1984年に開かれたハッカーズカンファレンスにおいて、ホールアース・カタログの編集者であったスチュアート・ブランドは、「情報はフリーになりたがる(Information want to be free)」と、予言的な言葉を残した。
時は2016年、インターネットの浸透によって、いよいよ情報はタダ同然になってしまった。
まさに、予言は実現したと言える。
手元のスマホを開けば、情報が洪水のように流れては消えていくこの現実を、当時誰が予想しえただろうか?
しかし、スチュアートブランドは、こうも語っていた--
「一方において、情報は高価になりたがる。なぜなら、非常に価値のあるものだからだ。適切な場所に置かれた適切な情報は、人々の人生を変え得る。(中略)つまり相反する2つの方向性が存在しているのである。」(『メディアラボ』)
この予言が正しいとして、では、現代において「人々の人生を変え得る」「高価な」情報とは何か?
「適切な場所」とはいったいどこにあるのか?
これだけ情報が氾濫している時代に、分厚い書籍を読むこと、海外の進んだ思想を取り入れること、自分の頭で考え、新しい問いを立てることの意味とは?その価値とは?
あるいは、新しい考えを紹介する、編集者や翻訳者のこれからの社会的役割とは?
『FREE』『SHARE』『MAKERS』、最近ではケヴィン・ケリーの新著『<インターネット>の次に来るもの』の刊行など、未来社会のヴィジョンを捉えた書籍を最前線で出版し続けている松島氏と、イノヴェイションの本質に迫る問いを発信し続けているWIRED日本版の編集長である若林氏とをお呼びして、現代において、価値ある情報とは何か?人生を変えるほどの情報とは何か?また、それを編集すること、海外の考え方を翻訳し続けることの意味とこれからの可能性について、一緒に考えてみたい。
(出演)
松島倫明氏 (書籍編集者/NHK出版 放送・学芸図書編集部編集長)
翻訳書の版権取得・編集・プロモーションなどを幅広く行う。手掛けたタイトルは、ケヴィン・ケリー氏の新刊の他、デジタル社会のパラダイムシフトを捉えたベストセラー『FREE』『SHARE』『MAKERS』や、2015年ビジネス書大賞『ZERO to ONE』、近刊『シンギュラリティは近い[エッセンス版]』など多数。
若林恵氏(『WIRED』日本版編集長)
WIRED日本版編集長。ロンドン、ニューヨークで幼少期を過ごす。早稲田大学卒業後、平凡社に入社。『月刊太陽』の編集に携わる。2000年に独立し、雑誌、フリーペーパー、企業広報誌、展覧会の図録、書籍の編集を手がける。『WIRED』では、企業の経営、事業開発にも携わり、編集者としての枠を超え、様々なジャンルでイノベーションを牽引。テクノロジーの進化を通して、カルチャーから、サイエンス、ビジネス、医療、エンターテインメントまで、社会のあらゆる事象を斬る。
廣田周作(電通ビジネス・クリエーション・センター cotas.jp編集長):聞き手
放送局でのディレクター経験を経て、2009年に電通入社。現在、ビジネス・クリエーション・センター事業開発室に所属。グローバル規模でのイノベーションリサーチを元に、企業のブランドコンサルティング、新規事業開発プロジェクトなどを手掛けている。電通モダン・コミュニケーション主宰。電通総研が運営するカルチャーメディア『cotas.jp』編集長。
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2016/09/17 Sat -
松島倫明×若林恵×廣田周作
「編集の未来と、新しい可能性松島倫明氏(NHK出版)と、若林恵氏(『WIRED』日本版編集長)と一緒に考える」
- 05/18 Sun フィクショネス 文学の教室
『金閣寺』『美しい星』を
3ヶ月かけてじっくりと読む - 05/18 Sun ひうらさとる×小川奈緒
「50代からの軽やかな”旅”と”伝え方”」
『58歳、旅の湯かげん いいかげん』
『伝え上手になりたい』(扶桑社)W刊行記念 - 05/19 Mon 永谷亜矢子×嶋浩一郎
「なぜあの観光地は選ばれるのか? 」
『観光"未"立国』(扶桑社)刊行記念 - 05/20 Tue 鈴木成一×大島依提亜×大久保明子
「“良い装丁”ってなんだろう?」
『【全5回】本屋B&B 超実践 装丁の学校 ファイナル』開校記念 - 05/21 Wed 浜島直子×一田憲子
「感情を言葉にすること」
『キドアイラク譚』
『もっと早く言ってよ。』(扶桑社)W刊行記念 - 05/23 Fri 大塚ひかり×春画ール
「歴史から悪意の本質を考える 」
『悪意の日本史』(祥伝社)刊行記念 - 05/24 Sat 森本淳生×鈴木亘×藤山直樹
「人文学から見る落語/落語から見る人文学」
『落語と学問する』(水声社)刊行記念 - 05/25 Sun アキラ・ザ・ハスラー×小沼理
「ぼくたち、今日は明るい話をしよう。」
『売男日記』(loneliness books)復刊記念 - 05/28 Wed 奇妙礼太郎×伊藤亜和『オールウェイズ』(ZINE)『わたしの言ってること、わかりますか。』(光文社)W刊行記念
- 05/29 Thu 中本千晶×早花まこ
「読む“タカラヅカ”の魅力」
『相克のタカラヅカ』(春風社)刊行記念 - 05/30 Fri 堀井美香×今井雄紀×嶋浩一郎
「ラジオの先輩に聞いてみよう! ラジオの魅力と聞く力」 - 05/31 Sat 白石正明×牟田都子
「ケアと校正」
『ケアと編集』(岩波書店)刊行記念 - 06/01 Sun 濱中淳子×伊藤賀一
『大学でどう学ぶか』
『もっと学びたい!と大人になって思ったら』
(筑摩書房)W刊行記念 - 06/02 Mon 秋吉健太×中村貞裕
「“編集力とミーハー力” 。“好き”を仕事にする技術——編集者と経営者、それぞれの視点から」
『原点回帰 山田孝之、新しいコミュニティをつくる』(blueprint)刊行記念 - 06/03 Tue 穂村弘×脇田あすか×木村亮×筒井菜央
「『コトアム』と短歌アンソロジーから広がる”編む”を”読む”楽しさ」
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「演劇のつくり方 〈もっと〉 教えます」
『舞台が幕を開けるまで』(大修館書店)刊行記念 - 06/18 Wed 小笠原鳥類×広瀬大志×黒崎晴臣
「おお、限りなく現代の詩人たち」
『おお、限りなく懐かしい動物たち』(ライトバース出版)刊行記念