食品の広告や料理雑誌に使われるプロが撮った料理写真の撮影技法などを紹介した『プロフェッショナルの料理写真』が、玄光社より好評発売中です。
本書は、現代写真の視点で料理写真を俯瞰した新しいタイプの写真雑誌です。料理写真というジャンルは、食品のパッケージ広告や料理本で料理レシピを具体的に解説する図版として古くからありますが、デジタル技術とWebの発達で新たな局面を迎えています。デジタルカメラとブログの普及に始まり、ここ数年のスマートフォンとSNSの発展は私たちに日々の料理をライフログ的に撮る行為を根付かせました。また、食べログやクックパッドなど食のWebメディアはかつて書籍やテレビ番組でしか得られなかった料理レシピやグルメガイドの情報をごく当たり前に得られる手段として定着しています。
このトークイベントでは、『プロフェッショナルの料理写真』の制作過程で影響を受けた2冊の本、『料理=高山なおみ』(リトルモア)と『長野陽一の美味しいポートレイト』(HeHe)の著者・制作者である、料理家の高山なおみさん、アートディレクターの立花文穂さん、写真家の長野陽一さんを迎えて、これからの料理写真について語り合います。また、クックパッドなどWebベースの料理レシピメディアが驚異的な成長を遂げるなかで、かつて家庭料理の指南役を務めていた料理レシピ本の役割は変わっていくのか、さらにその変節に写真はどのように関わっていくのか、など料理と写真に関して幅広く話を伺う予定です。
【プロフィール】
・高山なおみ(たかやま・なおみ)
1958年、静岡県生まれ。レストランのシェフを経て料理家に。文筆家としての顔も持つ。料理レシピ本に『高山なおみの料理』(メディアファクトリー、2003年)、『日々ごはん』1〜12(アノニマ・スタジオ、2004年〜)、『料理=高山なおみ』(リトルモア、2014年)などがある。テレビドラマ「昨夜のカレー、明日のパン」(原作:木皿泉、NHK、2014年)の料理監修も手がけた。2015年12月に『実用の料理 ごはん』(京阪神エルマガジン社)、『帰ってきた 日々ごはん①』(アノニマ・スタジオ)が発売予定。
・立花文穂(たちばな・ふみお)
1968年、広島県生まれ。アートディレクター、アーティスト。文字と紙、本を素材に作品を制作し発表。写真撮影も手がけている。雑誌『球体』責任編集を務め、現在6号まで刊行中。著書に『かたちのみかた』(誠文堂新光社、2013年)。
・長野陽一(ながの・よういち)
1968年、福岡県生まれ。全国の離島を撮り続け、『島々』(リトルモア、2004年)、改訂版『シマノホホエミ』(フォイル、2008年)、『BREATHLESS』(フォイル、2012年)を刊行。料理写真の作品集に『長野陽一の美味しいポートレイト』(2014年、HeHe)がある。『クウネル』(マガジンハウス)や『dancyu』(プレジデント社)など雑誌、広告などで活動中。
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