『なぞるとずれる|Trace and Slip』は、様々なゲストの実践や思索を手がかりに、「なぞる」ことの意味を掘り下げて考える連続トーク・シリーズで、remo[NPO法人記録と表現とメディアのための組織]を母体にして活動するアーカイブプロジェクト・AHA!(アハ)が、今夏、新たに取り組む『慰問文集』再々発行プロジェクトの関連プログラムとして企画されたものです。
日常の営みから、創作活動に至るまで、実はあらゆる場面に遍在する「なぞる」という行為。また、「なぞる」ことに伴って生じる「ずれる」という現象。
本トーク・シリーズでは、各回の話し手を媒介にして「なぞる」ことの深淵に触れながら、ここではないどこか、あなたではない誰かへと「ずれ」ていく束の間の愉しみを、ともに分かち合いたいと思います。
聞き手には、本トークシリーズの企画者でAHA!の松本篤さんが務めます。
vol.01、vol.02と別会場での開催を経て、vol.03〜05は、B&Bにて開催いたします。
Vol.04のゲストは小説家の保坂和志さんをお迎えします。
小説を読むこと、それは誰かの書いた言葉を「なぞる」行為に他なりません。近刊の『読書実録』をはじめ、ご自身の著作や思索、岐阜出身の小説家・小島信夫氏の作品、先行する様々な小説などを絡めながら、誰かの残した言葉を読むこと、誰かの記憶を言葉に残すことについて、保坂和志さんに語っていただきます。
Vol.03 9/28(土) 伊藤亜紗×松本篤 ※予約受付中
Vol.05 11/22(金) 松本篤 ※予約受付中
現在、『慰問文集』再々発行プロジェクトのクラウドファンディングが11/28まで実施中です。こちらのページも本イベントに深く関連しますので、ぜひご覧ください。
【出演者プロフィール】
・保坂和志(ほさか・かずし)
1956年生まれ。小説家。1990年「プレーンソング』でデビュー。『この人の閾(いき)』(1995)で芥川賞、『季節の記憶』(1997)で谷崎賞、『未明の闘争』(2013)で野間文芸賞、『ハレルヤ』(2018)所収の「こことよそ」で川端康成文学賞を受賞。最新刊は『読書実録』(河出書房新社)。
・松本篤(まつもとあつし)
1981年生まれ。remoメンバー。“市井の人びとによる記録”に着目したアーカイブプロジェクト・AHA!を2005年に立ち上げる。記録と記憶に関するワークショップの設計から、ウェブサイトの制作まで、さまざまなメディアづくりに関わる。『はな子のいる風景 イメージを(ひっ)くりかえす』(武蔵野市立吉祥寺美術館、2017)企画・編者。
・AHA! [Archive for Human Activities/人類の営みのためのアーカイブ]
8ミリフィルム、写真、手紙といった “市井の人びとの記録”に着目したアーカイブづくり。remoの事業のひとつとして、2005年に始動。目下、全国各地の市民団体、大学機関、美術館などとの協働をつうじた草の根のアーカイブづくりに尽力しています。
近年の主な実績としては『はな子のいる風景』(武蔵野市立吉祥寺美術館、 2017)や、『世田谷クロニクル1936-83』(生活工房、2018)など、場づくりから書籍制作まで、さまざまなメディアづくりに取り組んでいます。時間的/空間的な隔たりを前に、イメージはどのように働くのかという問いを、一貫して探求しています。
・remo[NPO法人記録と表現とメディアのための組織]
メディアを通じて「知る」「表現する」「話し合う」といった3つの視点で活動する非営利組織。2002年に大阪で設立。メディア・アートなどの表現活動を促すほか、「文房具としての映像」という考え方の普及、映像を囲む新しい場づくりなどを行っています。
例えば、1)リュミエール・ルールという6つのルールに則って撮影された映像を鑑賞しながら話し合う映像の句会「remoscope」、2) はじめて出会った人たちが脚本から鑑賞までの映画づくりを3時間で行う「ご近所映画クラブ」、3)みずからの声をみずから伝えるメディアづくりを海外の事例から学ぶ「Alternative Media Gathering」などの活動があります。
http://www.remo.or.jp/
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