本イベントは、出演者都合により中止となった2019年10月29日の振替えイベントです。
新規のご予約も可能ですので、皆さまのご参加をお待ちしております。
2019年に創刊100周年を迎えた『キネマ旬報』は、現存する映画専門誌では世界最古の雑誌と言われています。1919年7月11日に発刊された創刊号はB5判4ページ、10銭。生み出したのは、東京工業高校(現東京工業大学)3年生の田中三郎と田村幸彦ら、映画好きの学生たちの日本の映画界発展を願う熱意によるものでした。
創刊当初は苦戦するものの、1924年に「キネマ旬報ベスト・テン」を開始し、映画業界からの信頼を得ると部数を伸ばし急成長。雑誌の枠を超え、映画界発展のための活動に力を注いでいきます。時代の波を受け、太平洋戦争に伴う雑誌統制によって終刊するも、戦後に田中と田村からバトンを受け継いだ編集者たちが、それぞれのやり方で映画雑誌作りに人生を捧げていきます。また、読者投稿による映画批評欄から映画評論家を数多く輩出していることも知られています。
この度発売された『キネマ旬報物語』(愛育出版)は、元『キネマ旬報』編集長でもある掛尾良夫さんが、これら100年にわたる『キネマ旬報』の歴史を、映画を愛し、映画に取り憑かれた若者たちの喜びと苦闘の群像史として描き出した1冊です。資料的にも貴重なこの出版ドキュメンタリーの刊行を記念して、著者の掛尾さんと、現在『キネマ旬報』での執筆をはじめ映画評論家として活躍する松崎健夫さん、前『キネマ旬報』編集長の青木眞弥さんをお迎えし、トークイベントを開催します。創刊者の田中・田村の遺伝子は、この100年間どのように受け継がれてきたのか、そしてこれからの『キネマ旬報』、そして映画界はどのようにあるべきか。映画雑誌作りへの愛と提言を、思う存分語っていただきます。
【出演者プロフィール】
掛尾良夫(かけお・よしお)
1950年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。『キネマ旬報』編集長、キネマ旬報映画総合研究所所長、WOWOW番組審議委員、NHKサンダンス国際賞国際審査員などを歴任。現在、和歌山県、田辺弁慶映画祭ディレクター、『デジタルコンテンツ白書』編集委員、京都映像企画市審査員などを務める。城西国際大学メディア学部招聘教授、学部長。著書に『ぴあの時代』(小学館文庫)がある。
松崎健夫(まつざき・たけお)
1970年生まれ。映画評論家。『キネマ旬報』『ELLE ONLINE』『FINDERS』『Plus Paravi』『CINEMORE』『BANGER』など各種媒体で映画評を執筆する他、『ぷらすと』『japanぐる〜ヴ』『WATCHYキネマ倶楽部』などに出演し映画解説を行なう。共著に『現代映画用語事典』(キネマ旬報社)がある。田辺・弁慶映画祭審査員、日本映画ペンクラブ会員、映画検定1級。
青木眞弥(あおき・しんや)
1963年生まれ。1987年にキネマ旬報社に入社。1995〜99年、2016〜2018年に『キネマ旬報』編集長を務める。現在、同社業務推進部部長。
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