
本屋B&Bでは、文芸誌『文鯨 第二号』の刊行にまつわるイベントを開催します。
編集部の方からメッセージをいただきました。
ぜひお越しください!
_____________________________
文鯨編集部は、特集として「叫びを翻訳すること」を掲げ、雑誌『文鯨第二号』を刊行しました。今回は、誌面を越えこの特集を考察するため、阿部周一監督『たゆたいながら』を上映し、ゲストを交えトークを行います。
映画『たゆたいながら』(2017)は、東日本大震災時の福島第一原子力発電所事故によって県外へと自主避難を余儀なくされた人々、あるいは県内に留まらざるを得なかった人々を取材したドキュメンタリー映画です。撮影を重ねていくたびに明らかになる自主避難者と非自主避難者のあいだにある「不理解」、そして両者のどちらかを選択をした後、その選択に合わせる形で各々の考え・態度が形成されていく事態に付随する葛藤を語る言葉が断片的に映されています。また、本映画は上映と映画に対するダイアローグの機会を徐々に得ながら、現在も撮影を重ね、映画自体を更新させる試みが行われています。
トークセッションでは文鯨編集部に加え、2人のゲストをお呼びします。
1人目は、本映画の監督を務めた阿部周一さんです。阿部さんは福島から県外へと単身自主避難し、その後、映画監督・原一男のもとで映画を学びました。2人目は、映画『たゆたいながら』にも言及している論考「〈さけび〉が〈語り〉へ変わるとき」(『文鯨』第2号所収)を執筆した渡部純さんです。渡部さんは阿部さんと親交が深く、現在東京大学大学院に通いながら、東日本大震災をはじめとする災禍を経験した方々への聞き取り調査と哲学的理論の往還を通じて、人々が語り合える公共空間の可能性について研究しています。そして文鯨編集部は、今号の特集で語りえぬものの充溢である〈叫び〉のひとつの翻訳先としての〈語り〉――叫びに対面する他者/非当事者への接続(結節)点を増殖させるような〈語り〉のありかを探っています。
今回のイベントでは、この作品を上映し、また誰かに見られる機会を得ることで映画を更新させながら、映画が引き出していた葛藤をかかえる人々の〈語り〉についてトークを行いたいと思います。また、本誌に掲載された〈叫び〉について、誌面を飛び越え、さまざまな距離や立場にいる人々がどのようなルートで応答ができるか、その可能性を考える場にしたいと思います。
__________________________
阿部周一(あべ・しゅういち)
一九九二年福島県福島市生まれ。大阪芸術大学映像学科にてドキュメンタリー映画を学 び、原一男・小林佐智子の指導を受ける。本作が初監督作品であり、第七回座・高円寺ド キュメンタリーフェスティバル・コンペティション部門で入選した。
渡部純(わたなべ・じゅん)
1973 年、福島県会津若松市生まれ。2016 年より福島県立高校教諭を休職し、東京大学大学院総合文化研究科博士課程に在籍。ハンナ・アーレントの思想に寄せながら、「3.11」後 に人々が語り合える公共空間の可能性について考えている。共著に『翼ある言葉−哲学の扉2』(⻘木書店,2002 年)、 『わがままに生きる哲学』(はるか書房,2016 年)。
文鯨編集部
「あたらしい言葉とは何か」の探求をテーマに雑誌『文鯨』を2016年5月に創刊。毎号特集を設け、さまざまな領域の作品や批評より、個人が自由に思考する仕組みや表現の形式を考える実験場となることを目指す。第二号はクラウドファンディングによる支援を受け付け、発刊した。詳細は→http://kujira0208.com Twitter→@kujira0208
イベントのご予約はこちらから!
