1980年生まれの若き進化心理学者アレックス・メスーディは、「文化」も生物進化の産物であるという視点から、生物進化の分析によって発達した概念や数理モデル、統計的手法を援用し、文化のダイナミズムを解明する「文化進化論」(Cultural Evolution)を推し進めている。その目論みは壮大で、「進化論」による人文・社会・自然科学の「統合」を、大胆にも提唱している。
「系統樹思考」と「分類思考」の二刀流で、過去から現在にいたる地球上の生物多様性を研究、ならびに文理を超えた文献を狩猟し、体系化を図る博覧強記の進化生物学者・三中信宏氏と、『理不尽な進化』で、「絶滅」という観点から「進化論」に新たな光を投げかけるとともに、「学問」としての進化論と「イメージ」としての進化論を線引きして、一般教養レベルを大いに底上げした文筆家・吉川浩満氏をお招きして、本書の魅力、また「文化進化論」の今後を語りつくす。
【出演者プロフィール】
三中信宏(みなか・のぶひろ)
1958年京都生まれ。東京大学大学院農学系研究科博士課程修了。農学博士。国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構ユニット長ならびに東京大学大学院農学生命科学研究科教授。著書に『系統樹思考の世界』『分類思考の世界』『系統樹曼荼羅』ほか。専門は、進化生物学・生物統計学。主として、系統樹の推定方法に関する理論を研究。Twitter @leeswijzer
吉川浩満(よしかわ・ひろみつ)
文筆家。慶應義塾大学総合政策学部、国書刊行会、ヤフーを経て、現職。著書に『理不尽な進化』『心脳問題』『問題がモンダイなのだ』ほか。関心は哲学/科学/芸術、犬猫鳥、デジタルガジェット、単車、映画、ロックなど。卓球愛好家。 Twitter @clnmn
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