『混血列島論 ポスト民俗学の試み』は、昨年のサントリー学芸賞を受賞した批評家・金子遊さんの受賞後初となる重要な論集です。
文学、映像、フォークロア研究を交差させながら、太平洋の島嶼という視点で日本列島(ヤポネシア)に宿る文化の混淆性を掘り起こす、新たな民俗学の試みです。
最近では金子さんが翻訳にたずさわったティム・インゴルド著『メイキング』も話題になっています。
対話のお相手は、文芸評論家の安藤礼二さん。
『神々の闘争 折口信夫論』で芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞するなど数々の受賞歴をもつ、折口信夫研究の第一人者です。
近年は、文芸誌「すばる」に「列島祝祭論」を連載しながら、北海道のアイヌ文化を訪ねて二風谷を歩き、八重山諸島のアカマタ・クロマタの祭儀を観察するなど、列島における民俗の古層を考察なさっています。
今回のトークでは、ヤポネシアにさまざまな異質性と重層性をはらんだ、あるがままの「混血列島」を再発見する金子さんの思考と、折口信夫の読解の先に「祝祭」的な日本列島のあり方を見いだす安藤さんの思考が出会います。
金子さんの映像とフィールドワークに裏づけられた論考は、サハリンから北海道、宮古、八重山、台湾まで、異なる文化の邂逅を追っています。
それはサハリンのウィルタやニブフ、北海道のアイヌ、台湾の原住民、インドシナ半島のアカ族など、少数民族の文化に出会うプロセスでもあります。
そのような越境的な文化批評に対して、ブリリアントな安藤さんのどのような言葉が重ねられることになるのか。
今回、初顔合わせとなるお二人ですが、今後のフォークロア研究を予見する重要な対話になること間違いありません。
ぜひともお越し下さい。
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