このたび平凡社ライブラリーに加わる佐藤良明さんの『ニッポンのうたはどう変わったか』は、演歌から宇多田ヒカルにいたるまで、主に戦後の日本のポピュラー音楽の変遷をたどりながら、私たちの心と身体を揺らしてきた「うた」はどのように変わってきたかを徹底解明したベストセラー『J-POP進化論』(1999年)をもとに、21世紀に入ってからのポピュラー音楽研究の進展をふまえて大幅にアップデートした増補改訂版です。
「二〇世紀のロック革命を通過する過程で、ニッポンのうたに、何が起こったのか。その点を、できるだけ音楽的に掘り下げることを、この本はめざしています。産業革命後に出現したハイカルチャー(階級の上の者が正装して〝芸術的〟なコンサートに出かけ、不動の姿勢で音楽の「精神」を享受する)の制度が後退し、メディアを通したサウンドが大衆の心を躍らせる──そんな二〇世紀の時代にあって、ロックを生み出したC(米南部田舎人向けの「ヒルビリー」、後にカントリー・ミュージック)やB(黒人向けの「レイス・ミュージック」、後にリズム&ブルース)の人々とは異なる音楽伝統をもつJの人々が、ロック革命の荒波にさらされながら「うた心」を変化させていった足取りをたどること、これが増補改訂版『J‐POP進化論』のもくろみです。」(第一章より)
本イベントでは、著者の佐藤良明さんにその論旨を解説いただくとともに、同じくポピュラー音楽の仕組みについて、ことばの韻律と音楽の構造、さらに身体動作がもたらす相互作用を照らし合わせながら独自の分析されている細馬宏通さんをゲストに迎え、ニッポンの「うた」の深層に迫ります。
【出演者プロフィール】
佐藤良明(さとう・よしあき)
1950年山梨県生まれ。東京大学名誉教授。専門は現代アメリカ文学・文化・ポピュラー音楽。著書に『ラバーソウルの弾みかた』(平凡社ライブラリー)、『ビートルズとは何だったのか』(みすず書房)、『佐藤君と柴田君の逆襲!!』(共著/河出書房新社)など。訳書にトマス・ピンチョン『スロー・ラーナー』『競売ナンバー49の叫び』『ヴァインランド』『重力の虹』(いずれも新潮社)、グレゴリー・ベイトソン『精神の生態学』など。今春、放送大学(テレビ)で「アメリカの芸術と文化」を開講。
細馬宏通(ほそま・ひろみち)
1960年兵庫県生まれ。早稲田大学文化構想学部教授。日常会話における身体動作の研究を行うかたわら、マンガ、アニメーションなど19世紀以降の視聴覚文化にも関心を寄せている。著書に『二つの「この世界の片隅に」』(青土社)、『介護するからだ』(医学書院)、『うたのしくみ』(ぴあ)、『ミッキーはなぜ口笛を吹くか』(新潮選書)、『今日の「あまちゃん」から』(河出書房新社)、『絵はがきの時代』『浅草十二階』(ともに青土社)など。
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2019/04/27 Sat -
佐藤良明×細馬宏通
「ポピュラー音楽のうたごころの在り処」
『ニッポンのうたはどう変わったか』(平凡社ライブラリー)刊行記念
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「遠まわりをした老舗家業の働き方」
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『カトマンズに飛ばされて 旅嫌いな僕のアジア10カ国激闘日記』(幻冬舎)刊行記念 - 05/18 Sun ひうらさとる×小川奈緒
「50代からの軽やかな”旅”と”伝え方”」
『58歳、旅の湯かげん いいかげん』
『伝え上手になりたい』(扶桑社)W刊行記念