昨年11月に刊行された田中康夫さんの17年ぶりの小説『33年後のなんとなく、クリスタル』(「いまクリ」)が好評です。本作は、大ベストセラーとなったデビュー作『なんとなく、クリスタル』(「もとクリ」)から33年を経て、小説の登場人物たちが年齢を重ねて50代となって再登場。さらに著者と思わせる「ヤスオ」も作中に登場し、彼女たちとそれぞれの来し方と近況を語り合います。また、昨年新たに発売された「もとクリ」文庫版では、解説を執筆した高橋源一郎さんがマルクスの『資本論』と比較して論じるなど、発表当時は誰も気づかなかった日本の行く末を予言したメッセージも改めて注目されています。
「もとクリ」と「いまクリ」の間に横たわる33年とはどんな歳月だったのか。「もとクリ」の舞台となった1980年に20代だった読者、そして著者である田中康夫さんは現在50代になっているわけですが、1980年当時を知らない人々も、すでに30代になっています。例えば、B&Bの共同オーナーのひとりである内沼晋太郎さんは、「もとクリ」が執筆された1980年の生まれ。そして奇遇なことに、内沼さんは田中さんの母校と同じ大学に進学し、田中さんと同様に卒業後に就職した企業を僅か2ヶ月で退社。ブック・コーディネーターとしての道を歩み始めました。一方、その間、田中さんは阪神・神戸大震災後のボランティアの活動、長野県知事を経て、参議院及び衆議院議員としての政治家として活動していました。
時を隔てていくつかの共通点を持つ年代の異なる2人が、「もとクリ」と「いまクリ」をもとにそれぞれの33年を語りつつ、日本の未来について語り合います。
【プロフィール】
田中康夫(たなか・やすお)
作家。1956年東京都生まれ。小学校2年から高校卒業までを長野県で過ごす。1980年、大学在学中に書いた『なんとなく、クリスタル』で文藝賞を受賞、翌年発売された単行本がベストセラーに。1981年、一橋大学法学部卒業。1995年、阪神・淡路大震災後、神戸でボランティア活動に従事。市営神戸空港建設反対署名運動のリーダーとして活躍。2000年〜2006年、長野県知事。2007年〜2012年、参議院議員、衆議院議員。2013年、17年ぶりの小説となる「33年後のなんとなく、クリスタル」の連載を『文藝』で開始、2014年単行本化(河出書房新社)。世代を超えて幅広い読者の支持を得る。主な著書に『なんとなく、クリスタル』『サースティ』(以上河出文庫)、『神戸震災日記』(新潮文庫)、『東京ペログリ日記大全集①~⑤』『ナガノ革命638日』(以上扶桑社)など多数。
http://www.nippon-dream.com
内沼晋太郎(うちぬま・しんたろう)
ブック・コーディネイター/クリエイティブ・ディレクター、numabooks代表、B&B共同オーナー。1980年、田中康夫さんが『なんとなく、クリスタル』が執筆し文藝賞に応募した翌月に生まれる。田中さんの母校、一橋大学商学部商学科卒業(ブランド論)後、某外資系国際見本市主催会社に入社し、田中さんと同じくわずか2カ月で退社。現在、異業種の書籍売り場やライブラリーのプロデュース、書店・取次・出版社のコンサルティング、電子書籍関連のプロデュースをはじめ、本にまつわるあらゆるプロジェクトの企画やディレクションを行う。2013年より、これからの執筆・編集・出版に携わる人のサイト「DOTPLACE」編集長も務める。著書に『本の未来をつくる仕事/仕事の未来をつくる本』(朝日新聞出版)、『本の逆襲』(朝日出版社)。
http://numabooks.com
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2015/03/22 Sun -
田中康夫×内沼晋太郎 司会:小林英治「1980年からはじまる、それぞれの33年。これからの日本。」『33年後のなんとなく、クリスタル』(河出書房新社)刊行記念
- 07/01 Tue 吉見俊哉×若林幹夫
「建築と出来事」
『このとき、夜のはずれで、サイレンが鳴った』(岩波書店)
『ダイアローグ〈危機〉の時代の長谷川逸子・原広司・伊東豊雄』(millegraph)W刊行記念 - 07/02 Wed 豊﨑由美×木下眞穂
