風景は大事であると私たちは言う。
しかし私たちは風景を壊し続けた。そして経済成長を遂げた。だからこそ今の日本がある。
先導したのは政治家と建築家だった。都市計画を担う建築家は、「創造」の名のもとに、それに手を貸した。
この“破壊と革新”というやりかたはすでに役割を終えている。これからの日本に必要なのは別の方法——すなわち「風景を保守する」ことによって風景をつくるというやり方である。三浦展は新著『新東京風景論』でその端緒を示唆した。
「保守」とは何か。それは単に、旧態を変えず保持しつづけることではない。私たちの内にある「常識」を重んじながら、その時々に応じて慎重な選択を重ねていく「生き方」のことである。
浜崎洋介は清新な福田恆存論(『福田恆存思想の(かたち)』)で世を驚かせ、気鋭の保守評論家として活躍している。浜崎と、同様に学生時代から福田恆存に心酔する三浦の2人が世代差を越えて、あらためて保守という生き方を問い、風景をつくることにおいて保守はどのような役割を担いうるのかについて討論する。
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