ひとが人生の9割をその中で過ごすという建物は、日々なにごとかを話しかけてきている。それ自体は動かない「器」である建築の中を人が動くとき、建築も動き始める。そんな、建築が発しているメッセージに耳を傾けようとする本が二冊、昨秋ほぼ同時期に刊行されました。
『未来をつくる建築100(TEDブックス)』(マーク・クシュナー著)で世界中の多彩な建物の前に掲げられた「看板」を通訳しているのが訳者の牧さんだとしたら、光嶋さんは『これからの建築 スケッチしながら考えた』でそれら建物の中に歩み入り体が感じたことを言葉で「スケッチ」しているかのよう。まさに、建築という「同じ山脈を違ったルートから登っている同志」(後者プロローグより)のようなお二人です(しかも同じ学科出身!)。
住宅や学校といった身近な建築から、スタジアムや空港といった巨大な建築まで、未来の社会空間を彩りあるものにしていくために、人間は建築に何を問いかけ、建築から人間は何を聴きとればいいのか——アイデアに満ちた世界各国の面白い建築を題材にして、建築家の光嶋さんと、建築の魅力を海外に発信している牧さん、お二人が視点を交えることで、建築が持っている〈言葉〉が浮かび上がってくるでしょう。
光嶋裕介(こうしま・ゆうすけ)
建築家。一級建築士。1979年、アメリカ、ニュージャージー州生まれ。8歳までアメリカで育ち、中学卒業まで日本とカナダ、イギリスで過ごす。1995年、単身帰国。2002年、早稲田大学理工学部建築学科を卒業し、大学院は石山修武研究室へ。2004年、大学院修了とともにドイツの建築設計事務所で働き、ベルリンで暮らす。2008年に帰国し、光嶋裕介建築設計事務所を開設。2010年、思想家の内田樹氏の自宅兼道場(合気道)の設計を依頼され、翌2011年、建築家としての処女作、《凱風館(がいふうかん)》を神戸に完成。SDレビュー2011に入選。主な作品に《レッドブル・ジャパン・本社オフィス(青山、2012)》、《如風庵(六甲、2014)》、《旅人庵(京都、2015)》など。著書に『みんなの家。~建築家一年生の初仕事』(アルテスパブリッシング)、『建築武者修行~放課後のベルリン』(イースト・プレス)など多数。2012〜15年まで、首都大学東京にて助教をつとめ、現在は神戸大学にて、客員准教授。
牧忠峰(まき・ただみね)
1974年生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業、同大学院修了。専攻は日本建築史。建設会社勤務の後、日本の伝統建築の良さを海外に伝えるために翻訳業に転身。主な専門は建築や観光だが、環境系やマーケティング系など幅広くカバーする。日常業務のかたわら、ウェブサイトart.kyoto.jpで、日本の古建築や庭園の魅力を発信。
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2017/02/25 Sat -
光嶋裕介×牧忠峰
「建築は何を語っているのか?」
『これからの建築』(ミシマ社)
『未来をつくる建築100』(朝日出版社)W刊行記念
- 03/20 Thu トイアンナ×祖父江里奈×メン獄
「えらくならずにお金がほしい〜今の会社を辞めずに生き抜くために」
『えらくならずにお金がほしい』(大和書房)刊行記念 - 03/21 Fri 又吉直樹×NON STYLE石田明×ジャルジャル福徳秀介×9番街レトロ京極風斗×あわよくばファビアン×ピストジャム
「第一芸人文芸部 俺の推し本。」(BSよしもと)
第十回公開収録 - 03/22 Sat 佐伯ポインティ×みくのしん
「ポインティとみくのしんのごきげんお悩み相談室!」
『おいでよ ポインティの相談天国』(祥伝社)刊行記念 - 03/23 Sun 柴崎友香×小林エリカ
