2013年7月、作家の田中りえさんががんで亡くなりました。
田中小実昌の息女として、また1978年に「おやすみなさい、と男たちへ」でデビューした元祖女子大生作家として知られるりえさんは、長らく執筆活動から遠ざかっていましたが、2008年に20年ぶりに『早稲田文学』に「ちくわのいいわけ」を発表、本格的な活動再開に向けて動きはじめたところでした。最後の長編になった『ちくわのいいわけ』は、自らの離婚を描いた作品ですが、ユーモアと脱線をまじえた語り口は絶妙のひとこと。読みどころたっぷりの傑作です。
当夜は、田中りえさんの尽きせぬ魅力を、ファンをもって任ずる歌人の枡野浩一さんと、りえさんの息子(つまり、小実昌さんの孫)であり、今年(2014)2月に自宅を開放して「田中3」展を開いた田中開さんがじっくり話し合います。司会は編集者の須川善行。
【プロフィール】
・枡野浩一(ますの・こういち)
1968年東京生まれ。歌人。短歌小説『ショートソング』(集英社文庫)、離婚小説『結婚失格』(講談社文庫)、ツイッター発の詩集『くじけな』(文藝春秋)など著書多数。最新刊は写真短歌集『歌』(雷鳥社)。執筆活動のほか、テレビ・映画・演劇に出演するなど幅広く活動中。2012年より南阿佐ヶ谷「枡野書店」店主。「歌人詩人」の「歌人」として芸人としても活動中。公式サイト『ますので』
http://masuno.de
・田中開(たなか・かい)
1991年東京生まれ、練馬区育ち。188cm85kg。早稲田大学基幹理工学部卒業、現在は同大学院に在籍中。Webマガジン「オモコロ」にてライターを勤める。新宿ゴールデン街「しの」「三坪」でバイトもする。そして、バイト代以上に飲む。去年2月、祖父・小実昌と母・りえの回顧展「田中3展」を催した。現在は休学して、フラフラした日々を過ごす。今年したバイトは、家庭教師・米軍の秋田犬を空港まで連れて行く・ノアの箱舟を作る役・鉄割・音楽系の専門学校に潜入(予定)・小学生プール教室のアシスタント。行った場所は、ドイツ・南アフリカ・ナミビア・ケニア・タンザニア・スウェーデン・グアム。最近、祖父の23歳も同じようにぐずぐずしてた(「香具師の旅」)のを知って、少し安心している。
https://twitter.com/42tanaka
・須川善行(すがわ・よしゆき)
1962年北海道生まれ。元『ユリイカ』編集長。編集した書籍に、菊地成孔+大谷能生『憂鬱と官能を教えた学校』(河出書房新社)、大友良英『MUSICS』(岩波書店)、柴田元幸監訳『初期アメリカ新聞コミック傑作選』(創元社)ほか。制作した映画に、冨永昌敬監督『庭にお願い』。
https://twitter.com/niwanionegai
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2015/01/19 Mon -
枡野浩一×田中開×須川善行 「ちくわの思いで――田中りえさんをめぐって」『ちくわのいいわけ』(愛育社)刊行記念
- 07/01 Tue 吉見俊哉×若林幹夫
「建築と出来事」
『このとき、夜のはずれで、サイレンが鳴った』(岩波書店)
『ダイアローグ〈危機〉の時代の長谷川逸子・原広司・伊東豊雄』(millegraph)W刊行記念 - 07/02 Wed 豊﨑由美×木下眞穂
第93回「読んでいいとも! ガイブンの輪」 - 07/04 Fri 富川岳×ドミニク・チェン×桜井祐
「懐かしい異界へ。人ならざるものと共に生きる」
『シシになる。──遠野異界探訪記』(亜紀書房)刊行記念 - 07/05 Sat 岡本敬子×岡本仁
「ふたりへの質問エクストラ 」
『私のふたり暮らし』(光文社) - 07/05 Sat 武田砂鉄×石村博子×舛友雄大