第93回「読んでいいとも! ガイブンの輪」 - 07/04 Fri 富川岳×ドミニク・チェン×桜井祐
「懐かしい異界へ。人ならざるものと共に生きる」
『シシになる。──遠野異界探訪記』(亜紀書房)刊行記念 - 07/05 Sat 岡本敬子×岡本仁
「ふたりへの質問エクストラ 」
『私のふたり暮らし』(光文社) - 07/05 Sat 武田砂鉄×石村博子×舛友雄大
「ノンフィクションの現在地」
Presented by 講談社本田靖春ノンフィクション賞 - 07/06 Sun あきやあさみ×竹村優子
「服と仕事と私~制服化スタイリストと編集者の場合」 - 07/10 Thu 星田英利×フルーツポンチ村上健志×日下怜奈×トット桑原雅人×あわよくばファビアン×ピストジャム
「第一芸人文芸部 俺の推し本。」(BSよしもと)
第13回公開収録 - 07/11 Fri 星野文月×竹中万季×野村由芽
「それぞれの日記のなかにある、人との距離や関係性」
『不確かな日々』(ひとりごと出版)
刊行記念 - 07/12 Sat 西尾康之×斎藤環
「『不死』の時代とは?:アーティストと精神科医が語り尽くす」
『不死』(くま書店)刊行記念 - 07/13 Sun 柴田元幸×惠愛由
「あなたをみている」
『体の贈り物』(twilillight) 復刊記念 - 07/13 Sun 服部円×長崎訓子
「身近なネコをよく知り、
イラストにするワークショップ」
『ネコは(ほぼ)液体である』
(KADOKAWA)刊行記念 - 07/14 Mon 【全6回】連続講座 鈴木涼美「夜の読書室」Vol.3
- 07/15 Tue 松尾潔×丸屋九兵衛
「90年代R&Bとは何だったのか? 」
『松尾潔のメロウなライナーノーツ』(リットーミュージック)刊行記念 - 07/16 Wed 三宅陽一郎×清木 昌
「ゲームデザイン、人工知能、数学――レトロゲームから未来まで」
『数学がゲームを動かす!』
(日本評論社)刊行記念 - 07/18 Fri 阿部恭子×インベカヲリ★
「家族という密室で何が起きているのか」
『近親性交―語られざる家族の闇』(小学館)刊行&重版記念 - 07/22 Tue 周司あきら×杉田俊介
「語られにくいミサンドリー(男性嫌悪)から『男』の話をしよう」
『ラディカル・マスキュリズム』(大月書店)
『男性学入門』(光文社)W刊行記念 - 07/23 Wed 椎名基樹×せきしろ
「バカサイトークライブ」 - 07/24 Thu 米澤渉×ひろのぶと株式会社
「踊る阿呆たちの本づくり」
『踊る阿呆の世界戦略』(ひろのぶと株式会社)
刊行記念 - 07/26 Sat 水上文×清水晶子
「ここにも、そこにも、どこにでも:日本語圏と英語圏のクィアポリティクスを辿って」
『クィアのカナダ旅行記』(柏書房)刊行記念 - 07/27 Sun 太田充胤×山本ジャスティン伊等×山本浩貴
「こんなにも踊りたい、私たちの魂について」
『踊るのは新しい体』(フィルムアート社)刊行記念 - 07/28 Mon 金原ひとみ×朝吹真理子×山中瑶子
「韓国と出会って考えたこと」
新文芸誌『GOAT meets』(小学館)刊行記念 - 07/29 Tue 枝優花×平井珠生
「ラジオでしゃべるって、こんなにむずかしくて、たのしい。」 - 07/30 Wed 梶原阿貴×高橋伴明
「家族とジェンダーと革命」
『爆弾犯の娘』(ブックマン社)
刊行記念 - 08/04 Mon 古賀及子×菊地朱雅子×北野太一×油利可奈
「生活を(書き)続けるために」
『巣鴨のお寿司屋で、帰れと言われたことがある』(幻冬舎)
『おかわりは急に嫌 私と『富士日記』』(素粒社)
『よくわからないまま輝き続ける世界と 気がつくための日記集』(大和書房)刊行記念 - 08/13 Wed 小島雄一郎×吉田将英
「拗らせたおじさん二人が考える『選べない』時代の生き方」
『「選べない」はなぜ起こる?』(サンマーク出版)刊行記念 - 08/31 Sun 小川公代×中村隆之
「この世界を生きるための物語と音楽」
『ケアの物語 フランケンシュタインからはじめる』
『ブラック・カルチャー』(岩波書店)刊行記念