人間の知覚能力に基づく新しい表現を研究・開発し、様々なメディアを用いて社会に提案する、コグニティブデザイナー・菅俊一(すげしゅんいち)さん。
菅さんが多摩美術大学で行ってきた、人がものを見る行為や視線にフォーカスを当てた「表現の基礎研究」ともいえる二つの研究をまとめた書籍『視線の設計』と『指向性の原理』を、このたび本屋B&Bで販売します。
*『指向性の原理』は今回新たに刊行されたコンパクト版。
これまで限られた機会と場所でのみ頒布されてきた2冊を手に取ってご覧いただける貴重な機会です。
今回は上述の書籍2点の発売記念フェアとして、
・「視線の設計」に収録されている一部の作品の実物のミニ展示
・菅さんによる選書「観察/思考/表現の間を散歩する7冊」の販売
も行います。
書籍と合わせて、様々なかたちで空間に立ち上がる菅俊一さんの思考を散歩するようにお楽しみいただければ幸いです。
書籍情報
【「指向性の原理」菅俊一, 2018, 2024】
私たちは、目で見たものを手がかりにして頭の中でイメージを作り出していますが、その際、静止画のような「動いていない」情報を見た時でも「動き」や「時間の経過」を感じてしまうことがあります。本書は、そのような静止したものから動きをイメージしてしまう現象を「指向性の生成」と定義し、この現象を用いた表現技術を探求したプロジェクトをまとめたものです。(作者による自著解説)
今回販売しているのは、巻末付録として、板坂留五(建築家)によるエッセイ「曖昧さと付き合う」、菅俊一による「コンパクト版発行によせて」を追加収録のうえ、手に収まるサイズに再編集した[コンパクト版]です。
全120ページ,A6変型サイズ
2024年3月1日刊行(原著発行日2018年3月31日)
発行 UMISHIBUARA
印刷/製本イニュニック
【「視線の設計」菅俊一, 2023】
私たちには、人が何に注意を向けて見ているのかを読み取ることができる「共同注意」と呼ばれる能力があります。本書は様々なメディアや空間に設置された視線を共同注意によって読み解くことで、人の注意や行動を促す表現技術を探求したプロジェクトをまとめたものです。(作者による自著解説)
2023年2月3日(金)~18日(土)に同名の展覧会、多摩美術⼤学 TUB第25回企画展「視線の設計」を開催。
全114ページ,A5変型サイズ
2023年3月31日刊行
発行 UMISHIBUARA
印刷/製本江戸堀印刷所
関連イベント
3/5(火)19:30~開催
菅俊一×広岡ジョーキ×古賀稔章「それぞれの「基礎研究」について話す、2024年春」『視線の設計』『指向性の原理[コンパクト版]』(UMISHIBAURA)刊行記念トークイベント
Infomaition
菅俊一「観察/思考/表現の間を散歩する」フェア
会期:3/1(金)〜3/31(日)
場所:本屋B&B店頭
営業時間:イベント開催の都合で日々変動がございますのでこちらのページでご確認ください。
アーティストプロフィール
菅俊一(すげ・しゅんいち)
コグニティブデザイナー/多摩美術大学美術学部統合デザイン学科准教授。
1980年東京都生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。人間の知覚能力を基盤としたコグニティブデザインの考え方による行動や意志の領域のデザインを専門としており、近年は、線や点といったわずかな手がかりだけで動きや質感を感じさせるための表現技術や顔図版による視線を用いた誘導体験の設計、人間の創造性を引き出すための制約のデザインについての探求を行なっている。主な仕事に、NHK Eテレ「2355/0655」ID映像、21_21 DESIGN SIGHT 企画展「単位展」コンセプトリサーチ、同「アスリート展」「ルール?展」展示ディレクター。著書に「行動経済学まんが ヘンテコノミクス」(共著・マガジンハウス)、「観察の練習」(NUMABOOKS)。主な展覧会に「あいちトリエンナーレ2019」(愛知県美術館、2019)、「指向性の原理」(SOBO、東京、2017)、「正しくは、想像するしかない。」(デザインギャラリー1953、東京、2019)、「視線の設計」(東京ミッドタウンデザインハブTUB、東京、2023)。http://syunichisuge.com