「ノンフィクションの現在地」
Presented by 講談社本田靖春ノンフィクション賞 - 07/06 Sun あきやあさみ×竹村優子
「服と仕事と私~制服化スタイリストと編集者の場合」 - 07/10 Thu 星田英利×フルーツポンチ村上健志×日下怜奈×トット桑原雅人×あわよくばファビアン×ピストジャム
「第一芸人文芸部 俺の推し本。」(BSよしもと)
第13回公開収録 - 07/11 Fri 星野文月×竹中万季×野村由芽
「それぞれの日記のなかにある、人との距離や関係性」
『不確かな日々』(ひとりごと出版)
刊行記念 - 07/12 Sat 西尾康之×斎藤環
「『不死』の時代とは?:アーティストと精神科医が語り尽くす」
『不死』(くま書店)刊行記念 - 07/13 Sun 柴田元幸×惠愛由
「あなたをみている」
『体の贈り物』(twilillight) 復刊記念 - 07/13 Sun 服部円×長崎訓子
「身近なネコをよく知り、
イラストにするワークショップ」
『ネコは(ほぼ)液体である』
(KADOKAWA)刊行記念 - 07/14 Mon 【全6回】連続講座 鈴木涼美「夜の読書室」Vol.3
- 07/15 Tue 松尾潔×丸屋九兵衛
「90年代R&Bとは何だったのか? 」
『松尾潔のメロウなライナーノーツ』(リットーミュージック)刊行記念 - 07/16 Wed 三宅陽一郎×清木 昌
「ゲームデザイン、人工知能、数学――レトロゲームから未来まで」
『数学がゲームを動かす!』
(日本評論社)刊行記念 - 07/18 Fri 阿部恭子×インベカヲリ★
「家族という密室で何が起きているのか」
『近親性交―語られざる家族の闇』(小学館)刊行&重版記念 - 07/22 Tue 周司あきら×杉田俊介
「語られにくいミサンドリー(男性嫌悪)から『男』の話をしよう」
『ラディカル・マスキュリズム』(大月書店)
『男性学入門』(光文社)W刊行記念 - 07/23 Wed 椎名基樹×せきしろ
「バカサイトークライブ」 - 07/24 Thu 米澤渉×ひろのぶと株式会社
「踊る阿呆たちの本づくり」
『踊る阿呆の世界戦略』(ひろのぶと株式会社)
刊行記念 - 07/26 Sat 水上文×清水晶子
「ここにも、そこにも、どこにでも:日本語圏と英語圏のクィアポリティクスを辿って」
『クィアのカナダ旅行記』(柏書房)刊行記念 - 07/27 Sun 太田充胤×山本ジャスティン伊等×山本浩貴
「こんなにも踊りたい、私たちの魂について」
『踊るのは新しい体』(フィルムアート社)刊行記念 - 07/28 Mon 金原ひとみ×朝吹真理子×山中瑶子
「韓国と出会って考えたこと」
新文芸誌『GOAT meets』(小学館)刊行記念 - 07/29 Tue 枝優花×平井珠生
「ラジオでしゃべるって、こんなにむずかしくて、たのしい。」 - 07/30 Wed 梶原阿貴×高橋伴明
「家族とジェンダーと革命」
『爆弾犯の娘』(ブックマン社)
刊行記念 - 08/04 Mon 古賀及子×菊地朱雅子×北野太一×油利可奈
「生活を(書き)続けるために」
『巣鴨のお寿司屋で、帰れと言われたことがある』(幻冬舎)
『おかわりは急に嫌 私と『富士日記』』(素粒社)
『よくわからないまま輝き続ける世界と 気がつくための日記集』(大和書房)刊行記念 - 08/13 Wed 小島雄一郎×吉田将英
「拗らせたおじさん二人が考える『選べない』時代の生き方」
『「選べない」はなぜ起こる?』(サンマーク出版)刊行記念 - 08/31 Sun 小川公代×中村隆之
「この世界を生きるための物語と音楽」
『ケアの物語 フランケンシュタインからはじめる』
『ブラック・カルチャー』(岩波書店)刊行記念