「複数の声を小説として書く」
『遠くまで歩く』(中央公論新社)刊行記念 - 03/24 Mon 渡辺幸光×北川佳孝×嶋浩一郎「デジタル化するPR最前線を語ろう! 人間力が勝負のPRパーソンとテクノロジーの付き合い方」『なぜ御社の広報活動は成果が見えないのか? 』(宣伝会議)刊行記念
- 03/26 Wed 澤円×関戸大「次世代に知ってもらいたい“話し方” 」『うまく話さなくていい』(プレジデント社)刊行記念
- 03/27 Thu 宮後優子×泉美菜子
「アートブックの編集・デザイン・出版について」
『作品集のつくりかた』(BNN)刊行記念 - 03/28 Fri アトオシとデザイン(永井弘人)
「デザイン仕事。リアルな困難を乗り越えた方法。
表に出せない、デザイナーの話」
『デザイナーのスキルアップ大全』
(エムディエヌコーポレーション)刊行記念 - 03/29 Sat 管啓次郎×木内久美子×関島種彦×仲野麻紀
「ヘテロトピアに響く声と音 朗読と音楽と対話の夕べ」
『ヘテロトピア集』(コトニ社)刊行記念 - 03/30 Sun 雁屋優×勅使川原真衣
私が私のままで生存できる社会のために
『マイノリティの「つながらない権利」』(明石書店)
『格差の"格"ってなんですか?』(朝日新聞出版)W刊行記念 - 03/31 Mon 塙幸枝×小川公代 「映画と障害のつながりを“ケア”するために」 『スクリーンのなかの障害』(フィルムアート社)刊行記念
- 04/03 Thu 木村祥一郎×藤原隆充「遠まわりをした老舗家業の働き方」『ちいさな会社のおおらかな経営』(主婦の友社)刊行記念
- 04/04 Fri 北村浩子×マライ・メントライン「“日本語は難しい”と日本人は言うけれど? 」『日本語教師、外国人に日本語を学ぶ』(小学館)刊行記念
- 04/05 Sat 清田隆之×大島育宙「正しさの一歩外で考える、「俺たち」と「恋愛」の現在地」『戻れないけど、生きるのだ 男らしさのゆくえ』(太田出版)刊行記念
- 04/06 Sun 栗田隆子×武田砂鉄「「働けない人」と「働けた人」で考える──わたしたちの社会と労働のいびつな関係」『「働けない」をとことん考えてみた。』(平凡社)刊行記念
- 04/09 Wed 藤澤ゆき×石田真澄×野村由芽
「手を動かしながら生きていく」
『わたしを編む つくる力を、手のうちに YUKI FUJISAWA制作日記』刊行記念 - 04/10 Thu 藤津亮太×前島賢
「頼まれなくたって、語ってやる!」
『富野由悠季論』(筑摩書房)刊行記念 - 04/11 Fri 宮崎晃吉×川口瞬×内沼晋太郎「これからの小さな出版と、本の届け方」『最小文化複合施設』(HAGISO)出版記念
- 04/12 Sat きださおり× 明円卓 × 藤井颯太郎
「What shall we do here? この場所で何するナイト」 - 04/15 Tue 西寺郷太×高橋芳朗「J-POP丸語り」『J-POP丸かじり』(ソウ・スウィート・パブリッシング)刊行記念
- 04/20 Sun 金川晋吾×柴崎友香×小田原のどか
「80年目、爆心地・長崎の写真と言葉」
『祈り/長崎』(書肆九十九)刊行記念 - 04/21 Mon 甲谷 一×佐藤浩二
「プロデザイナーが考える
“ロゴデザイン”のちょっと深い裏話」
『カンタンでちょっぴり深いロゴづくり』
(エムディエヌコーポレーション)刊行記念 - 04/23 Wed 鈴木涼美×紗倉まな×原カントくん「動物になりきれない、愛しい人間たちの“欲望”」『ノー・アニマルズ』(ホーム社)刊行記念
- 04/25 Fri とれたてクラブ×ゆっきゅん×潟見陽「こういう物語をずっと待ってた」『なかよしビッチ生活』(エトセトラブックス)刊行記念