ユーラシア・アフリカ大陸への2年間の旅の記録を綴った『インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日』(集英社)で第7回開高健ノンフィクション賞を受賞した、中村安希さん。
2009年のデビュー以来、旅や政治、食や同性愛などさまざまなテーマでノンフィクション作品を世に送り出してきました。
約2年ぶりの最新刊のテーマは「N女」。有力企業に就職する実力がありながら、雇用条件が厳しいと言われるNPO業界を就職先に選ぶ女性、それが略称「N女」です。
N女とは何者なのか。N女の出現の背景には何があるのか、また彼女たちの出現によって今、NPO業界では何が起きつつあるのかを探るべく、中村安希さんはインタビューを続けてきました。
そこから浮かび上がってきたのは、職場や家庭、地域社会など、かつての共同体が力を失い、分断が進む社会の中で、失業、病気、災害などをきっかけに、あるいは障害や差別によって、人や社会の「つながり」からはじき出される人々が増えつつあるという現実と、そうした人々を社会につなぎとめようと試行錯誤するN女たちが奮闘する姿でした。
さらにN女たちの出現は、結婚や育児によってキャリア人生が大きく左右される女性特有の問題や、男性型縦社会ではなく横のつながりを求める女性性の潜在力など、働く女性の在り方を問いかけています。
N女たちの苦悩と模索、生き様を通して、NPOの存在意義と未来の行方について考察したノンフィクションです。
現在、香港の大学院でジャーナリズムの勉強中の中村さんが来日し、トークイベントをする貴重な機会です。「ノンフィクション作家、中村安希」のこれまでとこれからについて迫ります。
みなさんふるってご参加ください!
中村安希(なかむら・あき)
ノンフィクション作家。1979年京都府生まれ、三重県育ち。カリフォルニア大学アーバイン校芸術学部演劇科卒。日米での3年間の社会人生活を経て、684日(47カ国)に及ぶ取材旅行を敢行する。2009年その旅をもとに書いた『インパラの朝』(集英社)で開高健ノンフィクション賞を受賞。その後も世界各地の生活を取材し、現在までに訪れた国は約90カ国。 著書に、若き政治家たちへのインタビューを試みた『Beフラット』(亜紀書房)、世界の食と文化を取材した『食べる。』『愛と憎しみの豚』(共に集英社)、またLGBTをテーマに執筆した『リオとタケル』(集英社インターナショナル)がある。
(公式ブログ: akinakamura.net)
小沼純一(こぬま・じゅんいち)
1959年生まれ。 早稲田大学文学学術院教授。第8回出光音楽賞(学術研究部門)受賞。
著書に、『武満徹──音・ことば・イメージ』『魅せられた身体──旅する音楽家コリン・マクフィーとその時代』『ミニマル・ミュージック──その展開と思考』(以上、青土社)、『サウンド・エシックス──これからの「音楽文化論」入門』『オーケストラ再入門──シンフォニーから雅楽、ガムラン、YMOまで』(以上、平凡社新書)、『ピアソラ』(河出書房新社)、『無伴奏──イザイ、バッハ、そしてフィドルの記憶へ』(アルテスパブリッシング)ほか多数。また、坂本龍一総合監修による音楽全集「schola(スコラ)」シリーズの選曲・執筆に携わる。
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2016/12/16 Fri -
中村安希×小沼純一
「ノンフィクション作家、
中村安希のつくりかた」
『N女の研究』(フィルムアート社)刊行記念
- 07/18 Fri 阿部恭子×インベカヲリ★
「家族という密室で何が起きているのか」
『近親性交―語られざる家族の闇』(小学館)刊行&重版記念 - 07/19 Sat 滝口悠生×佐々木敦
「ことばの即興力
ーーいかに書き進めていくか?」
