三郎と子供たちの物語』
(生きのびるブックス)刊行記念 - 09/16 Fri 周東美材×松尾潔
「なぜ日本では“大人の芸”が育たないのか」
『「未熟さ」の系譜―宝塚からジャニーズまで―』(新潮社)刊行記念 - 09/30 Fri 木村純子×陣内秀信×井上岳一
「テリトーリオと山水郷:これからの地方の話をしよう」
『イタリアのテリトーリオ戦略:甦る都市と農村の交流』(白桃書房)刊行記念