西荻窪にある雑貨店FALLの店主、三品輝起さんの初の著書『すべての雑貨』(夏葉社)が話題です。FALLは、作家ものの道具や雑貨から、近所の音楽家たちのCD、書籍やアンティークなど、幅広い場所から少し変わったものを集め、週替りで自主企画の展示会を催すギャラリーでもあり、その店内は、チェーン店のショップとは異なる独特の雰囲気を生み出しています。そして、西荻を訪れたらつい立ち寄ってしまうその魅力のひとつに、「三品さんに会いに行く」ということが確実に含まれています。
『すべての雑貨』は、日々入れ替わる商品と陳列風景、ぶらりと訪れては何かを手に取りレジへ、またはそのまま去っていくお客さんたち、そしてあらゆるものが「雑貨」として扱われるようになってきたこの社会の変化を、10年以上にわたってレジの向こう側から観察してきた店主が綴ったエッセイ集です。ひとりの雑貨店主から見た卓抜な消費社会論にして、雑貨によってあぶり出される人間という奇妙な生き物の姿をとらえた観察記でもあり、また、幼年期をめぐる回想を綴った文章には、短篇小説のような味わいもあります。
「雑貨とはなにか、先回りしてせこい答えを用意すれば、雑貨感覚によって人が捉えられるものすべて、ということになるだろう。人々が雑貨だと思えば雑貨。そう思うか思わないかを左右するのが、雑貨感覚である。トートロジーだろうか。」 (『すべての雑貨』収録「半径一メートル」より)
本書の刊行を記念して、普段はレジ向こうで静かに座っている三品さんに大いに語っていただくトークイベントを開催します。トークのお相手として、三品さんの先輩であり、お店の運営にあたって大きな影響と刺激を受けてきたという、Roundabout/OUTBOUNDの小林和人さん、そして本書の企画から出版までを行なった夏葉社の島田潤一郎さんをお招きします。この機会にあなたの雑貨感覚をあらためて検証してみませんか?
※来場者には単行本未収録の三品さんのエッセイを配布します!
【出演者プロフィール】
三品輝起(みしな・てるおき)
1979年、京都府生まれ。愛媛県出身。法政大学経済学部卒業。2005年より西荻窪にて雑貨店「FALL」を経営する。その傍ら音楽活動もおこない、2012年にCD『オフシーズン』(ロンダード)をリリース。同年アウトバウンドにてリリース記念の展示を開催する。2017年4月、初の著書となる『すべての雑貨』(夏葉社)を刊行。
http://fall-gallery.com
小林和人(こばやし・かずと)
1975年、東京都生まれ。幼少期をオーストラリアとシンガポールで過ごす。1999年、多摩美術大学卒業後、国内外の生活用品を扱う店 Roundabout(ラウンダバウト)を吉祥寺にオープン。2008年には、やや非日常に振れた品々を展開する姉妹店OUTBOUND(アウトバウンド)を開店。著書に『あたらしい日用品』(マイナビ)がある。
http://roundabout.to/ http://outbound.to/
島田潤一郎(しまだ・じゅんいちろう)
1976年、高知県生まれ。東京育ち。日本大学商学部会計学科卒業。アルバイトや派遣社員をしながら、ヨーロッパとアフリカを旅する。小説家を目指していたが挫折。2009年9月、夏葉社を創業。著書に『あしたから出版社』(晶文社)がある。http://natsuhasha.com
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2017/06/13 Tue -
三品輝起×小林和人×島田潤一郎
「雑貨化する社会について考える」
『すべての雑貨』(夏葉社)刊行記念
- 06/27 Mon 鳥羽和久「『推し』の文化論ライブ」
