家、仕事、車、SNS、n次創作……、さまざまな空間・モノ・情報の共有化=「シェア」が進み、さまざまなメディアが「シェア」を21世紀のマーケット・トレンド、ビジネス・イノベーションの契機として期待を込めて取り上げます。
しかし、であればこそ、あれもこれも「シェア」することを促されるまえに、いま歴史上なにが起きていて、私たちはなにを乗り越え、どこに向かおうとしているのか、より大きな視点で「シェア」することの意味と可能性をじっくり考えたい。そのような思いから、このたび、書籍『「シェア」の思想/または愛と制度と空間の関係』(LIXIL出版)を刊行します。
著者は、現代建築理論を牽引する門脇耕三さんをはじめとする20〜40代の気鋭の建築家・建築史家、ネット選挙論などの公共政策論を展開する社会学者の西田亮介さん、哲学者の國分功一郎さん、千葉雅也さんなどの15人。
近代の建築・都市史、政治・産業史、哲学史などいくつもの思考の入り口から議論をはじめ、やがてそれらが交差し一体となるパスを進んで、「シェア」というトレンド・イメージの希望、実像を描きます。
今回、門脇耕三さんと西田亮介さんをゲストに、
▶ 私たちの「所有」「占有」意識がなぜいま解かれようとしているのか?
▶ 私たちが「シェア」意識をもつと、住空間や都市空間の使い方はどのように変わるのか? 建築家の設計思考はどのように変わるのか?
▶ 私たちが「シェア」意識をもつと、行政参加、選挙はどのように変わり、生活世界はどのように変わりうるのか?
などのテーマ、そして、建築設計論と公共政策論を交わすことで生まれる、新しい価値観について大いに語っていただきます。
【出演者プロフィール】
門脇耕三(かどわき・こうぞう)
1977年生まれ。2001年東京都立大学大学院工学研究科修士課程修了。2012年より明治大学専任講師。専門は建築構法、構法計画、設計方法論。博士(工学)。近代都市と近代建築が、人口減少期を迎えて変わりゆく姿を、建築思想の領域から考察。著書に『PLANETS vol.9 東京2020 オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト』』〔共著〕(PLANETS,2015年)、『静かなる革命へのブループリント』〔共著〕(河出書房新社,2014年)、『シェアをデザインする』〔共編著〕(学芸出版社,2013年)など。
Twitter: @kadowaki_kozo
西田亮介(にしだ・りょうすけ)
立命館大学大学院先端総合学術研究科特別招聘准教授。1983年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。同大学院政策・メディア研究科修士課程修了。同後期博士課程単位取得退学。博士(政策・メディア)。東洋大学非常勤講師等を経て現職。著作に『ネット選挙 解禁がもたらす日本社会の変容』『ネット選挙とデジタル・デモクラシー』『無業社会 働くことができない若者たちの未来』(共著)ほか。
Twitter: @Ryosuke_Nishida
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