情報社会の次には、どのような社会がくるのでしょうか。
本書編著者の井庭崇さんは、次に来るのは「創造社会」(Creative Society)だと考えています。「創造社会」とは、「人々が、自分たちで自分たちのモノや仕組みをつくる社会」のこと。それはすなわち、「自分たちで自分たちの未来を形づくる」ことにほかなりません。
そのような「創造社会」実現のためには、ガチガチに固まってしまっている現状の制度・慣習・固定観念にゆらぎを起こし、閉塞的な状況・空気を打ち破ることが不可欠。そのための有力な方法だと井庭さんが考えているのが、「パターン・ランゲージ」です。
「パターン・ランゲージ」には、ポジティブに未来に向かうための思考やコミュニケーションを促す特徴があります。「パターン・ランゲージ」によって、何がよい未来につながるのかを認識でき、建設的に考えることが可能になり、いきいきとした対話が生まれる、と考えられます。
それは、トップダウン的に大きく仕組みを変えるような大文字の「革命」「改革」ではありません。認識や思考、コミュニケーションのあり方が変わる「新しいメディア」をつくることで、ポジティブな変化を引き起こすことを目指しています。
このような創造社会への事例として今回取り上げたいテーマは、「認知症とともによりよく生きる」。
認知症のご本人やその家族の方がよりよく生きることは、いま認知症とは関わりがない方も含め「認知症とともによりよく生きる」ということでもあります。
現在日本では、軽度の認知障害を持つ方までを含めれば800万人いると言われており、これは65歳以上の約4人に1人に及ぶ率です。つまり、これからは社会に属する誰にとっても、認知症は身近な問題になることは必至でしょう。
そこで、今回のイベントでは、『旅のことば:認知症とともによりよく生きるためのヒント』の「パターン・ランゲージ」について紹介するとともに、これを実際に使って、対話のミニワークショップを実施したいと思います。
この本をすでに読んだという方も、まだ読んでいないという方も、ぜひご参加ください!
【出演者プロフィール】
井庭 崇(いば・たかし)
慶應義塾大学総合政策学部准教授。博士(政策・メディア)。創造活動支援の研究に従事し、さまざまな分野のパターン・ランゲージの作成・実践に取り組んでいる。編著書に『パターン・ランゲージ─創造的な未来をつくるための言語』『社会システム理論─不透明な社会を捉える知の技法』など。NHKのEテレ「スーパープレゼンテーション」で解説を担当(2012年)。
※イベントチケットの予約・購入に関するご案内はこちら。
2015/10/15 Thu -
井庭崇
「認知症時代を生きる知恵=『旅のことば』というパターン・ランゲージ」
『旅のことば 認知症とよりよく生きるためのヒント』(丸善出版)刊行記念
- 04/03 Thu 木村祥一郎×藤原隆充
「遠まわりをした老舗家業の働き方」
『ちいさな会社のおおらかな経営』(主婦の友社)刊行記念 - 04/04 Fri 北村浩子×マライ・メントライン
「“日本語は難しい”と日本人は言うけれど? 」
『日本語教師、外国人に日本語を学ぶ』(小学館)刊行記念 - 04/05 Sat 清田隆之×大島育宙「正しさの一歩外で考える、「俺たち」と「恋愛」の現在地」『戻れないけど、生きるのだ 男らしさのゆくえ』(太田出版)刊行記念
- 04/06 Sun 栗田隆子×武田砂鉄「「働けない人」と「働けた人」で考える──わたしたちの社会と労働のいびつな関係」『「働けない」をとことん考えてみた。』(平凡社)刊行記念
- 04/07 Mon 藤原ヒロシ×皆川壮一郎×嶋浩一郎
「無駄と余白と奥行きと」 - 04/09 Wed 藤澤ゆき×石田真澄×野村由芽
「手を動かしながら生きていく」
『わたしを編む つくる力を、手のうちに YUKI FUJISAWA制作日記』刊行記念 - 04/10 Thu 藤津亮太×前島賢
「頼まれなくたって、語ってやる!」
『富野由悠季論』(筑摩書房)刊行記念 - 04/11 Fri 宮崎晃吉×川口瞬×内沼晋太郎
「これからの小さな出版と、本の届け方」
『最小文化複合施設』(HAGISO)出版記念 - 04/12 Sat きださおり× 明円卓 × 藤井颯太郎
「What shall we do here? この場所で何するナイト」 - 04/13 Sun 安達茉莉子×長島有里枝
「リアルライフでフェミニズムを生きるわたしたち」
『あなたのフェミはどこから?』(平凡社)刊行記念 - 04/15 Tue 西寺郷太×高橋芳朗「J-POP丸語り」『J-POP丸かじり』(ソウ・スウィート・パブリッシング)刊行記念
- 04/17 Thu ゲッツ板谷×新保信長×原カントくん
「自分のことってどう書けばいいのか? 」
『ともだち』(徳間書店)刊行記念 - 04/18 Fri 土佐有明×石川浩司×蔦木俊二
「イカ天とバンドを続けることとあの頃の話」
『イカ天とバンドブーム論』(DU BOOKS)刊行記念 - 04/20 Sun フィクショネス 文学の教室
『金閣寺』『美しい星』を
3ヶ月かけてじっくりと読む - 04/20 Sun 金川晋吾×柴崎友香×小田原のどか
「80年目、爆心地・長崎の写真と言葉」
『祈り/長崎』(書肆九十九)刊行記念 - 04/21 Mon 甲谷 一×佐藤浩二
「プロデザイナーが考える
“ロゴデザイン”のちょっと深い裏話」
『カンタンでちょっぴり深いロゴづくり』
(エムディエヌコーポレーション)刊行記念 - 04/23 Wed 鈴木涼美×紗倉まな×原カントくん
「動物になりきれない、愛しい人間たちの“欲望”」
『ノー・アニマルズ』(ホーム社)刊行記念 - 04/25 Fri とれたてクラブ×ゆっきゅん×潟見陽「こういう物語をずっと待ってた」『なかよしビッチ生活』(エトセトラブックス)刊行記念
- 04/26 Sat 少年アヤ×なま×野口理恵
「なにでもないわたしでいられますように」
『わたくしがYES』『USO 6』『生きる力が湧いてくる』トリプル刊行記念 - 04/30 Wed 古舘佑太郎×又吉直樹
「旅と文」
『カトマンズに飛ばされて 旅嫌いな僕のアジア10カ国激闘日記』(幻冬舎)刊行記念 - 05/18 Sun ひうらさとる×小川奈緒
「50代からの軽やかな”旅”と”伝え方”」
『58歳、旅の湯かげん いいかげん』
『伝え上手になりたい』(扶桑社)W刊行記念