哲学は、個々人の経験のなかでそれぞれの人の能力を発揮しやすくし、いまだ本人の気づいていない能力の発現に寄与し、それを通じて常に自分自身を超えていくようなプロセスの可能性を提示し続けることを課題とします。
自ら、自身の身の丈を超えたものへと向かって、それへのプロセスがまるで副産物のような形となったものが、まさにその人の哲学といえます。
河本さんは、「哲学とは、最終的には、その課題に踏み出し続けることだ」と話しています。
哲学を臨床・実践の知へとバージョンアップさせることに腐心する哲学者と精神分析家の「再生」をめぐる徹底討議です。
※『談』no.76(2006)でお2人は「情動の回路」をテーマに対談していますが、今回はその続編です。
『談』は、「時代とともに変化する社会の大きな流れを読み解き次の時代を生きる価値観を模索する」ために、人間の嗜好、人間の欲求、人間の価値観の変化について、100号にわたり語り合ってきましたが、なかでも、その中核にあるのが、「いのち」をめぐる議論でした。
『談 100号記念選集』刊行を記念して、「アフター・ザ・ニューヴィジョン……人間の未来、ものの将来」をテーマに、いのちとは何か、生命とは何か、そしていのちが集まってつくりだされる社会とは何か、その根源にまで遡り、論究します。
※タイトルのアフター・ザ・ニューヴィジョンは、バウハウスの理論書であり近代主義のコンセプトを提示したL・モホリ=ナギの著書によっている。モダン>ポストモダン>ポストポストモダンときて、その次にくるものという意味。
河本英夫(かわもと・ひでお)
東洋大学文学部教授/システムデザイン。著書に『損傷したシステムはいかに創発・再生するか オートポイエーシスの第五領域』 (新曜社、2014)、『〈わたし〉の哲学』 (角川選書、2014)他
十川幸司(とがわ・こうじ)
精神分析家・精神科医。著書に『来るべき精神分析のプログラム』 (講談社選書メチエ、2008)、『精神分析(思考のフロンティア)』 (岩波書店、2003)他
第2夜 池田清彦×春日武彦 「いのちのゆらぎ…生と死の往還」
※イベントチケットの予約・購入に関するご案内はこちら。
2015/03/06 Fri -
河本英夫×十川幸司「希望のシステム…再生とは能力の拡張である」『談 100号記念選集』刊行記念 「アフター・ザ・ニューヴィジョン――人間の未来、ものの将来」第1夜
- 07/02 Wed 豊﨑由美×木下眞穂
第93回「読んでいいとも! ガイブンの輪」 - 07/04 Fri 富川岳×ドミニク・チェン×桜井祐
「懐かしい異界へ。人ならざるものと共に生きる」
『シシになる。──遠野異界探訪記』(亜紀書房)刊行記念 - 07/05 Sat 岡本敬子×岡本仁
「ふたりへの質問エクストラ 」
『私のふたり暮らし』(光文社) - 07/05 Sat 武田砂鉄×石村博子×舛友雄大
「ノンフィクションの現在地」
Presented by 講談社本田靖春ノンフィクション賞 - 07/06 Sun あきやあさみ×竹村優子
「服と仕事と私~制服化スタイリストと編集者の場合」 - 07/10 Thu 星田英利×フルーツポンチ村上健志×日下怜奈×トット桑原雅人×あわよくばファビアン×ピストジャム
「第一芸人文芸部 俺の推し本。」(BSよしもと)
第13回公開収録 - 07/11 Fri 星野文月×竹中万季×野村由芽
「それぞれの日記のなかにある、人との距離や関係性」
『不確かな日々』(ひとりごと出版)
刊行記念 - 07/12 Sat 西尾康之×斎藤環
「『不死』の時代とは?:アーティストと精神科医が語り尽くす」
『不死』(くま書店)刊行記念 - 07/13 Sun 柴田元幸×惠愛由
「あなたをみている」
『体の贈り物』(twilillight) 復刊記念 - 07/13 Sun 服部円×長崎訓子
「身近なネコをよく知り、
イラストにするワークショップ」
『ネコは(ほぼ)液体である』
(KADOKAWA)刊行記念 - 07/14 Mon 【全6回】連続講座 鈴木涼美「夜の読書室」Vol.3
- 07/15 Tue 松尾潔×丸屋九兵衛
「90年代R&Bとは何だったのか? 」
『松尾潔のメロウなライナーノーツ』(リットーミュージック)刊行記念 - 07/16 Wed 三宅陽一郎×清木 昌
「ゲームデザイン、人工知能、数学――レトロゲームから未来まで」
『数学がゲームを動かす!』
(日本評論社)刊行記念 - 07/18 Fri 阿部恭子×インベカヲリ★
「家族という密室で何が起きているのか」
『近親性交―語られざる家族の闇』(小学館)刊行&重版記念 - 07/22 Tue 周司あきら×杉田俊介
「語られにくいミサンドリー(男性嫌悪)から『男』の話をしよう」
『ラディカル・マスキュリズム』(大月書店)
『男性学入門』(光文社)W刊行記念 - 07/23 Wed 椎名基樹×せきしろ
「バカサイトークライブ」 - 07/24 Thu 米澤渉×ひろのぶと株式会社
「踊る阿呆たちの本づくり」
『踊る阿呆の世界戦略』(ひろのぶと株式会社)
刊行記念 - 07/26 Sat 水上文×清水晶子
「ここにも、そこにも、どこにでも:日本語圏と英語圏のクィアポリティクスを辿って」
『クィアのカナダ旅行記』(柏書房)刊行記念 - 07/27 Sun 太田充胤×山本ジャスティン伊等×山本浩貴
「こんなにも踊りたい、私たちの魂について」
『踊るのは新しい体』(フィルムアート社)刊行記念 - 07/28 Mon 金原ひとみ×朝吹真理子×山中瑶子
「韓国と出会って考えたこと」
新文芸誌『GOAT meets』(小学館)刊行記念 - 07/29 Tue 枝優花×平井珠生
「ラジオでしゃべるって、こんなにむずかしくて、たのしい。」 - 07/30 Wed 梶原阿貴×高橋伴明
「家族とジェンダーと革命」
『爆弾犯の娘』(ブックマン社)
刊行記念 - 08/04 Mon 古賀及子×菊地朱雅子×北野太一×油利可奈
「生活を(書き)続けるために」
『巣鴨のお寿司屋で、帰れと言われたことがある』(幻冬舎)
『おかわりは急に嫌 私と『富士日記』』(素粒社)
『よくわからないまま輝き続ける世界と 気がつくための日記集』(大和書房)刊行記念 - 08/13 Wed 小島雄一郎×吉田将英
「拗らせたおじさん二人が考える『選べない』時代の生き方」
『「選べない」はなぜ起こる?』(サンマーク出版)刊行記念 - 08/31 Sun 小川公代×中村隆之
「この世界を生きるための物語と音楽」
『ケアの物語 フランケンシュタインからはじめる』
『ブラック・カルチャー』(岩波書店)刊行記念