深い因縁関係にありながらも、これまであまり関係性を論じられることのなかった三島由紀夫と谷崎潤一郎。
鈴村和成さんの話題作『三島SM谷崎』では、サディズム(S)マゾヒズム(M)の視点から、二人の素顔を論じています。
谷崎作品に重ねられる三島の実生活、三島作品と谷崎作品に登場する女性の共通性、死を選んだ三島と生を選んだ谷崎の分岐点など、今までにない関係性に着眼した比較評論です。
トークショーでは、ゲイ雑誌『薔薇族』の元編集長伊藤文學さんをお招きし、『三島SM谷崎』について刺激的な対談を繰り広げて頂きます。
本書でも言及されている、三島由紀夫が別名義で書いたとされる『愛の処刑』の映画化もした伊藤さん。
トークショーでは、同時期に書かれた小説「憂国」と、その映画化された作品にも、対談の射程を届かせる予定です。
本書の一つのテーマであるLGBTと文学との関係にも深く踏み込んだ話が聞けるかもしれません。
三島と谷崎の作品、評伝の分析によって二人を比較した著者鈴村和成と、LGBTやSMについて文化的に触れてきた伊藤文學。全く違う視点を持った二人によって語られる「三島SM谷崎」は予測不可能です。
どうぞお楽しみ下さい。
【出演者プロフィール】
鈴村和成(すずむら・かずなり)
一九四四年、名古屋市生まれ。東京大学仏文科卒。同修士課程修了。横浜市立大学教授を経て、同名誉教授。文芸評論家、フランス文学者、紀行作家。
評論に――『バルト テクストの快楽』(講談社)、『小説の「私」を探して』(未來社)、『ランボー、砂漠を行く アフリカ書簡の謎』(岩波書店)、『愛について プルースト、デュラスと』(紀伊國屋書店)、『テロの文学史 三島由紀夫にはじまる』(太田出版)など。
紀行に――『ランボーのスティーマー・ポイント』(集英社)、『金子光晴、ランボーと会う マレー・ジャワ紀行』(弘文堂)、『ヴェネツィアでプルーストを読む』(集英社)、紀行小説『ランボーとアフリカの8枚の写真』(河出書房新社、藤村記念歴程賞)など。
村上春樹論に――『村上春樹とネコの話』(彩流社)、『紀行せよ、と村上春樹は言う』(未來社)、『村上春樹は電気猫の夢を見るか?』(彩流社)など。
翻訳に――デリダ『視線の権利』(哲学書房)、フレデリック・クレマン『アリスの不思議なお店』(紀伊國屋書店)、『ランボー全集 個人新訳』(みすず書房)ほか。
伊藤文學(いとう・ぶんがく)
1932 年東京生まれ。駒澤大学文学部国文科卒。出版社の経営者、雑誌編集者。日本初のゲイ雑誌『薔薇族』の創刊者・編集長。祖父は救世軍士官で廃娼運動(女郎の解放運動)をおこなった伊藤富士雄、父は第二書房の創立者である伊藤禱一。先妻は前衛舞踏家の伊藤ミカ。趣味は西洋アンティークや古着の収集で、ロマンの泉美術館の設立、同館での蔵書票の展示などにも携わった。
ノンフィクションに――『ぼくどうして涙がでるの』(伊藤紀子との共著、第二書房)、『裸の女房-60年代を疾風のごとく駆け抜けた前衛舞踊家・伊藤ミカ』(彩流社)
『薔薇族』関連書籍に――『扉を開けたら ロマンの泉美術館物語』(ロマンの泉美術館)、『薔薇ひらく日を-『薔薇族』と共に歩んだ30年』(第二書房)、『編集長「秘話」』(文春ネスコ、2001年、のち『「薔薇族」編集長』と改題され幻冬舎アウトロー文庫)、『『薔薇族』の人びと-その素顔と舞台裏』(河出書房新社)、『薔薇よ永遠に-薔薇族編集長35年の闘い』(九天社)、『やらないか!-『薔薇族』編集長による極私的ゲイ文化史論』(彩流社)、『【オトナのぬりえ】 やらないか!』(伊藤文學監修、彩流社)、ほか多数
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2016/10/08 Sat -
鈴村和成×伊藤文學
「三島SM谷崎VS薔薇族」
『三島SM谷崎』刊行記念
- 10/03 Fri 鈴木大介×石田月美×大嶋栄子
「当事者とパートナーにとってのより良い支援のために 」
『好きで一緒になったから』(晶文社)刊行記念 - 10/04 Sat 笹公人×天久聖一
「短歌はじめて物語」
