デザイナー、画家、映画監督、写真家、演出家、詩人・・・・・・美大、芸大の教壇にたつ12人のつくり手たちが一冊の本を通じ、「表現」の背骨をあぶり出すことを試みました。その試みが結実した『芸術の授業 BEHIND CREATIVITY』の刊行を記念し、美大の授業を疑似体験できるイベントを企画します。
表現には、作品のテーマや形態に関わらず、つくり手がこの社会をどう見ているのか、そしてどう切り取ったのかが反映されます。しかし、それはデザインソフトの使い方やデッサンの技術といった“スキル”とは違う種類のもの。そんなもの他人に教えることなどできるのでしょうか? 問われているのは、つくり手の同時代に対する姿勢です。
オリンピックのエンブレム問題も、ドラマや映画で煙草をふかすシーンが少なくなったことも、ナチスのユダヤ人大量虐殺には〈デザイン〉が効果的に使われていたことも、表現と社会は常に隣り合わせにあることを表しています。あなたも普段の生活で、身のまわりのちょっとした社会の変化に既に気付いていると思います。だから、話してみませんか?
何にも縛られず、自由の象徴と考えられてきた〈デザイン〉や〈アート〉も実のところ、いまの時代の「暗黙知」のうえに立ってこそ、はじめて成立可能となるものなのかもしれません。それでは、つくり手の表現を規定している暗黙知とはなんでしょう? 同時代の表現について、「暗黙知」「タブー」から考え始めてみたいと思います。案内役はつくり手でもあり、多摩美の教壇にも立つ3人の著者が務めます。
【著者プロフィール】
中村寛(なかむら ゆたか)
多摩美術大学准教授。専門は文化人類学で、「周縁」における暴力や社会的痛苦、差別と同化のメカニズム、コミュニケーションなどのテーマに取り組む一方、「人間学工房」を通じてさまざまなジャンルのつくり手たちと文化運動を展開する。著書に『残響のハーレム-ストリートに生きるムスリムたちの声』(共和国,2015)がある。
佐藤直樹(さとう なおき)
1994年、『WIRED』日本版創刊にあたりアートディレクターに。1998年、アジール・デザイン(現Asyl)設立。数多くの雑誌、イベント、宣伝物等をデザイン。2003~10年、アート・デザイン・建築の複合イベント「セントラルイースト東京(CET)」をプロデュース。2010年、民間設立のアートセンター「アーツ千代田 3331」の立ち上げに参画。美学校講師、多摩美術大学教授。
石田尚志(いしだたかし)
画家、映像作家。ドローイングアニメーションやパフォーマンスによって、絵画が生まれる時間を作品化する。主な展覧会に「渦まく光」横浜美術館、沖縄県立博物館・美術館(2015)、「二夜展」神奈川県立近代美術館鎌倉(2015)。多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科准教授。
※イベントチケットの予約・購入に関するご案内はこちら。
2016/05/11 Wed -
中村寛×佐藤直樹×石田尚志
「芸術・暗黙知・タブー」
『芸術の授業 BEHIND CREATIVITY』(弘文堂)刊行記念
- 07/04 Fri 富川岳×ドミニク・チェン×桜井祐
「懐かしい異界へ。人ならざるものと共に生きる」
『シシになる。──遠野異界探訪記』(亜紀書房)刊行記念 - 07/05 Sat 岡本敬子×岡本仁
「ふたりへの質問エクストラ 」
『私のふたり暮らし』(光文社) - 07/05 Sat 武田砂鉄×石村博子×舛友雄大
「ノンフィクションの現在地」
Presented by 講談社本田靖春ノンフィクション賞 - 07/06 Sun あきやあさみ×竹村優子
「服と仕事と私~制服化スタイリストと編集者の場合」 - 07/09 Wed 緊急開催!香田有希×田上智子×YOM YOM PR CLUB
「カンヌライオンズPR部門審査員と考える、変化を起こすPRパーソンとは」 - 07/10 Thu 星田英利×フルーツポンチ村上健志×日下怜奈×トット桑原雅人×あわよくばファビアン×ピストジャム