- 06/29 Wed 佐々木ののか×青山ゆみこ
「推しと雑談ー私をケアしてくれる本、だけどケアってなんだろう?」
『自分を愛するということ(あるいは幸福について)』(亜紀書房)刊行記念 - 06/29 Wed オスカール・ナカザト×武田千香×福嶋伸洋
「異郷へのサウダージ!?ブラジル文学への招待」
『ニホンジン』(水声社)刊行記念 - 06/30 Thu 島塚絵里×ラウラ・コピロウ
「フィンランドらしい暮らしの楽しみ方」
『フィンランドで気づいた小さな幸せ365日』(パイインターナショナル)刊行記念 - 07/01 Fri 太田秀樹×金田有浩
「いまなぜ “歌謡曲” なのか? その答えは『黄金の6年間』にあり!」
『黄金の6年間 1978-1983 〜素晴らしきエンタメ青春時代』(日経BP)刊行記念 - 07/02 Sat 山崎泰寛×本橋仁×勝原基貴×熊谷亮平×吉江俊
「クリティカル・ワードでめぐる現代建築トーク」
『クリティカル・ワード 現代建築』(フィルムアート社)刊行記念 - 07/03 Sun 松波太郎×青木淳悟×太田靖久×金川晋吾×鴻池留衣×藤田直哉×町屋良平×水原涼
「カルチャーセンターのあとで」
『カルチャーセンター』(書肆侃侃房)刊行記念 - 07/04 Mon シルクロード×明石ガクト×嶋浩一郎
「YouTubeと広告の未来を語ろう」
『YouTube Works Awards Japan 2022』開催記念 - 07/05 Tue 奥野克巳×伊藤雄馬
「森の民に心を奪われることは、現代人にとって何を意味するか?」
『一億年の森の思考法』(教育評論社)刊行記念 - 07/06 Wed 村井理子×東えりか
「本はいつもそばにいる」
『本を読んだら散歩に行こう』(集英社)刊行記念 - 07/07 Thu 福尾匠×鈴木一平
「日記は韻文か」
『日記〈私家版〉』刊行記念 - 07/08 Fri スージー鈴木×川添愛
「桑田佳祐の〝ことば〟を大解剖!」
『桑田佳祐論』(新潮社)刊行記念 - 07/09 Sat 島田雅彦×松浦寿輝×永方佑樹
「憑依する土地――詩の身体」
CŌEM「GeoPossession 声のトポス」スペシャルトークイベント(「現代詩手帖」連動企画) - 07/10 Sun 邵丹×柴田元幸
「1970年代の日本語を求めて」
『翻訳を産む文学、文学を産む翻訳:藤本和子、村上春樹、SF小説家と複数の訳者たち』
(松柏社)刊行記念 - 07/13 Wed 小山田浩子×陳詩遠×二見さわや歌×友田とん
「小説家・物理学者・お菓子屋が明かすそれぞれの<準備>の話」
『代わりに読む人0 創刊準備号』(代わりに読む人)刊行記念 - 07/15 Fri tofubeats×imdkm×有村崚×杉生健
「トーフビーツの出席裁判」
『トーフビーツの難聴日記』(ぴあ)刊行記念 - 07/16 Sat 安達茉莉子×me and you「わたしとあなたが満ち足りるために」『毛布 - あなたをくるんでくれるもの』(玄光社)刊行記念
- 07/17 Sun 志賀信夫×渡辺寛人
「貧困を理論的に考えることについて」
『貧困理論入門』(堀之内出版)刊行記念 - 07/18 Mon 柴田元幸×鈴木博文×直枝政広
「黙ってレコードを聴く会をじっさいにやってみます」
『鑑識レコード倶楽部』(アルテスパブリッシング)刊行記念 - 07/23 Sat 「おかげさまで10周年! 本屋B&Bから愛と感謝のオールナイトパーティー 12時間ぶっ通しリレー放談」
B&B 10TH ANNIVERSARY - 07/31 Sun 渡辺祐真/スケザネ×小津夜景
「言葉の世界をひらく」
『物語のカギ「読む」が10倍楽しくなる38のヒント』
(笠間書院)刊行記念