『念力物語』(笠間書院)刊行記念 - 10/07 Tue ワクサカソウヘイ×男性ブランコ平井まさあき
「旅ってなんだろう?」
新文芸誌『GOAT meets』(小学館)重版記念 - 10/08 Wed 田中俊行×三鹿灯
「呪物コレクター田中俊行の最新呪物とその奇妙な生活」
『呪物蒐集録 Ⅱ』
『ぼくと呪物の奇妙な生活 闇の契約編』(竹書房)W刊行記念 - 10/09 Thu 國友公司×室橋裕和
「一人旅の流儀」
『ワイルドサイド漂流記 歌舞伎町・西成・インド・その他の街』(文藝春秋)刊行記念 - 10/11 Sat 高妍(Gao Yan)×菅原慎一
「あと何回、満月を見られるだろう」
高妍 Gao Yan ドローイング展『滿月』
at BONUS TRACK GALLERY 2 開催記念 - 10/12 Sun 川添愛×スケザネ
「“パンチライン”の見つけ方/愛で方」
『パンチラインの言語学』(朝日新聞出版)刊行記念 - 10/13 Mon 坂口涼太郎×タケト×銀シャリ鰻和弘×バイク川崎バイク×あわよくばファビアン×ピストジャム
「第一芸人文芸部 俺の推し本。」(BSよしもと)
第16回公開収録 - 10/15 Wed 森見登美彦×照山朋代
「ちょっと変わった本をつくっているので制作風景をお届け&森見さんの最近の徒然」
『宝島』(ミモザブックス)刊行決定記念 - 10/18 Sat 杉田俊介×頭木弘樹
「〈痛み〉を理解するための言葉」
『鬱病日記』(晶文社)
『痛いところから見えるもの』(文藝春秋)W刊行記念 - 10/19 Sun フィクショネス 文学の教室
『侍女の物語』を2ヶ月かけてじっくりと読む - 10/21 Tue 香山哲
「9/2サイン会・10/21トークイベント」
『スノードーム』(生きのびるブックス)刊行記念 - 10/25 Sat 鄭執×関根謙
「物語は変容する~中国東北マジックリアリズムの世界と青春文学」
『ハリネズミ・モンテカルロ食人記・森の中の林』(アストラハウス)第11回日本翻訳大賞受賞記念 - 10/26 Sun 加藤泉×牧信太郎
「加藤泉の制作と生活ーー特集後記的雑談」
『美術手帖 2025年10号・特集「加藤泉」』(美術出版社)刊行記念 - 10/27 Mon 花田優一×小林邦宏×原カントくん
「旅するカルチャートーク『たびかるジャンクション』公開収録」 - 10/29 Wed 高橋國光×マンスーン×吉田棒一
「平成インターネットと令和文学」
新文芸誌『GOAT meets』(小学館)重版記念 - 10/30 Thu 志良堂正史×古田雄介
「小さな歴史を書くこと、読むこと」
『他人の手帳は「密」の味: 禁断の読書論』(小学館)刊行記念 - 10/31 Fri 宮部浩幸×加藤耕一
「リレーとしての建築を語る」
『リレーとしての建築 リノベーションの実践と思想』(学芸出版社)刊行記念 - 11/01 Sat 齋藤陽道×春日晴樹×天沼陽子×橋本一郎
「石神井ろう学校のハルとはるが語る、ろう者の世界。」
『つながりのことば学』(NHK出版)
『はるの空と風』(ジアース教育新社)W刊行記念 - 11/10 Mon 中前結花×古賀史健
「書き手は“休まず、毎日書き続ける”しかないのか?」
『ミシンは触らないの』(hayaoki books)刊行記念 - 11/15 Sat 細馬宏通×ヤマダトモコ×宮本大人
「マンガはうたう 声にむずむずする身体」
『マンガはうたう』(青土社)刊行記念 - 11/18 Tue 栗原康×角幡唯介
「探検としてのアナキズム」
『アナキズムQ&A』(筑摩書房)『43歳頂点論』(新潮社)W刊行記念 - 11/22 Sat 高橋久美子×アフロ
「音と言葉の響き合うところ」
『いい音がする文章』(ダイヤモンド社)
『東京失格』(実業之日本社)W刊行記念 - 11/30 Sun ひろたあきら×みきちゃん(ぽるぽるふぁみりー)
「絵本つくっちゃった!」
『おとしちゃったぞう』(303BOOKS)刊行記念 - 12/20 Sat 第94回「読んでいいとも!ガイブンの輪
年末特別企画
オレたち外文リーガーの自信の1球と来年の隠し球 vol.14