『「書くこと」の哲学 ことばの再履修』
(講談社)刊行&重版記念 - 07/20 Sun フィクショネス 文学の教室
『怪談』を3ヶ月かけてじっくりと読む - 07/21 Mon 沢山遼×山本浩貴×岩渕貞哉
「岡﨑乾二郎、そしてモダニズムをいま、考える」
『美術手帖 2025年7月号 特集「岡﨑乾二郎」』(美術出版社)刊行記念 - 07/22 Tue 周司あきら×杉田俊介
「語られにくいミサンドリー(男性嫌悪)から『男』の話をしよう」
『ラディカル・マスキュリズム』(大月書店)
『男性学入門』(光文社)W刊行記念 - 07/23 Wed 椎名基樹×せきしろ
「バカサイトークライブ」 - 07/24 Thu 米澤渉×ひろのぶと株式会社
「踊る阿呆たちの本づくり」
『踊る阿呆の世界戦略』(ひろのぶと株式会社)
刊行記念 - 07/26 Sat 水上文×清水晶子
「ここにも、そこにも、どこにでも:日本語圏と英語圏のクィアポリティクスを辿って」
『クィアのカナダ旅行記』(柏書房)刊行記念 - 07/27 Sun 太田充胤×山本ジャスティン伊等×山本浩貴
「こんなにも踊りたい、私たちの魂について」
『踊るのは新しい体』(フィルムアート社)刊行記念 - 07/28 Mon 金原ひとみ×朝吹真理子×山中瑶子
「韓国と出会って考えたこと」
新文芸誌『GOAT meets』(小学館)刊行記念 - 07/29 Tue 枝優花×平井珠生
「ラジオでしゃべるって、こんなにむずかしくて、たのしい。」 - 07/30 Wed 梶原阿貴×高橋伴明
「家族とジェンダーと革命」
『爆弾犯の娘』(ブックマン社)
刊行記念 - 07/31 Thu 奥田知志×永井玲衣
「わたしたちの社会はさみしいのか?」
『わたしがいる あなたがいる なんとかなる 「希望のまち」のつくりかた』(西日本新聞社)刊行記念 - 08/03 Sun 今野晴貴×内田良 「残業代、請求できます!部活、なくなります!激変する学校教育の今」『教育現場における「定額働かせ放題」の終焉』(堀之内出版)刊行記念
- 08/04 Mon 古賀及子×菊地朱雅子×北野太一×油利可奈
「生活を(書き)続けるために」
『巣鴨のお寿司屋で、帰れと言われたことがある』(幻冬舎)
『おかわりは急に嫌 私と『富士日記』』(素粒社)
『よくわからないまま輝き続ける世界と 気がつくための日記集』(大和書房)刊行記念 - 08/06 Wed 金子玲介×長井短
「同時代を生きる、書き手たち」
『流星と吐き気』(講談社)刊行記念 - 08/07 Thu 旦木瑞穂×古田雄介
「親の介護 する? しない?」
『しなくていい介護』(朝日新聞出版)刊行記念 - 08/09 Sat 桜林直子×植本一子
「少しだけ、違う視点を手に入れる」
『つまり“生きづらい”ってなんなのさ?』(光文社)
『ここは安心安全な場所』W刊行記念 - 08/10 Sun 高田漣×いとうせいこう
「サンプリングする小説、オルタナティブな文学」
『街の彼方の空遠く』(河出書房新社)刊行記念 - 08/11 Mon 豊﨑由美×宇野和美
第94回「読んでいいとも! ガイブンの輪」 - 08/13 Wed 小島雄一郎×吉田将英
「拗らせたおじさん二人が考える『選べない』時代の生き方」
『「選べない」はなぜ起こる?』(サンマーク出版)刊行記念 - 08/18 Mon 青山美智子×新井見枝香
「スイート&ビター。だから人生は美味」
『チョコレート・ピース』(マガジンハウス)刊行記念 - 08/30 Sat コナリミサト×武田真治
「スナックバブル in B&B」
『凪のお暇』(秋田書店)完結・12巻刊行記念 - 08/31 Sun 小川公代×中村隆之
「この世界を生きるための物語と音楽」
『ケアの物語 フランケンシュタインからはじめる』
『ブラック・カルチャー』(岩波書店)刊行記念