※イベントチケットの予約・購入に関するご案内はこちら。
2017/11/18 Sat -
阿部周一×渡部純×文鯨編集部
「<叫び>の記録、生まれる<語り>
『たゆたいながら』上映+トーク」
『文鯨 第二号』刊行記念
- 11/24 Mon 鞍田崇×熊井晃史
「『見守る側の創造性』を育む練習場としての公園や広場について」 - 11/26 Wed 古賀及子×暮田真名
「息継ぎする〈ことば〉」
『私は私に私が日記をつけていることを秘密にしている』(晶文社)
『死んでいるのに、おしゃべりしている!』(柏書房)W刊行記念 - 11/28 Fri 猫沢エミ×小林孝延
「手紙だからこそ書けたこと――喪失のあとを生きる」
『真夜中のパリから夜明けの東京へ』(集英社)刊行記念 - 11/29 Sat ◎大森時生×山本浩貴(いぬのせなか座)×内沼晋太郎 「日記・ドキュメンタリー・雑誌」『季刊日記』創刊記念
- 11/30 Sun ひろたあきら×みきちゃん(ぽるぽるふぁみりー)
「絵本つくっちゃった!」
『おとしちゃったぞう』(303BOOKS)刊行記念 - 12/01 Mon 島本理生×鈴木涼美×原カントくん
「恋愛で全てを捨てられない私たちVol.2」 - 12/03 Wed 山﨑晴太郎×小崎奈央子×松本慎平×斉藤千奈津
「多摩エリアに住むこと、はたらくこと、つながること。」
『青い東京』(けやき出版)刊行記念 - 12/05 Fri 西加奈子×鈴木成一
「鈴木成一、西加奈子と本をつくる」
40周年記念展示『鈴木成一書店』開店記念 - 12/06 Sat 紗久楽さわ×溝口彰子
「紗久楽さわと『百と卍』──来し方、そして行く末」
『おんなじものが、違ってみえる 江戸と漫画とボーイズラブと』(フィルムアート社)刊行記念 - 12/07 Sun 鳥トマト×真船佳奈
「ワーママ最低最悪最高!」
『東京最低最悪最高!(3)』(小学館)刊行記念 - 12/08 Mon 桜林直子×ジェーン・スー『となりの雑談』スペシャルトークイベント
- 12/09 Tue 梶谷真司×原田央
「人文学の面白さってなに? 」
『ジブンの世界はジンブンでできている』(ジブンジンブン編集部)刊行記念 - 12/11 Thu 倉田茉美×戸田真琴
Podcast『水割りなあたしたち』
最速イベント!B&Bのお酒を飲み尽くす!?2025年お焚き上げ懺悔ナイト! - 12/12 Fri 鴻上尚史×鈴木成一「装丁家ことはじめ 鈴木成一エピソードゼロ」40周年記念展示『鈴木成一書店』開店記念
- 12/14 Sun くどうれいん
「今年の移動をねぎらおう!」
『もうしばらくは早歩き』(新潮社)刊行記念 - 12/18 Thu 浅生鴨×幡野広志
「仕事が君を選ぶのだ!」
『選ばない仕事選び』(筑摩書房)刊行記念 - 12/19 Fri 髙良真実×穂村弘
「近現代短歌はおもしろい!」
『みんなの近代短歌』
『はじめての近現代短歌史』(草思社)刊行記念 - 12/20 Sat 第94回「読んでいいとも!ガイブンの輪
年末特別企画
オレたち外文リーガーの自信の1球と来年の隠し球 vol.14 - 12/21 Sun シシヤマザキ×井上咲楽
「食がつくる身体について」
『つながるからだ』(光文社)刊行記念 - 12/22 Mon 桜林直子×坂口恭平
「<生きのびる>ための雑談」 - 12/23 Tue 西加奈子×ピース又吉直樹×アキナ山名文和×あわよくばファビアン×ピストジャム
「第一芸人文芸部 俺の推し本。」(BSよしもと)
第18回公開収録 - 12/26 Fri 上野千鶴子×山内マリコ×山本蓮
「地方女子たちの休日」
『地方女子たちの選択』(桂書房)刊行記念 - 12/27 Sat ひらりさ×穂村弘
「いまさらですが、大人入門 」
『まだまだ大人になれません』(大和書房)刊行記念 - 01/09 Fri ガクテンソク奥田×ナイチンゲールダンス中野なかるてぃん&ヤス×しずる純×あわよくばファビアン×ピストジャム
「第一芸人文芸部 俺の推し本。」(BSよしもと)
第19回公開