「第一芸人文芸部 俺の推し本。」(BSよしもと)
第13回公開収録 - 07/11 Fri 星野文月×竹中万季×野村由芽
「それぞれの日記のなかにある、人との距離や関係性」
『不確かな日々』(ひとりごと出版)
刊行記念 - 07/12 Sat 西尾康之×斎藤環
「『不死』の時代とは?:アーティストと精神科医が語り尽くす」
『不死』(くま書店)刊行記念 - 07/13 Sun 柴田元幸×惠愛由
「あなたをみている」
『体の贈り物』(twilillight) 復刊記念 - 07/13 Sun 服部円×長崎訓子
「身近なネコをよく知り、
イラストにするワークショップ」
『ネコは(ほぼ)液体である』
(KADOKAWA)刊行記念 - 07/14 Mon 【全6回】連続講座 鈴木涼美「夜の読書室」Vol.3
- 07/15 Tue 松尾潔×丸屋九兵衛
「90年代R&Bとは何だったのか? 」
『松尾潔のメロウなライナーノーツ』(リットーミュージック)刊行記念 - 07/16 Wed 三宅陽一郎×清木 昌
「ゲームデザイン、人工知能、数学――レトロゲームから未来まで」
『数学がゲームを動かす!』
(日本評論社)刊行記念 - 07/18 Fri 阿部恭子×インベカヲリ★
「家族という密室で何が起きているのか」
『近親性交―語られざる家族の闇』(小学館)刊行&重版記念 - 07/19 Sat 滝口悠生×佐々木敦
「ことばの即興力
ーーいかに書き進めていくか?」
『「書くこと」の哲学 ことばの再履修』
(講談社)刊行&重版記念 - 07/21 Mon 沢山遼×山本浩貴×岩渕貞哉
「岡﨑乾二郎、そしてモダニズムをいま、考える」
『美術手帖 2025年7月号 特集「岡﨑乾二郎」』(美術出版社)刊行記念 - 07/22 Tue 周司あきら×杉田俊介
「語られにくいミサンドリー(男性嫌悪)から『男』の話をしよう」
『ラディカル・マスキュリズム』(大月書店)
『男性学入門』(光文社)W刊行記念 - 07/23 Wed 椎名基樹×せきしろ
「バカサイトークライブ」 - 07/24 Thu 米澤渉×ひろのぶと株式会社
「踊る阿呆たちの本づくり」
『踊る阿呆の世界戦略』(ひろのぶと株式会社)
刊行記念 - 07/26 Sat 水上文×清水晶子
「ここにも、そこにも、どこにでも:日本語圏と英語圏のクィアポリティクスを辿って」
『クィアのカナダ旅行記』(柏書房)刊行記念 - 07/27 Sun 太田充胤×山本ジャスティン伊等×山本浩貴
「こんなにも踊りたい、私たちの魂について」
『踊るのは新しい体』(フィルムアート社)刊行記念 - 07/28 Mon 金原ひとみ×朝吹真理子×山中瑶子
「韓国と出会って考えたこと」
新文芸誌『GOAT meets』(小学館)刊行記念 - 07/29 Tue 枝優花×平井珠生
「ラジオでしゃべるって、こんなにむずかしくて、たのしい。」 - 07/30 Wed 梶原阿貴×高橋伴明
「家族とジェンダーと革命」
『爆弾犯の娘』(ブックマン社)
刊行記念 - 08/04 Mon 古賀及子×菊地朱雅子×北野太一×油利可奈
「生活を(書き)続けるために」
『巣鴨のお寿司屋で、帰れと言われたことがある』(幻冬舎)
『おかわりは急に嫌 私と『富士日記』』(素粒社)
『よくわからないまま輝き続ける世界と 気がつくための日記集』(大和書房)刊行記念 - 08/11 Mon 豊﨑由美×宇野和美
第94回「読んでいいとも! ガイブンの輪」 - 08/13 Wed 小島雄一郎×吉田将英
「拗らせたおじさん二人が考える『選べない』時代の生き方」
『「選べない」はなぜ起こる?』(サンマーク出版)刊行記念 - 08/31 Sun 小川公代×中村隆之
「この世界を生きるための物語と音楽」
『ケアの物語 フランケンシュタインからはじめる』
『ブラック・カルチャー』(岩波書店)刊行記念