「蜘蛛の糸」「歯車」「河童」……芥川自身の作品をマッシュアップ/コラージュ/リミックスして、かの文豪の内的世界を描き出した英国人作家デイヴィッド・ピースさんの『Xと云う患者 龍之介幻想』(文藝春秋)が刊行されました。
気鋭のノワール小説作家としてデビューしつつも、ジャンル小説として消費されることを許さない独自の言葉と風景を送り出してきたピースさんは、かねてから芥川龍之介に私淑し、その世界に魅了されてきました。
日本文学と英国文学、近代文学と現代文学、日本語で書かれた小説と日本語に翻訳された小説、東洋と西洋――芥川の「声」とピースさん自身の「声」を大胆に緻密に織り合わせた『Xと云う患者』は、小説と言葉をめぐるさまざまな境界に揺さぶりをかける挑発的な作品となっています。
同作の刊行を記念して、ピースさんとも親交の深い翻訳家・柴田元幸さんをゲストにお招きし、著者のピースさんと本作の翻訳を手がけた黒原敏行さんとともに、執筆/翻訳のエピソードを通じて「小説」と「翻訳」の秘密と可能性に迫ってゆきます。
【出演者プロフィール】
デイヴィッド・ピース(David Peace)
1967年、イギリス、ヨークシャー生まれ。作家。東京大学文学部講師。1994年より東京在住。2003年、文芸誌GRANTAの選ぶ「Best Young British Novelists」に選ばれ、翌年、GB84(未訳)でジェイムズ・テイト・ブラック記念賞を受賞。終戦直後の東京で起きた犯罪を描く〈東京三部作〉第一作『TOKYO YEAR ZERO』を2007年に、帝銀事件を描く第二作『占領都市』を2009年に発表。現在、下山国鉄総裁怪死事件を描く第三作を執筆中。
黒原敏行(くろはら・としゆき)
1957年、和歌山県生まれ。東京大学法学部卒。英米文学翻訳家。訳書に、コーマック・マッカーシー『すべての美しい馬』『ブラッド・メリディアン』、リチャード・パワーズ『エコー・メイカー』、ジョゼフ・コンラッド『闇の奥』、ウィリアム・ゴールディング『蠅の王』、ウィリアム・フォークナー『八月の光』などがある。
柴田元幸(しばた・もとゆき)
1954年、東京都生まれ。アメリカ文学研究者、翻訳家。東京大学名誉教授。ポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザー、トマス・ピンチョンなどのアメリカ現代文学の翻訳を手がけるほか、文芸誌「MONKEY」の責任編集を務める。2018年には、澤西祐典氏とともに編訳を務めた『芥川龍之介選 英米怪異・幻想譚』(岩波書店)が刊行されている。
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2019/05/02 Thu -
デイヴィッド・ピース×黒原敏行×柴田元幸
「芥川龍之介REMIX/REPRISE~文学と翻訳のインターアクション」
『Xと云う患者 龍之介幻想』(文藝春秋)刊行記念
- 04/03 Thu 木村祥一郎×藤原隆充
「遠まわりをした老舗家業の働き方」
『ちいさな会社のおおらかな経営』(主婦の友社)刊行記念 - 04/04 Fri 北村浩子×マライ・メントライン
「“日本語は難しい”と日本人は言うけれど? 」
『日本語教師、外国人に日本語を学ぶ』(小学館)刊行記念 - 04/05 Sat 清田隆之×大島育宙「正しさの一歩外で考える、「俺たち」と「恋愛」の現在地」『戻れないけど、生きるのだ 男らしさのゆくえ』(太田出版)刊行記念
- 04/06 Sun 栗田隆子×武田砂鉄「「働けない人」と「働けた人」で考える──わたしたちの社会と労働のいびつな関係」『「働けない」をとことん考えてみた。』(平凡社)刊行記念
- 04/07 Mon 藤原ヒロシ×皆川壮一郎×嶋浩一郎
「無駄と余白と奥行きと」 - 04/09 Wed 藤澤ゆき×石田真澄×野村由芽
「手を動かしながら生きていく」
『わたしを編む つくる力を、手のうちに YUKI FUJISAWA制作日記』刊行記念 - 04/10 Thu 藤津亮太×前島賢
「頼まれなくたって、語ってやる!」
『富野由悠季論』(筑摩書房)刊行記念 - 04/11 Fri 宮崎晃吉×川口瞬×内沼晋太郎
「これからの小さな出版と、本の届け方」
『最小文化複合施設』(HAGISO)出版記念 - 04/12 Sat きださおり× 明円卓 × 藤井颯太郎
「What shall we do here? この場所で何するナイト」 - 04/13 Sun 安達茉莉子×長島有里枝
「リアルライフでフェミニズムを生きるわたしたち」
『あなたのフェミはどこから?』(平凡社)刊行記念 - 04/15 Tue 西寺郷太×高橋芳朗「J-POP丸語り」『J-POP丸かじり』(ソウ・スウィート・パブリッシング)刊行記念
- 04/17 Thu ゲッツ板谷×新保信長×原カントくん
「自分のことってどう書けばいいのか? 」
『ともだち』(徳間書店)刊行記念 - 04/18 Fri 土佐有明×石川浩司×蔦木俊二
「イカ天とバンドを続けることとあの頃の話」
『イカ天とバンドブーム論』(DU BOOKS)刊行記念 - 04/20 Sun フィクショネス 文学の教室
『金閣寺』『美しい星』を
3ヶ月かけてじっくりと読む - 04/20 Sun 金川晋吾×柴崎友香×小田原のどか
「80年目、爆心地・長崎の写真と言葉」
『祈り/長崎』(書肆九十九)刊行記念 - 04/21 Mon 甲谷 一×佐藤浩二
「プロデザイナーが考える
“ロゴデザイン”のちょっと深い裏話」
『カンタンでちょっぴり深いロゴづくり』
(エムディエヌコーポレーション)刊行記念 - 04/23 Wed 鈴木涼美×紗倉まな×原カントくん
「動物になりきれない、愛しい人間たちの“欲望”」
『ノー・アニマルズ』(ホーム社)刊行記念 - 04/25 Fri とれたてクラブ×ゆっきゅん×潟見陽「こういう物語をずっと待ってた」『なかよしビッチ生活』(エトセトラブックス)刊行記念
- 04/26 Sat 少年アヤ×なま×野口理恵
「なにでもないわたしでいられますように」
『わたくしがYES』『USO 6』『生きる力が湧いてくる』トリプル刊行記念 - 04/30 Wed 古舘佑太郎×又吉直樹
「旅と文」
『カトマンズに飛ばされて 旅嫌いな僕のアジア10カ国激闘日記』(幻冬舎)刊行記念